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10話 ミリア

「クロムさーん!」


(む! 女の子の声だ! ついにむさ苦しいおっさんと気色悪いモンスター以外の女の子に会えるイベントってやつですか!?)


命の危険まで味わったモンスターがただの気色悪いモンスターになってる辺り本当に楽観的である。


「おーミリアか、おかえり! いつもいつもすまんの。」


「はい! ミリア戻りました! ど、何方ですかそこの男性は?」


「こやつははじめだ。 異世界から転生して来たばかりのやつで、行くあてもないので暫くこきつか……この世界の事と回復職の基礎を教えながら住まわそうと思ってな。」


(おい、おっさん今こき使うって言おうとしたろ、おれは聞いていたぞ! そんな事考えてたんかこのおっさん。 クソ野郎だな。 )



クソ野郎はどちらかと言えばはじめだ。

助けてもらい、いろいろ教えてもらってもこれだ。



「はじめまして! ミリアです! クロムさんのお手伝いさせていただいてます!」


(クッソ可愛いな! 何この青髮セミロング美人で守ってあげたいみたいな子! これが異世界クオリティか! ミリアね! もう二度と忘れない!)



ミリアは、はじめがこの世界に来て初めて会う異性。

異世界特有の透き通る空色のセミロングの青髮に、同じく吸い込まれそうな空色の瞳、誰がみても美人と言うに相応しい整った顔と、スタイル。

それでいて天真爛漫の笑顔が弾けるくらい可愛いのだ、恐らく大概の男性ならイチコロにされるような笑顔だ。



「夏原 はじめです。 先日この世界に来たばりみたいなのでよろしくお願いします。」



思ってる事を口に出さず表面だけ取り繕うあたりこの男の真骨頂である。



(できればこの子に教えて欲しいわ。 こんなむさ苦しいおっさんじゃなく可愛い子だったら覚えるのも苦じゃないし、覚えるのも楽しいってもんよ!)



初対面の子にここまで一瞬で感想まで思えるのは頭の回転が速いが、思考の残念さたるや……。



「私初めて異世界の方にお会いしました! 書物の物語とかでは知っているのですが、お会いした事がなく……お会いしてみたかったんです! お時間あるときでもいいので、良ければ異世界のお話を聞かせて下さい!」


(もう! いくらでも語るよ! 君のためなら朝までどころか3日、4日語るよ!)



はじめのテンションは上がりっぱなしである。



「自分なんかが語るほど面白くはないかもですが、良ければお話し致しますよ。」



こんなところで謙虚っぽさを出し少しでも良く思われようとするのが夏原はじめである。



「お前さん語るのはいいがとりあえず今日の教えてる事として、この回復薬の作り方を覚えてからだな。」


(おい、じじい水を差すなよ。 今は回復薬覚えるより、この子と話す方が先決だろ! 異世界来て初めての異性だぞ! むしろ俺の事を考えてそこはこの子と2人きりにするべきだろ!)



言うに事欠いてじじい呼ばわりである。 しかしながら言葉にせず心の中で思う事しかできないのがはじめらしい。

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