悲しいよね人生は
短いです
⚫復習
エン:主人公 顔に傷があり、明らかにそれが原因で失明している(経緯不明) 前世の趣味は宝塚鑑賞かもしれない人 魔窟(魔法学校)へ向かう(事情不明)
ラディ:主人公の親友 品が良く不器用 エンと共に魔法学校に向かう(経緯不明)
(不明)の所は後のストーリーで分かると思います
その日は二人で自宅で酒を飲んでいた。
「もう!!!私あんたのことずぅぅっと好きだったのに!!!なんで気づいてくれないのーー!!?バカーーー!!!」
「ぶっっっ!!???」
吹き出してしまったビールをとっさに彼女にかからないように出来たことに一瞬本気の安堵を覚え
「グゥっ何言ってやがらアア!!?俺の方がズット前からお前に惚れてンだぜぇ!!!」
何かもう叫び返してしまっていた。
それまでさほど酔ってる気はなかったのに、頭に一気に血が登り、気管支に入ったアルコールと相まって悪酔いしたようにグラグラとキタため。
怒鳴り声に彼女はヒックと喉を鳴らすと、うるりと涙の膜を張り
「.....怒ったァ」
泣いた。泣いたっ!?ウッソ!!?
惚れた女性の涙に敵う男が要るはずもなく、慌ててそんな彼女を抱き締めると、
今度は間違えず内心温めていた言葉を囁いた。
「........エン、エン起きろ」
「....クッ!!」
「...なんだ今のクッは?」
「何でもねーさ、起こしてくれてありがとよ」
目を覚ましても、以前と異なり広がるのは何も見えない闇。
鮮やかな夢を見たせいか、感傷がよぎり女々しいなと笑う
馬車のドアが開いているのだろうか?空気の中に青い命の薫りを感じた。
魔窟(魔法学校)までは相当な距離があり、様々な場所に立ち寄ることになっていた。
「草花の国だったか」
「薬草大国だ」
また長い一日が始まる。