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87.戦いの終わり



 硬直時間で、リヴァイアサンは一分間は動けない。

 その一分間で倒したいと考えるが、今までの攻撃を見るには、時間内に全ての体力バーを削り取るのは無理だろう。




「今のうちに弱点を探すか、作れ!」

『『了解!』』


 弱点を探すのはわかるが、作れとは?




 外壁が硬いなら、中はどうだ……?




 リリィは有りがちな知識を思い浮かべている。外側が硬いのは中が柔らかいからそれを守るために外側を硬くして隠す…………




 この考えでいくなら、まず外壁を壊さなければならない。もちろん、それをするのは簡単ではないが、リリィには一つの手がある。




「メイデ、【三羽刃】だっ!!」

『はい!』


 【三羽刃】は三枚のギロチン刃を使い、貫通属性で槍の穂先のように形に変える。威力は一枚で70のを、三枚を合わせると210と高い攻撃力を得る。 リリィ達が持つ武器の中では一番攻撃力が高い兵器になる。




「何処が胸かわからんが、鱗が薄そうな場所を狙え!」


 【三羽刃】は回転を加えて、鱗が薄そうに見える腹だと思える場所に合わせる。




「撃てぇぇぇ!!」


 合図と同時に【三羽刃】が放たれた。






「くっ……!」






 リヴァイアサンはどれだけの痛みが出るのを予測していたのか、歯を噛み締めて堪えていた。

 狙われた所はガリガリッと削られるような音がしていた。






 ピキッ






 そして、鱗が割れていくのが見えた。もっと押し込めば中まで届くだろうと、【闇の槍】で追い撃ちしようとしたが…………






「よっしゃぁぁぁ! 時間だぁぁぁ!!」






 なんと、もう時間になっており、リヴァイアサンは大声を上げて、暴れはじめた。


 暴れ始めた時に、【三羽刃】は上から尻尾で押し潰されてしまった。




「くっ、中まで届かなかったが…………」

『鱗が割れました!』


 そう、鱗が割れて、ピンク色の肌が見えている。中までは行かなかったが、外壁を剥がすことに成功した。

 このまま、あそこに攻撃を加えれば、ダメージも大きくなるだろう。




「あそこを狙うぞ!!」


 すぐに指示を出して、三人とも動く。




「そうさせるか!」


 なんと、リヴァイアサンは反射する水晶、【万華鏡水晶】で開けた場所を塞いでしまった。




「ずりぃぞ!?」

「ははっ!! 俺も負けられないんでなっ!!」


 これでは攻撃が通らないと歯噛みをするリリィ。あの【万華鏡水晶】を剥がせばいいが、攻撃すると反射してしまうし、自分の手で剥がそうとしてもそう簡単に近づかせてくれないだろう。




「ハハッ! これなら手を出せないだろう? 【水晶飛弾】!!」


 リヴァイアサンはこっちに接近しながら水晶を撃ち出してくる。




「くっ! 【黒太刀】!」


 再び、【浮遊術】と【ステップ】のコンボで動き回りながら【黒太刀】を撃ちまくる。




『マスターだけに働かせません。しかし、堅すぎですね』

『麻痺は……無効されるか』


 ドーラとメイデも応戦するが、効果は低いようだ。

 やはり、外壁に対しての攻撃ではダメージが少な過ぎる。


 だが、リリィは一つの手を思い付いていた。だが、向こうからアレを出してくれないと出来ないことだ。




「ふざけんな! さっさとあの水晶をどきやがれぇ!」

「無駄無駄〜、ぜぇったいに外さないもんね!」

「運営の奴らは全員、お前みたいなズリィのか?」

「ん〜、多分な」


 もしかしたら後に、また今みたいに運営の人がモンスターを動かすかもしれないから、聞いてみたのだ。

 と、リリィの想像通りに、運営の人はほとんど普通じゃないと言うか、腹が黒く、狡くて…………そういう人が多いらしい。




 ……はぁ、またいつかこんなのと戦うかもしれないのかよ?




 リリィは、それは勘弁して欲しいと思った。そういう奴は普通にステータスが強い奴より戦いにくいからだ。


 そう思っていた時に、ようやくリリィが来てほしい時が来た。




「まとめて消してやるよ! 【水晶流星】!!」






 来たっ!






 リリィが待っていたのはこの技だった。すぐに【ベルゼブブ】を発動し、【水晶流星】の元になる、浮いている水晶に向かって飛んでいく。




「【ベルゼブブ】……、まさか!?」

「そのまさかだよ! 【暴食】!!」


 リリィは【水晶流星】が完全に発動する前に、【暴食】で喰った。




「喰われたか……、だが! この硬さを破る威力はないっ!!」

「確かに、このままなら無駄弾になるだろうな……、だからこうする! 【影の守り人】【影の守り人】【影の守り人】!!」


 リリィは【影の守り人】で沢山の影で出来た手が現れる。それがリヴァイアサンに絡み付く。




「ふがっ!?」


 身体中に影が絡み付き、動きが止まる。さらに口の周りにも手が押さえ込まれている。




「……これし……きで、止めら……れるとは……思うな……」


 口を押さえられているため、言葉が区切られているが、全く動けないわけでもない。

 このやり方では数秒しか動きを止められない。リヴァイアサンが本気で暴れたら影は引きちぎられるだろう。


 だが、リリィはその数秒だけがあれば、充分だった。




「がぁっ!? な、何を?」


 口を影の手で無理矢理開けられる。




「口の中はそんな鱗はないよね?」

「あ、ま、まさか……!」

「想像通りだよっ!!」


 リリィはまだ影に絡み付かれているリヴァイアサンの口の中にリリィの手を差し込む。




「パチパチと弾ける味になっちゃうかもしれないけど、覚悟しておいてね!」


 リリィは喰った【水晶流星】を口の中で解放した。

 口の中では小さな水晶が現れてそのまま口の出口とは反対の方向に落ちていく。






「ガアァァァァァァァァァァァァ!!」






 口の中に大量の水晶をぶち込まれて、身体全体を使って暴れている。

 大量の辛い物をぶち込まれた感じのと似ているだろう。




「ガアァァァァァァァァァァァァ!(【巨大水晶】ぉぉぉ!)」


 口から発射する技、【巨大水晶】で【水晶流星】の元になる水晶ごと吐き出した。




「は、はぁはぁ……」

「残り一本、これで終わりだ」


 体力バーはもう残り一本になっており、リリィは先程、鱗を破った場所にいた。

 リヴァイアサンが暴れたおかげで、貼ってあった【万華鏡水晶】は剥がれており、ピンク色の中身は剥き出しになっていた。






「っ! 待っ…………」

「【魔王の鉄槌】!!」






 純闇魔法の新たな技。50%の魔力が必要になり、凄まじい威力を持つ技だが扱いが難しい。

 しかし、当たれば防御が高いリヴァイアサンだろうが、凄まじいダメージを与えられる可能性がある。さらに、今は剥き出しになっているとこにリリィがいる。

 それが零距離からぶち込まれ…………






「ギャアァァァァァァァァァ!!」






 巨大なリヴァイアサンが吹き飛ばされ、地面を削りながら転がっていった。

 そして、体力バーがグンッと減って行き…………










 真っ白になった







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