表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/88

83.二つ目の試練



 迷路を抜け出したリリィは、二つ目の扉前に立っていた。

 一つ目の試練では、回復薬を結構使ってしまったので、次の試練があるなら節約しておきたいとリリィは考えていた。




 また扉と言うことは、次の試練か、七罪の悪魔のどちらになるだろうな……




 考えても仕方がないと思い、扉を開く。









「……なんだこりゃぁ……」


 扉の向こうは地平線が見える程の平らな場所に、色が付いた泡が沢山浮いていた。

 思ったより、綺麗な景色に見惚れていた時に、一つの看板が立っていた。

 そこに文が書かれていた。






『この中の泡から、次の扉を見付けよ。ヒント→全ての色の頂点、混じることもなく、変わらないものが次の道になるだろう』






 と、書かれていた。

 リリィが読み終わったら、今までいなかったモンスターが現れたのだ。




「なっ!?」


 そのモンスターは、リリィが今まで倒してきたモンスターだった。

 さすがに、ボスモンスター、ユニークモンスターは出て来なかったが、数が多すぎるのだ。




 クソッ! こいつらを相手しながら出口を探せと言うのか!?




 大体だが、100体はいるように見えた。もしかしたら、100ピッタリかもしれないが…………




「やってられるかっ! 『ベルゼブブ』!」


 リリィは空中に逃げた。囲まれては、さすがにリリィも攻撃を捌ききれないのだ。




 ヒントがあったな……、全ての色の頂点、混じることもなく、変わらないものが次の道になるだろうってどういうことだ? 泡が出口なのはわかったが……


 リリィはそう考えて、周りを見るが、泡は沢山ありすぎて、適当に探すことになると一日掛けても見付かるようには思えなかった。

 その前に、下にいるモンスター連中に押し潰されそうだ。




「面倒な試練を準備しやがって! 運営の奴らを妖精の迷宮にある沼に沈ませてぇぇぇぇぇ!!」


 悪態を吐いたリリィだったが、下から飛べるモンスターがリリィに向かって攻撃してきたから、避けて剣を振るう。




「おらぁ! ……って、弱いな」


 襲ってきたのは始めの頃に出てきたあのハチだった。たった一撃で光の粒になって消えた。

 つまり、モンスターは強化されたわけでもなく、フィールドにいたのと変わらない強さかもしれない。




「それなら、襲ってきたとしても問題は…………うぇっ!?」


 リリィが見たのは、さっき倒したはずのハチが新たに召喚される姿だった。




 まさか、倒してもまた召喚されて減ることはないんじゃ……?




 試しに、下にいたモンスターに【黒の太刀】をぶち込んでみる。

 この攻撃で何匹か消えたが…………




「やっぱり、減らないみたいだな……」


 予想通りに、倒したモンスターが魔法陣から召喚されていた。

 これでは、戦うのは無駄だとわかった。




「スキルレベル上げにはちょうどいいかもしれないが、今はお断りしたいな……」


 今は回復薬を節約したいし、七罪の悪魔が先にいるなら戦って体力と精神の消耗はさせたくない。

 なら、リリィが取る手は…………




「逃げるっ!」


 【ベルゼブブ】で飛んで、飛行が出来るモンスターから振り切る。

 だが、【ベルゼブブ】には時間制限があるから長くは使えない。




 ……ちっ、降りて走って逃げた方がいいか。




 しばらくモンスターから距離をとるように飛行して逃げてから地面に降りて【ベルゼブブ】を解除した。




「早く謎を解かないとな……」


 看板に書いてあった文を思いだし、考える。




 あの問題だと、答えは色のどれかになるんだよな。ヒントは、「全ての色の頂点、混じることもなく、変わらないものが次の道になるだろう」だったな。


 文を分解して、わかりやすくした。




 全ての色の頂点


 混じることもない


 変わらない……











 ……待てよ、変わらない? 混ぜても変わらないというと……


 混ぜるというのは、例で言えば、青色と黄色が緑色になるように…………






 混ぜても変わらない色は、一つだけだったよな?


 リリィは昔、美術で習ったことを思い出していた。






 ……………………黒? 確か、黒だけだったはず!




 そう、どんな色を混ぜても…………






「そうわかれば!」




 リリィは黒色の泡を探した。

 それはすぐに見付かった。ここから結構離れているが、見付かったには、すぐに方向を変えて向かった、




「邪魔っ!!」


 モンスターが何体かいたが、【黒の太刀】で蹴散らしていく。




 走って、蹴散らして、走って、走って、蹴散らして、走って、走って、走って、走って……………………









「着いた!」


 リリィはすぐに黒い泡の中に飛び込んだ。弾かれることもなく、すんなりと入れた。

 追い掛けてきたモンスターも泡の中に入ろうとしたが、弾かれていた。




「よし、ここが正解だったな……」


 黒い泡は地に着いていたから、飛ばずに入れたのだ。もし浮いていたら飛行を持っていないと駄目になるから当たり前のことだが……


 次は扉ではなく、下に行ける梯子があった。

 先に進もうとしたリリィだったが、一つだけ疑問が浮かび、足が止まっていた。






 …………あれ? 黒に白が混じれば、灰色になるんじゃ?




 思い出したのだ。黒でも白を混ぜたら灰色になると。


 なら、この出口は偽物? ……頂点ってどういう意味だ? ………………………………………………………頂点って純色のことなのか? なら、灰色は純色に入ってないから答えは黒でいいんだよな…………うん、出口のような物があるんだし、入ってから考えればいいか……




 少し、足が止まったが、とりあえず見付けた出口に進むことにしたリリィだった。






 正解だったようで、進んだ先に、道があり扉があった。




 次からはヒントをわかりやすくして欲しいなと思うリリィだった…………







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ