表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/88

75.研究室



 マナのギルド入会試験も終わり、マナを連れてギルドハウスに入った。




「わぁっ! 鍛冶場付きのギルドハウスなんて、初めて見ました!」

「あれ、マナはβ時代もやっていたの?」

「はい。あの時は弱小ギルドに入っていて、攻略はあんまり進めていませんでした」


 攻略ギルドではなく、ほどほど楽しむが目的のギルドに入っていたようだ。

 だが、何故、『魔妖伝記』に入りたいと思ったのか?

 リリィはその質問をしてみたら……




「私の戦術は戦いでわかっていると思いますが……」

「うん、お金がかかりそうな戦いだね?」

「うっ……、そうです……。その戦いのおかげで、強い敵にも勝てるのですが……」

「他のパーティから煙たがれたとか?」

「なんでわかるんですか……? リリィはエスパーなの?」

「いや、推理してみただけなんだけど……、当たっていたんだ」


 そう、リリィは推理したのを言ってみただけなのだ。

 まさか、全部当たっているとは思わなかったが…………


 まず、前は弱小ギルドだったのに、今は攻略ギルドとも言える『魔妖伝記』に入りたいのか、考えてみた。

 今は他のギルドも出ているのに、ここを選んだかは、マナの戦術にある。

 マナの戦術は薬品で戦うやり方であり、あの薬品を作っているのがマナなら、材料費が凄く掛かってしまう。

 マナは多分、β時代では魔法を使って戦う戦術だとリリィは推測する。

 今は薬品を使った戦い方に代わったため、今までパーティを組んでいた人からは薬品がなくなると役に立たなくなるから、煙たがれてしまう。

 どうすればその問題を解決すればいいのかと悩んでいた時に、ギルドの『魔妖伝記』に目が着いたのだ。

 そう、たった三人だけでギルドを建てた『魔妖伝記』に…………




「つまり、薬品を作るための材料を用立てて欲しいで間違っていないね?」

「はいぃ、その代わりに薬品を納入します」

「なるほど。面白い薬品を作ってくれるなら、こっちも歓迎よ」


 そう、たった三人だけで作ったならば、お金も沢山集めているギルドにも見れるのだ。

 ギルドハウスを建てて、ギルドを作るためには、100万yenが必要なのだ。

 それを三人だけで集め、ギルドハウスを建てたのだ、とマナはそう思っている。

 実際はリリィが全額払っているのだが…………


 マナが金目当てで入会したように感じられるが、それは違う。

 確かに材料を沢山準備出来るギルドは今、『魔妖伝記』だけだ。

 他にギルドも作られているが、ギルドハウスを買うために、使った資金が膨大のため、何処もまだ貧乏なのだ。

 マナは材料を準備出来るギルドと取引のために、『魔妖伝記』に入会を求めた。

 そして、リリィは戦ってマナの考えを読み、入会を認めたのだ。

 つまり、取引は成立したのと同義だった。




「材料はこっちで準備をするけど、他には?」

「え、材料だけあれば充分なのですが……」

「マナが求むなら、研究室も作るけど?」

「え、ええっ!? いいのですか!?」


 研究室とは、【製薬術】で使う道具が揃っており、様々な実験が出来る場所だ。

 リリィは10万yenを使ってギルドハウスに追加すると言っているのだ。




「な、なんで、そこまで……、してくれるのですか?」

「いや、お金も貯まっているし、必要だと思ったから聞いてみただけだけど? で、どうする?」

「あ、あの! お願いします!!」


 マナにとっては嬉しいことで、リリィが作ってもいいと言ってくれるのだから、断るわけがなかったのだ。




「了解。すぐに追加するから待ってて」


 リリィは部屋の隅に置いてあったカタログのような物を手に取って、研究室を作れるようにお金を払い、ポチッと押すだけで…………




「あっ!? 新しい扉が現れましたよ!?」

「見事に仕事が速いな……。そう、その扉が研究室だよ」

「わぁっ!! ありがとうございます!!」

「そうそう、材料は何が必要か紙に書いておいて、材料を集めたら共用収納に入れておく。何か出来たら私に教えて。欲しい物があったら量産を頼むかもしれないからね」

「わかりました!」


 その後も詳しく話し合い、研究室の中も見てみた。

 【製薬術】を持っているリリィが知らない道具も置いていた。

 それらの道具は【中位製薬術】を持っていないと使えない道具であり、マナはもう【中位製薬術】になっていたから設置されているのだ。

 ギルドハウスに付けられたそれぞれの部屋は、ギルドメンバーの中で一番スキルレベルが高い者に合わせられて、道具が設置されるのだ。

 もちろん、初心者の道具も必ず置かれている。




「凄い設備ですっ!!」

「そうなの? スキルが進化してから、道具はどうなっているの?」

「【中位製薬術】で必要な道具は使い捨てですぅぅぅ……」

「うわぁっ、お金が掛かるね……」


 【製薬術】で使う道具は、絶対に壊れない。だが、使える道具は使えなく、マナが使った〈爆裂ビン〉は絶対に作れないのだ。

 〈爆裂ビン〉は【中位製薬術】ではないと作れないため、リリィはこれから製薬術関係はマナに任せようと考えたのだ。

 もちろん、暇があったら自分もやるが、今のところはマナの方がスキルレベルは高いから任せることが増えると思う。




「マナ、これからは製薬術関係を任せることになるが、大丈夫か?」

「は、はい! 任せてください!! 色々な面白い薬品を作ってやりますっ!!」

「ははっ……、それで、必要な材料を教えてくれる?」

「はい、ええと……」


 マナから必要な材料を教えてもらい、明日、服装の材料を集めるついでに、一緒に集めることになった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ