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73.材料捜し



 製薬術で変な薬を量産していたり、鍛冶は無難な武器を造り続けたりして、スキルのレベルを上げたのだった。




「……ふぅっ、これくらいでいいかな?」


 今は武器を並べていた。全て、スキル無しの武器であり、今度売る予定なのだ。

 それほどに強いとはいえないので、プレイヤーの店では買い取ってくれないだろう。

 お金も困ってないので、NPCの店で売ることにするリリィなのだ。

 スキルレベル上げを終わらせたリリィは次に進めることに。




「あとは、材料集めか……」


 これから材料を集めに行くようだ。

 材料とは、第四の街『ネリフィの街』にあった仕立屋でオーダーメイドを頼むための材料のことだ。

 材料とお金がないと手に入らない店だが、技術は今までの街との差が大きいのだ。

 材料によって、スキル付きのを造れるかもしれないのだ。

 リリィはそうと決めて、ギルドハウスにいたクナイを無理矢理に連れて材料があると思える場所に行ったのだった。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇




「ふぇ〜、無理矢理連れていかれるなんて何をするんですか……」

「別にいいでしょ? 暇そうに見えたもの」

「確かに、今は暇でしたが……」


 クナイは明日、第三のボスに挑む予定なのだ。

 ギロスと二人のPTで挑むにはキツイ相手なので、ギロスが募集を掛けているのだ。

 その間、クナイはちょうど暇だったのでリリィに連れていかれたのだ。




「へぇ、明日に挑むんだ?」

「はい。勝てるかわからないけど、ギロスが指揮をしてくれるので大丈夫だと思いますよ」

「確かに、ギロスならβ時代で戦ったことがあるしね」


 パターンは少し変わっていたが、水龍を先に倒せば、大丈夫だろう。

 推測が当たっていればだが…………




「そんなことより、今回は材料を集めたいの。だから手伝えっ!!」

「命令ですか!? 別に手伝うのはいいけど……、材料って、何を集めるの?」

「新しい服が欲しいんで、オーダーメイドしようと思っているのよ。だから、材料を集めるのっ!」

「はぁ、オーダーメイドですか? 【ウィータの街】にそんな店はありましたっけ?」

「いや、【ウィータの街】じゃなくて、次の街である【ネリフィの街】にあったのよ!」

「そうなんですか! でも……、オーダーメイドはお金が掛かりそうですね……。いや、材料持ち込みだから無料?」

「いんや、有料。しかも、持ち込んだ材料の質が良いほどに高くなる」

「何それ!? ぼったくりじゃないの!!」


 確かにぼったくりと言われても仕方がないと思う。

 材料の質が高いほど、金額が高くなるのはふざけていると思うが、材料の質が高いほどに、完成度が高くなり、スキルも付くかもしれないのだ。




「まぁまぁ、珍しい技術を使っているらしいし、もしかしたらスキルも付くかもしれないし」

「それでもぼったくりのような……」


 まだ納得しないクナイだったが、もうここまで来たのだから、話を終わらせて材料を落とすモンスターを探し始めたのだった。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇




「あの鱗紛りんぷんのせいで近付けないよ〜」

「まだ遠距離の攻撃手段がないの……?」


 リリィ達が相手しているのは、蚕の糸を落とす蛾のようなモンスターだ。

 ずっと撒き散らす麻痺の鱗紛のせいで、遠距離の攻撃手段がないクナイは近付けなかった。

 現実なら、息を止めればいいかもしれないが、ここでは触れたら麻痺になってしまうのだ。

 せっかくクナイを連れて来たが、蛾の前では、役に立ってないのだ。




「仕方がないなっ! 【闇の槍】!」


 リリィは魔法で蛾のモンスターを撃ち落とす。

 ここの森は【ミディアの街】の近くなので、敵はそれほどに強くはない。

 リリィの放った【闇の槍】では一撃だった。




「クナイは蛾以外のモンスターに相手をしていなさい」

「はぁぁい〜」


 まだ周りには蛾のモンスターと別の虫関係のモンスターがうようよしている。

 蛾は自分が相手をし、他はクナイに任せることに。

 クナイは虫は平気らしく、サクサクとモンスターの命を刈り取っていた。

 リリィは闇魔法と久しぶりに〈女王様の鞭〉を使って蛾を撃ち落としていく。









「あ? あれは中ボスの扉じゃないか?」

「あ、あれは私ももう戦ったことがありますよ〜」

「どんなモンスターだったの?」

「確か、蟷螂かまきりのモンスターだったよ」

「ちぇっ、衣服の材料は落とさなそうだな……」

「そうですね。無視する?」


 リリィの目的は衣服の材料だ。衣服の材料を落とさないモンスターには用はないのだ。

 リリィはクナイの言葉に頷いて扉から離れた。

 その後も、続けて蛾を倒したり毛皮を落とす狼に熊のモンスターとも戦った。




「しかしなぁ、弱いモンスターが落とす毛皮や糸で良いものが作れるのか?」

「それはないと思いますよ?」

「だよな……、明日、第三のボスに挑むよな?」

「うん、そうだよ〜」

「よし、ボスが終わったら第四の街【ネリフィの街】の周りにある森に行かないか?」

「勝てたらいいよ〜」


 これだけの材料では心許ないので、明日、クナイ達がボスに勝ったら一緒に【ネリフィの街】の周りにある森に行くことに。

 そのためにはクナイやギロスには勝ってもらわないといけないのだ。




「そうだな、私は参加しないけどギルドハウスにある共用BOXに入っている回復薬を好きのだけ持って行ってもいいぞ」

「え、いいの!?」


 スキル上げのために造っていた回復薬があるので、それをクナイとギロスにあげようと思う。




「ただ、使うならいいが、売るなよ?」

「はい! ありがとうございます!!」


 二人に限ってはそれはないと思うが、一応言っておいたのだ。




「よし、今日は材料集めは終わりにして続けてスキルレベル上げにするか?」

「時間は大丈夫なので、それでもいいですよ」

「決まりだな!」




 これからは場所を変えて強いモンスターがいるフィールドに向かって二人でスキルレベル上げを進めたのだった…………







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