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65.再びのキャラ!



 武器の検証が終わった頃、ギロスが思い出したように話してきた。


「そういえば、カリンに会ったんだが、もし時間があったら出店に来てくれない?と言っていたぞ」

「カリンさんが?その出店とは何処なんですか?」


 詳しく聞くと、カリンはもう【ウィータの街】に来ていて、西口の辺りに出店を出していると。


「なるほど。おそらく、あの件のことですね」


 用があると言えば、あのことだと予測出来た。この前、MPも回復する〈バナバナポーション〉を売り出す話をしたのだ。

 リリィとカリンはLv.5を500個とLv.7を500個が45万yenで取引していた。


「んじゃ、行ってみるね」

「おう」

「私はしばらくギルドハウスでのんびりしているね〜」


 二人はギルドハウスでのんびりする予定のようだ。リリィはカリンがいる西口に向かった……




◇ ◆ ◇ ◆ ◇




 ここは【鉄竜の洞窟】に向かう時に使う西口への道。




 話によれば、その辺りにカリンの出店があるということだが……?




「あ、リリィちゃん!こっちだよー!!」

「おっ、カリンさん!」


 沢山並んでいる出店の中から声を張り出して、こっちを呼んでいた。それに気付いたリリィはすぐにカリンを見つけた。


「もうここまで来たんだね!」

「ええ、それよりあのことを覚えているよね?」

「うん、あのことねっ!」


 内容を言わなくても伝わったようで、〈バナバナポーション〉を千個、カリンに渡した。


「よし、45万yenだったわね。はい!」

「取引成立ね」


 お金も前に表示した通りに払ってもらい、取引成立となった。カリンは取引が終わったら、すぐに出店に登録していた。


「……よし、これで準備はオッケーとして、リリィちゃん。ありがとうね」

「いえいえ〜」


 リリィとカリンはその後、軽く談話していたら…………




「おっ!MP回復薬じゃないか!?」




 と、何処かで聞いたような声がした。

 リリィは気になって見たが、フルフェイスで、ガチガチと重装備の人がいた。顔が見えないから誰かわからなかったが、あっちは違ったようだ。




「……ん、あ!テメェは!?」




 急にリリィに向けて喧嘩腰で話してきた。


「…………?」


 誰なのかわからないリリィは首を傾ける。

 その後、重装備の人の後ろからぞろぞろと仲間っぽいの人達が出て来た。


「おーい、次の方針はどうするんです………!?あ、お前は!?」

「あの時の!」


 後ろにいる仲間っぽい五人もこっちを知っているようだ。しかも、喧嘩腰だった。


「えーと、誰?」

「なっ!?俺達を覚えてねぇのかよ!?」

「…………?」


 リリィだって、会った人の全てを覚えているわけでもないのだから、首を傾けるしかなかった。


「なら、この顔を見ればわかるだろ!?」


 初めに声を出していた重装備の人がフルフェイスを外した。

 まず、リリィが目に付いたのは…………









 モヒカン









「……あ!」

「ようやく思い出したか!!」


 そう、そのモヒカンで思い出したのだ…………




「あのモヒカンは……、私とドーラに瞬殺されたモヒカンPTだ!」

「なんで、モヒカンで覚えていんだよ!?」


 どうやら、相手は人の顔ではなく、モヒカンによって思い出したのが気に入らないようだ。


「えー、いちいち倒した顔を覚えていないと駄目なのよ?」

「くっ……、この野郎が……」

「リーダー、落ち着いてください!」

「そうそう、あの時は負けたが、今は負けませんってば!」


 ん?さっき、今は負けないと言わなかったか?


「ほう?今なら負けないと言いたいの?」

「ああ、俺達も強くなった。負けてからリベンジのために鍛えまくったからな……」

「リベンジのためねぇ……」

「ち、ちょっと待ちなさいよ!?」




 すぐに戦いが始まりそうな雰囲気になった時、慌ててカリンが止めていた。




「貴方達ね……、特に、モヒカンPTは前にやられたことがあると言っても、喧嘩になった原因は貴方達にあるのを忘れてない?それに、リリィも簡単に喧嘩を買わない!」

「ぐっ……」

「だって……」


 モヒカンのリーダーはカリンが言うことが間違ってないことに言い出せなかった。リリィも不満そうに呟く。

 その後、信じられない行動を見ることになった。


「くっ、確かにあの女の言う通りだな。リリィと言ったな……、この前は悪かった!」






 リリィは驚いていた。まさか、謝って来るとは思わなかったのだ。カリンも目を開いて見ていた。


「今回は、この前の復讐とは違って純粋にリリィに勝ちたいだけだ。だから、リベンジと言うか、もう一回戦って欲しい……」

「……俺達もこの前は悪かったと謝りたいと思う」

「「「すまなかった!」」」

「だから、俺達もお願いしたい。リベンジするチャンスが欲しい!」


 仲間もリリィに謝って、バトルをお願いしてきた。






「リリィちゃん、どうするの?」

「…………はぁ、バトルをしたいなら受けますが、前と同じようにやりますか?」

「出来れば、そうしたいが、駄目か?」


 うーん、ドーラはまだ召喚出来ないけど…………、まぁいいか。


「いいわ、それでやりましょう」

「リリィちゃん、大丈夫なの…………いや、心配は必要ないわね」


 カリンは今までのことを思い出したのか、言い直した。


「ありがたい!早速、いいか?」

「問題ないわ」


 リリィとモヒカンPTはすぐにバトルフィールドに移った…………




◇ ◆ ◇ ◆ ◇




 ギロスと戦った時と同じコロシアムの様な場所に移った。周りには、観客が何十人もいた。


 へぇ、もう第三の街に来れる人がこんなに増えたんだな……


 そんなことを考えているリリィだったが、モヒカンのリーダーが声を掛けてきた。


「おい、あの召喚モンスターを出さないのか?」

「ん、ああ。明日にならないと出せないのよ。だから、私だけで戦うよ」

「一人で戦うと言うのかよ?」


 珍しく、こっちの心配をしてくるモヒカンだった。


「大丈夫よ。これを使うからよ…………」


 そう言って、〈拷問セット〉をアイテムボックスから出した。

 それを見たモヒカンPTと観客は響めいていた。


「なんだそれは!?」

「ふふっ、新しい武器よ……」


 始まりの秒読みが終わり、先に動いたのはリリィだった。まず、呪飢の三刃をモヒカンPTに向かわせた。


「二人が盾で受け、他は魔法を撃て!」


 モヒカンのリーダーが指示を出し、PTは慣れたように指示通りに動いていた。盾持ちが上手くギロチンの刃を受け、後ろにいる4人を守った。




「「【ウォーターストーム】!!」」

「「【サンダーストーム】!!」」




 盾持ち以外の前衛の人も魔法を唱えて、魔法の嵐がリリィに向かう。


「ほぅ、前より連携が出来ているねっ!!」


 リリィは慌てずに呪鉄の処女を動かし、盾にして魔法を防いだ。

 4人に魔法を撃たれたが、一直線方向だったので、アイアンメイデンで防げたのだ。


「なっ、傷一つ付かないだとっ!?」

「ゴメンね。これは破壊不可能だからよっ!」


 話しながら呪雷の椅子に電流を流すイメージした。

 一直線に向かうではなく、放射するような感じにモヒカンPTに向けて撃った。

 さっき、魔法で撃たれたのと同じようなことをしたのだ。


「くっ、各自、防御を固めろ!」


 盾持ちは盾で防ぎ、魔法を撃っていた人は魔法でダメージを軽減していた。

 電流が流れ終り、少し気が緩んだ時…………


「注意力はまだ足りないかな?」

「えっ?」


 リリィがそういうと、盾にしていたはずのアイアンメイデンがないことに気付いた。

 そして、魔法使いの下に影が浮いていた。


「う、上!?」

「遅いわ」


 リリィは電流を流している時、すでに【アイアンスタンプ】を発動していた。

 影に気付いたが、そこまでだった。一撃だけで魔法使い一人は脳天から押し潰されて、退場した。


「ぐっ!」


 近くにいた人は余波で少しだけ体力バーを削っていた。バランスを崩していたのを見逃すリリィではなかった。


「それに、隙を簡単に見せてはダメでしょ?」


 今まで待機していたギロチンの刃がバランスを崩した前衛の人に斬りつけた。


「ぐぁぁぁっ!!」


 攻撃は直撃して、武器を持つ手は切り落とされて、体力バーは半分もなかった。

 部位切断で武器を持てなくなった。反対の手には盾があるが、時間の問題だろう。


「っ、慌てるな!一人ずつが武器を相手し、2人でリリィとやる!」


 すぐに指示を出した。部位切断の人はアイアンメイデンに、ギロチンの刃はもう一人の盾持ちが受け持つ。電気椅子には防御魔法を使う魔法使いが向かった。

 残ったリーダーと剣持ちの男がリリィに向かった。


「ほうほう!指示も、行動も早いわね!!」


 リリィは褒めていた。ついさっき一人が欠けたのに、慌てずにリーダーの指示に従って行動していた。まさに、ベラテンのようなPTだった。


「凄いけど……、私相手には、まだ足りないわね!!【電磁砲】、【影拘束】、【身代わり】!!!」


 【電磁砲】は魔法使いを電磁ドームに封じ込め、【影拘束】はギロチンに相手していた盾持ちの動きを止めた。

 そして、【身代わり】でアイアンメイデンと場所を入れ替えた。




「「「「「なぁ!?」」」」」




 一瞬で二人が行動不可能になり、【身代わり】によってリリィは部位切断された人の前に出ることになったが、その人は盾しか持っていない。残った二人は剣でアイアンメイデンに攻撃してしまい、手を痺れさせていた。


「な、な!?」

「まず、二人」


 リリィは電気椅子で驚いて動きを止めている部位切断の人に電流を流した。元から体力が少なかった彼はすぐに退場した。それで終わらず、ギロチンの刃が【影拘束】によって動けない盾持ちの首を落とした。

 これでリリィの宣言通りに二人が退場した。


「動ける前衛が二人、閉じ込めた魔法使いが一人ね」

「くっ!」


 魔法使いは魔法を使おうとしたが…………


「な、発動出来ない!?」




 へぇ、発動出来ないんだ?説明には書いてなかったんだけど……?




 説明にはなかったなぁと考えていたが、まだ敵は全滅させてないので、考えるのは後にした。


「まだ終わらないよ!【黒太刀】!」


 リリィは電気椅子にも指示を出し、攻撃を続けていた。

 動ける前衛の二人は必死に避けつづけるが、少しずつ体力バーが減っていく。


「くそぉ!!」

「あれ?もう他にはないの?」


 何も起こさないモヒカンPTだったので、リリィはもう終わらせることにした。


「あと3秒か…………、【アイアンスタンプ】!」


 あと3秒というのは、【電磁砲】の効果が切れるまでの時間のことだ。

 リリィは消えるドームにタイミングよく向かって【アイアンスタンプ】を発動した。

 結果、魔法使いはドームが消えても避ける暇もなく、潰されて退場した。


「二人も終わりにするね【三羽刃】!」


 電気椅子で二人がギロチンの刃の前に重なるように誘導して、【三羽刃】を発動した。




「はや…ぐぁ!?」




 槍の穂先の形になったギロチンの刃のスピードに反応出来ず、二人も串刺しになった。

 今まで体力を少しずつ減らされたのもあり、、さらにギロスより防御は低かったようで、一撃で退場した…………




 少しはやるようになったけど、まだまだだったわね…………




 リリィは物足りなさがあったが、完全無傷で勝利だったのであった…………





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