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64.新武器の検証

感想はなかなか返事は出来てないけど、全て読ませてもらっています!

では、続きをどうぞ!!



 リリィはギルドハウスに帰って、ソファーでノンビリしていた。






 え、鍵のことはどうしたんだ?って……無理に決まっているだろ。






 リリィはさっきまで拷問少女と戦っていたんだが、実力的にはギリギリだったのだ。なのに、すぐに七罪の悪魔と戦うというのは考えられないことだとリリィは思う。

 七罪の悪魔の実力は確実に、拷問少女を超えているのだから、慌てずに実力を付けてから挑むことにしたのだ。


 ふぅ、ギルドハウスに戻ったのはいいけど、誰もいないな……


 クナイとギロスはログインしているが、何処かに行っているようだ。

 リリィは新しい武器を試したいから二人のどちらかがいたらバトルステージに行って試そうと思ったのだ。

 仕方がなく、二人のどちらかが戻って来るまでに鍛治でもして時間を潰そうと思ったら……




「ただいまですー!」




 ちょうど、クナイの声が聞こえていたので、とりあえず……


「おう、おかえり」


 挨拶をしておいた。帰ってきたのはクナイだけではなく、ギロスも後から入ってきた。


「ん、リリィいたか」

「よっ、いちゃ悪いかよ」

「んなわけねぇだろ」


 と、軽く冗談を言い合う。二人とも帰ってきたので、バトルステージで勝負を頼んだ。


「バトルか?なら、このギロスが受けようじゃないか!」

「私は見学で〜」


 ギロスはやる気満々で、クナイは見るだけということに。


「感謝する」


 ギルドの仲間だけが観戦出来るように設定してから、ギロスとバトルステージに移った。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇




「急に戦いたいなんて、どうしたんだ?まぁ、こっちはリベンジをしたかったからちょうどいいんだが……」

「ちょっと、新しい武器を手に入れたからね」

「ほぉ、楽しみだな。そういいや、ドーラは出さねぇのかい」


 ギロスはドーラを召喚しないことに疑問を持っていた。


「あぁ、ドーラは今日、負けたから明日にならないと召喚出来ないんだよねー」

「はぁっ!?」


 ギロスは驚愕していた。ドーラの実力を知っているから、ここら辺の敵に負けたとは思えなかったのだ。


「ち、ちょっと待て。まさか、さっきまでは第三のボスに挑んでいたと言わないよな……?」


 ドーラを負かすことが出来る敵と言えば、第三のボスしか思い付かなかったのだ。


「いや、それはまだだよ」

「そ、そうか……。なら、何故?」

「まず、新しい武器を見せるね」


 リリィは〈拷問セット〉である三種の武器をアイテムボックスから出した。呪鉄の処女を後ろに置き、右手には呪飢の三刃が絡み付き、左手には呪雷の椅子が浮いていた。


「な、なんだそりゃっ!?」

「これが稀少イベントで手に入れた〈拷問セット〉よ」

「…………」


 観戦しているクナイも目の前のギロスと同じように口を開けてポカーンとしていた。


「まさか、稀少イベントを起こしたのか……?」

「ドーラが負けるほどの強敵と戦っていたのよ。ギリギリだったけどね……」

「なるほどな……。で、三つ同士に操れんのか?」

「わからないわ。たった今、初めて使うし!では、始めるわねっ!」


 リリィは呪雷の椅子でギロスに向けて電流を流すようなイメージをしてみた。




バチ、バチッ………バチィィィィィ!!




「うおっ!?」


 電流で攻撃は成功し、イメージ通りにギロスに向かっていった。驚いていたが、距離もあったのでギロスは避けることが出来た。


「それって、電気椅子……?」

「そうだよー。電気椅子なのに、電流を飛ばせるなんて予測出来ないよねー!」

「まぁ、確かにな……。後ろのはアイアンメイデンだとわかるが、三枚の刃物はなんだ?」

「ギロチンの刃だよ?台がないからわかりにくいかもしれないけどねっ!」


 説明はここまでと言うように、また呪雷の椅子で電流を飛ばした。それだけで終わらずに……


「ギロチンの刃はどうだろう?」


 ギロチンの刃もギロスに向けていた。


「むっ、同時に来るか!」


 電流攻撃は避けて、向かってくる呪飢の三刃は槍で捌いてくる。


「重い攻撃だが、攻撃が単調だぞ?」

「そうだよねー。思ったより操作が難しいな……」


 呪飢の三刃はバラバラに攻撃ではなく、三枚同時にギロスに向かっていたから簡単に捌けたのだ。


 確か、あの少女は指を動かして細かく攻撃していたよね……


 リリィは拷問少女との戦いを思い出しながら呪飢の三刃の操作に集中していた。


「……っ!?」


 急にギロチンの刃の動きが変わって時間差を上手く使って三方方向から攻撃していた。


 おっ、この感じならやりやすいや!


 右手の人差し指、中指、薬指を使って操作するイメージにしたらさっきより操りやすくなった。


「よぉし、呪鉄の処女も試すかっ!【アイアンスタンプ】!!」


 呪飢の三刃を操りながら呪鉄の処女のスキルを使った。

 後ろにあったアイアンメイデンが消えて、設定した場所に瞬間移動して、ギロスの上に浮いていた。

 ギロスも呪飢の三刃を防いでいたが、下の影に気付いた。


「なっ!?」


 ギロスは呪飢の三刃に傷をつけられるのを覚悟に【ステップ】で真横に逃げていた。直撃は避けられたが、余波の石つぶてでグンと体力が減っていた。

 ギロスは【スライム狂い】の称号で打撃に弱くなっているから二割は削られていた。もし他の人だったら一割程度だろう。


「攻撃する暇をくれねぇのかよ!?」

「あー、確かに私も三種の武器と相手している時はなかなか攻撃が出来なかったよねー」

「リリィもそうだったのか……なら、これはどうだ!?【ウォーターランス】!!」


 水の魔法を使ってきた。リリィは効果というか、呪いのせいで一歩も動けない。

 【浮遊術】を試してみたが、自分自身は浮かなかった。移動方法は提示されていた通りに【身代わり】だけのようだ。

 【身代わり】を使ったら次の【身代わり】を使えるようになるまでのインターバルがある。



 これは【身代わり】を使わずにこうすればいい!



 単調な魔法の攻撃、いつもなら簡単に避けられる程度だ。リリィは5秒経って、後ろに瞬間移動したアイアンメイデンを【浮遊術】で動かして、盾にした。


「それは盾代わりに出来るのかよ!?」


 メイデンはアイアンメイデンを自由に動かしていたのだが、リリィの呪鉄の処女は元々、操作性が付いてなかったようで、【浮遊術】を使って動かすことにしたのだ。


「次は……」


 武器の固有スキル以外のスキルは使えるか調べることに。


「【黒太刀】!」


 ギロチンの三枚内、一枚から【黒太刀】を発動するイメージをしてみた。結果は、成功した。




 ほぉ、これは使えるかも。次は三枚同時に使えるか?




 三枚をバラバラにして、三枚から【黒太刀】を発動するイメージしたが、一枚しか発動しなかった。




 駄目か……、都合よく行く訳無いか。




 失敗したが、スキルは使えるという結果だったので、良しとすることに。

 何回かギロスからの攻撃があったが、全て武器とアイアンメイデンによって防いでいる。


「クソォッ!そこから動いてないのに、ダメージを与えられねぇ!!」


 全くダメージを与えられなくて、イライラしてきたようだ。




 ギロスのストレスが溜まる前に終わらせることにしようか……




 検証も終わったし、そろそろ決着することに決めた。まず、【影拘束】でギロスの動きを止め、【三羽刃】を発動する。


「な、動けねぇ!?」

「イライラさせて、ゴメンね。そろそろ終わりにするよ。【三羽刃】!」


 ギロチンの刃が形を変えてギロスに凄まじいスピードで向かった。動けないギロスは避けられるわけでもなく、腹に受けていた。


「がぁっ!?」


 流石に、防御を高めているギロスを一撃で倒せるでもなく、三割は残っていた。

 〈失血〉で少しずつ減らしているが、まだ三割も残っていては、時間がかかるので、容赦なく、トドメを指すことにした。


「まだ残るなんて、防御力をさらに高めたのね。でも、これで終わりねっ!【アイアンスタンプ】!!」


 【アイアンスタンプ】は打撃技になるので、喰らったら間違いなく、体力はゼロになる。

 まだ【影拘束】の効果が残っていて、ギロスには魔法を放つしか抗う術がなかった。


「くそっ!魔法では壊せない物なのかよっ!?」

「ゴメンね。これは破壊不可能なのよ……」

「マジかよぉぉぉぉぉ!?」




 魔法で破壊出来なくとも、直撃だけは逸らそうと魔法を撃ちまくっていた。

 だが、アイアンメイデンには傷一つも付かず、垂直からの落下なので、少ししかずらせず、ギロスは直撃を受けて退場した…………


 リリィの頭の上に『You Win!!』と表示されて、バトルフィールドからギルドハウスに転移された。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇




「どうだった?」

「……ど」

「ど?」




「どうだった?じゃねぇよ!!あんなもん、一対一で勝てるかぁぁぁぁぁ!!」




 ギロスは叫んでいた。叫んでしまうのは仕方がないと思う。

 だって、上位プレイヤーであるギロスが一回もダメージを与えられずに、ボロクズのように負けたのだからだ。


「確かに……。私も一対一だったら勝てる気がしません……」

「え、そう?」

「ああ……、特にアイアンメイデンが反則レベルだぞ!自由に動かせて破壊不可能の盾なんてどうしろと?言いたいわっ!」

「あー、確かにアレを盾にされたら全ての攻撃を防がれてしまうね……」


 二人とも、三種類の武器の中で呪鉄の処女が一番戦いにくいと言うようだ。でも、デメリットがあると言うことを教えた。






「あー、呪鉄の処女は動かせない設定だったが、【浮遊術】があるからさっきみたいに盾に出来たと言うわけか……?」

「さらにデメリットもキツイね……。一歩も動けないし、ダメージを受けたら二倍なんて、さっきみたいに呪鉄の処女を盾にする方法がなかったら使いづらい武器になっちゃうね……」

「そうね、【浮遊術】を持ってなかったら、一、ニ回はダメージを受けていたかもね」


 デメリットと【浮遊術】がなかったら使いづらい武器になってしまうことに納得したのであった。


「しかしなぁ、リリィは運がいいよな。稀少イベントを起こして、新しい武器も手に入れたし」

「しかも、普通の人にとっては使いづらい武器だが、リリィには好都合な武器だったしね」

「まぁ……、それはそうですが、この武器は対人用で一対一ならいいけど、多人数だったらこの武器では防げない攻撃が何回か出てしまうし、フィールド上だったら一々と出して使わないと駄目だし……」

「そうか……、装備すると一歩も歩けないんだったな」

「確かに、操作が大変そうだから多人数相手にはキツイかもね……」


 リリィが言った通りに、この武器は使い所が決まっていて、いつでも装備したままとはいかないのだ。


「だから、この武器は対人でのバトルの時に使うことにする。他のはいつも通りに戦うわ!」

「なるほど。足を使って戦いやり方の方が、リリィにとってはやりやすいかもな」




 新しい武器の使い所を決めたリリィだったのである…………





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