表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/88

58.スキルレベル上げ



 運営イベントが終わった翌日。リリィがログインした所に……


「おっ、ようやく他のPTも来るようになったね!」


 目の前には、所々にプレイヤーが歩いていた。ここは第三の街、【ウィータの街】だから第二のボスを倒してここの街に来たということ。


「よし、解禁するか!」


 リリィの言う解禁とは、他のステージを攻略しに行くことだ。今まではリリィの攻略進行が早過ぎたので、他のプレイヤーがここの街に来るまで【鉄竜の洞窟】以外のステージに行かないと決めていたのだ。


 クナイとギロスはいないし、久しぶりにドーラと一緒に狩りに行くか…………




◇ ◆ ◇ ◆ ◇




 狩り場所に決めたのは、海の様に広い水場である【リーベリア海域】だ。


「うわぁ、広いね〜」

『はい、そうですね』


 とっくにドーラを召喚し終えて、ステージまで来ていた。リリィが一つだけ問題があったのを思い出した。




「今回はスキルレベル上げをするけど…………、ドーラは水場の中に入れるの?」




 そう、ドーラは【泳ぎ】を持ってない。思い出したのは召喚した後だったから一応、聞いてみることにした。ドーラからの返事は…………


『大丈夫ですよ』


 大丈夫と答えてきた。つまり、水場に入れるということだ。


「えーと、どうして大丈夫なの?」

『マスターは【泳ぎ】を持っています。なので、召喚モンスターでもある私にも効果が付加されるように設定されてありますので』

「なるほど……、召喚モンスターも一緒に何処でも行動出来るように設定されているというか」

『はい』


 水中に入るために必要な【泳ぎ】なら、ドーラもリリィと同じように行動出来るが、スキルを使えるとは違うようだ。

 もし、ドーラもリリィのスキルを使えるなら、とっくに使っているはずなのだから、行動するために必要なスキルだけは共有出来るようになっているだろう。


「なら、問題はないな。ただ、【泳ぎ】のスキルレベルはまだ低いから陸上と同じように動けないから気をつけろよ?」

『了解です。マスター』


 ドーラから返事をもらい、【リーベリアの海域】の水中に入った。

 【リーベリアの海域】の水中は、透き通る水で、この前の池よりは先を見通せた。


「おー、綺麗だな」

『はい、そうですね。これなら敵から奇襲される心配はありませんね』

「だな。しかし、こっちも奇襲が出来ないな。障害物が少ないから動きにくいこっち側にしては助かるが、隠れることは出来ないな」


 周りは、海藻がちらほらと見えるが、隠れるには、心許ない。岩場もあるけど小さいのが海藻と同じように少なかった。

 もし、岩場だらけだったら邪魔になって動きにくいし、敵は水中で逃げ回りやすくなるのだ。動きも早いし。


「動きはどうだ?」

『うーん、陸上の三分の一しか動けませんね』

「やっぱり、同じぐらいかー」


 リリィも同じように三分の一しか動けない。だが、リリィにはスタミナ減少はないから【ステップ】で少なくとも敵よりは早く動けると思う。

 今回の目的はスキルレベル上げなので、敵を捜し始める。だが、すぐに敵が見付かった。




「おっ、先まで見通せるからすぐに見付かったな。………ワニ?」

『でも、身体は魚ですね』




 見付けた敵は、口がワニで、身体が魚だった。


 確か、現実の世界では目の前の魚みたいなのもいたな……


 名前は【アリゲシュター】となっていた。敵を見て、攻撃方法は『噛み付く』と予測出来た。


「ドーラ、試しに相手をしてみて」

『はい、了解です』


 ドーラは剣と小斧を持って、敵に対峙する。敵もこっちに気付いたのか、まず距離を取ってきた。




 ……?あれ、噛み付くだけじゃないのかな、噛み付くなら近付いてくるが、離れた?




 どうして距離を取ったのか、考えていたが、すぐにわかることになる。


「シャァァァー!」


 【アリゲシュター】は、口から水の弾を吐き出してきた。


「お、遠距離攻撃もあったんだ」


 納得している所で、ドーラは離れたことで遠距離攻撃してくることを予測していたようで、横に大きく避けていた。

 いつもなら動きを最小限に抑えるが、今は水中で動きがいつもより動きにくいから大きく避けていた。

 ドーラはこの闘いで、水中での動きを馴らすようだ。すぐに攻撃はせずにまだ遠距離攻撃をしてくる【アリゲシュター】に対して回避し続けていた。


『やはり、水の抵抗のような物が動きを邪魔してしまうですね。これに馴らすのは時間がかかりますが、マスターを待たせるにはいかないので、これから攻撃に入ります』


 ドーラは説明?をしつつ、前に突っ込んだ。敵も遠距離攻撃が効かないとわかったのか、素早い動きで突進し、噛み付いてきた。

 ドーラは剣を盾にするように、噛み付きを防ぎ、小斧で攻撃しようとするが、すぐに離れてしまい、斧が水を切った。




『まさか、バックまで出来るとは思いませんでした』

「私もそう思ったわ……」




 魚はバックなんて出来ないはずが、さっきの敵はどうやったのか、バックをして小斧を避けていた。


『魔法で攻撃すればダメージを与えられますが、それでは敵に会うたびにMPを使うことになるから得策ではありませんね』




 ……ほう、クナイと違ってよく考えているな。って、今日はよく喋るな?まさか、ずっと召喚されなかったからストレスが高まっていたとか……?




 プログラムがストレスが高まるとかはおかしなことだが、ドーラはAIが入っている。人間っぽいからAIもストレスが高まるのは予測できる。


 なら時々、召喚してやらないとな……


 そう決めたとこで、闘いの方では……




「シャァァァー!」

『ここ!』




 また突進して噛み付いてきたが、ドーラがとった戦法はカウンター。

 敵は突進していると急に曲がれないし、さっきみたいなバックも出来ない。なら、カウンターをしやすいと考えて突進してきた所に横から斬り付けていた。


「シャァァァ!?」

『やはり、剣速も落ちてしまい、一撃では倒せませんか』


 ドーラは分析しつつ、まだ突進してくる敵を翻弄し、カウンターで横から攻撃していた。三撃目を斬り付けたら悲鳴を出し、光粒になって消えた。


「お疲れ様」

『はい、ありがとうございます』


 ドーラは頭を下げてお礼を言ってくる。


「やはり、ここでは一撃で終わらないみたいね」

『あの……、それはマスターの攻撃力が異常に高いだけで、これぐらいが普通だと思いますが……』

「そ、そうか…」


 リリィはドーラにツッコミをされた。忘れていたが、リリィは呪い装備のおかげでステータスが高い。普通のステータスだったら、三撃どころか、七、八撃は必要だろう。


「まぁ、いいか。自分は自分だし。他の人と比較してもしょうがないし!!」


 リリィは開き直ることにした。ドーラはもう、何も言いませんよ。というような雰囲気を出していた。


「では、次を捜しに行くぞー!」

『はい、了解です』


 リリィとドーラは敵を狩りつづけた。

 狩りが終わった頃、ステータスはこうなった。




ステータス


リリィ


種族 座敷童子ざしきわらし


 HP 890/890

 MP 540/540


 STR  163→186

 DEF  80→91

 AGI  308→326

 DEX  215

 INT  180→200

 MDF  180→200

 VIT  180

 LUK 9999

 ポイント 0



 金額 316800yen



〈スキル〉


浮遊術Lv.55、武器解放Lv.51、ステップLv.57、危険察知Lv.49、魔屍のオーラLv.41、黒太刀Lv.50、製薬術Lv.38、サモンテイムLv.42、純闇魔法Lv.41、鍛治Lv.45、ベルゼブブLv.11、泳ぎLv.19、鑑定Lv.12


〈称号〉


幸運を司る者、ユニークを倒し者、聖母を殺めし者、蝿の王



〈装備〉


 武器 聖母殺しの剣 STR+90 AGI+50 LUK-50%

 頭防備 輪廻の髪飾り DEF+20 INT+40 スタミナ補正-50% LUK-50%

 体防備 菊花の和服 DEF+15 AGI+20 LUK-50%

 腕防備 化身のミサンガ DEF-20 MDF-20 LUK-50%

 脚防備 草履 AGI+2


 アクセサリー


 その一 火劉の指輪 DEF+10

 そのニ 人魚のバッジ AGI+8

 その三 邪心のロザリオ INT+80 MDF+100 LUK-50%


〈サモンテイム〉


・ドーラ(夢魔の人形) レベル41





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ