46.新しい鍛治場で
はい、どうぞ。
カンカンカンカンカンカン…………
リリィは今、鍛治場に篭っている。【鍛治】を持ってないクナイとギロスは一緒に鍛治場にいても仕方がないので、二人は外へブラブラしに行っている。
クナイは喫茶店、ギロスは防具屋へ向かっていた。クナイはケーキが大好きなのだ。だから何種類あるか確認しに行っている。
ギロスは戦闘狂のようで、戦いが好きだ。だから自分の身を守る防具を見に行っている。
鍛治場の方では…………
ふむ、今回は〈銅〉、〈ライトメタル〉、〈鉄〉が手に入ったか。だが…………
目の前には、インゴットにしたのを並べてある。3種類の鉱石があるが、頼まれた槍と刀の強い武器を作れるかはわからない。
ライトメタルと鉄は平均STR+10がほとんどだったわよね…………
二つは前に作ったことがあるが、二人の望む武器は作れないとリリィはわかっていた。残った銅があるが、期待は出来ないようだった。
「なら、レベル上げを進めて、合成鉱石を作ってみるか……?」
一つずつじゃ、期待出来ないなら、二つ合わせて合成鉱石を作り出す方向にしてみた。
「よし、まず銅でレベル上げに励むか!!」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
5時間後…………
「ふむ、銅だけで最高はSTR+25か」
沢山の剣、槍、刀、グローブ、鎌、ハンマーを作って、【鍛治】のレベルが40に上がっていた。だが最高がSTR+25では低い。
「よし、これぐらいは上がっていれば少しは大丈夫だろ?」
まず、鉄とライトメタルのインゴットを一緒に炉にぶち込む。
ここからが〈不純物の鉱石〉をインゴットに変える手順と違ってくる。二つを混ぜると、熱を調整する作業をやる必要になる。
もし熱が高すぎると、炭になって失敗し、低いと混ざらないままになる。上手く出来れば、合成鉱石となり、いい鉱石が出来る。だが、その作業を成功するためには、DEXと【鍛治】のスキルレベルが高くないと駄目だ。
リリィは鉱石を混ぜる前に、スキルレベルが上がって手に入れたポイントを全てDEXに入れたのだ。
ステータス
リリィ
種族 座敷童子
HP 780/780
MP 460/460
STR 163
DEF 80
AGI 308
DEX 105→215
INT 180
MDF 180
VIT 180
LUK 9999
ポイント 0
金額 316800yen
〈スキル〉
浮遊術Lv.46、武器解放Lv.45、ステップLv.49、危険察知Lv.45、魔屍のオーラLv.39、黒太刀Lv.45、製薬術Lv.35、サモンテイムLv.35、純闇魔法Lv.38、鍛治Lv.40、ベルゼブブLv.3、泳ぎLv.10、鑑定Lv.8
〈称号〉
幸運を司る者、ユニークを倒し者、聖母を殺めし者、蝿の王
〈装備〉
武器 聖母殺しの剣 STR+90 AGI+50 LUK-50%
頭防備 輪廻の髪飾り DEF+20 INT+40 スタミナ補正-50% LUK-50%
体防備 菊花の和服 DEF+15 AGI+20 LUK-50%
腕防備 化身のミサンガ DEF-20 MDF-20 LUK-50%
脚防備 草履 AGI+2
アクセサリー
その一 火劉の指輪 DEF+10
そのニ 人魚のバッジ AGI+8
その三 邪心のロザリオ INT+80 MDF+100 LUK-50%
〈サモンテイム〉
・ドーラ(夢魔の人形) レベル25
ステータスはこうなっている。これなら成功出来ると………信じたい!
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
二つの鉱石を混ぜた結果は…………
合成鉱石(鉄、ライトメタル)×5
合成鉱石(鉄、銅)×3
合成鉱石(銅、ライトメタル)×2
炭×38
が出来た。炭は失敗したから出来てしまった。だが、他の使い道にありそうだから、アイテムボックスにしまっておく。
「うーん、これだけやって10個しか成功しなかったか…………」
これから作るが、量が少ないので、あまり失敗は出来ない。まず鉄とライトメタルを混ぜた合成鉱石で刀を作ってみる。
カンカンカンカンカン…………
軽鉄の刀 STR+23
が出来た。これでも銅よりは弱い。だったら銅が混ざっている合成鉱石はどうなのか、リリィはわくわくしながら熱が入った鉱石をたたき付ける。銅と鉄が混ざったを使って、最初は失敗したが、2回目は成功した。成功したのがこれだった。
鉄銅の刀 STR+34
これなら、今、クナイが持っている剣よりは強いだろう。だが、まだやることは残っている。
先程、倒したゴーレムから面白いドロップ品を手に入れていたのだ。
魔闇玉×1
魔水玉×1
これは鍛治で武器を強化出来るアイテムなのだ。なんと、リリィとギロスが放った魔法を吸収された属性と同じなのだ。
このドロップ品はレアドロップ品だったようで、クナイとギロスは別のドロップ品で私だけ手に入れていたのだ。
「よし、使ってみるか〜」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「出来た!」
さっきのアイテムも混ぜて作った武器がこれだった。
夜叉の刀 STR+41 AGI+10
水刃の槍又 STR+47
効果1……水属性の相手に与ダメージが5%アップする。
よし、いいのが出来たな。まだ使ってない合成鉱石はあるけど、これよりいいのは作れなそうだからアイテムボックスにしまっておくか…………
と、ホームに入ってくる音が聞こえた。二人が帰ってきたようだ。リリィも鍛治場から出てリビングみたいな場所に向かった。
「あ、リリィ、ただいまです〜」
「ははっ、確かに家に帰ったような気分だな!ただいまだぜ」
「おう、おかえり。早速だが、武器が出来たぞ」
「もうですか!?」
「早いな……」
「これから渡すぞ」
そう言って、二人に渡した。
「ありがとうです………えっ、STR+41にAGI+10!?」
「こっちはSTR+47に効果付きだぞ…………」
クナイは今までの武器より+15も上がっていてさらにAGI+10が付いているから驚いたのだ。
ギロスは効果付きを渡されるとは思ってなかったのだ。
「おいおい、こんないいものを無料で渡してもいいのかよ?効果付きだから5万yenで売れるぞ……」
「いいの。材料を集めるのを手伝ってもらったし。同じ物は多分作れないから、売るより使ってもらったほうがいいの」
「……そうか、ありがとうな」
「ありがとうございますです!大切に使います!!」
「あ、良かったらもし鉱石と別に鍛治で使うものを手に入れたら、私に売ってくれる?高めで買うから」
「ああ、わかった。手に入れたらリリィに売ろう」
「私は無料であげます!!私が持っても仕方がないですし!!」
クナイは新しい武器をもらったからご機嫌でそう言ってくる。
「ありがとうね。では、もう遅くなっちゃったから、ここで解散ね」
「そうだな、じゃ、先にログアウトするわ」
ギロスは先にログアウトして姿が消えた。クナイも眠くなったようで、大きな欠伸をしていた。
「まだ若いとしても、早めに寝なさいよね?」
「は〜い、なんか、お母さんみたい……」
「ははっ、中身は男だからせめて、お父さんにしてくれないか……。まぁいい。おやすみ」
「おやすみ〜」
二人は同時にログアウトして、ホームには誰もいなくなった…………
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