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41.ドーラの話

遅くなりました。

はい、今回は短いですが、ドーラの話です。



 私はマスターの召喚モンスターで、名称はドーラと名を付けて頂いた。

 マスターとの出会いは【死血の城】で稀少イベントの敵として戦ったのが出会いでした。






 あの時は、今の意識、AIが入っている状態だけではなく、戦闘意識を強めるもう一つのAIが入っていた。多重人格だと思ってくればわかりやすいと思います。



 私のAIは、βテスタの頃からあった。リリィが攻略した稀少イベントのモンスターとして戦闘意識が主役として待機していた。

 βテスタが始まって、もうすぐで二ヶ月になる頃に、ようやく一人目がやってきた。


 だが、その男はHPが虫の息程度しかなかった。理由は、稀少イベントの発動条件にある。




『沢山の呪具を装備者よ、挑むならお墓に立ちえよ』




 つまり、呪具を2つ以上付けた状態で墓の前に立つこと。だが、その男は呪具によってステータスダウンや呪いの効果によって、ここまでの道にて、手こずってきただろう。

 墓の前までに来て、その場で呪具に着替えることも出来るが、その男はそこまで考えずに来た馬鹿だったからHPが虫の息である。虫の息になっている男の前に稀少イベントで殺戮の人形として出たが…………


 その時、その男はそう言った。




「汚ぇ人形を倒せだと!?ここまでせっかく来たのに、さらに一戦だと?ふざけんなよ!!」




 と。戦闘意識の方は言葉を無視し、「コロコロス」と言っていますが、ドーラの意識では、軽くイラッとしていました。もし私に勝ったら【サモンテイム】で、その男に従うことになりますが、私は嫌でした。

 だが、その心配はいらなかったようです。だって…………






5秒で終わりましたから。






 その男は呪具で制限がかかっており、HPもあとわずかしかなかった。だから5秒で負けるのは仕方がないかと思う。

 これでその男は稀少イベントの失敗になり、もう挑めなくなります。だが、ここまでの情報があれば、ここに来るプレイヤーが増えるはず。

 ドーラはどんなプレイヤーが来るか楽しみにしつつ、待っていたのだが…………




 βテスタの最後の日になっても、誰も来なかった。一人目が最後のプレイヤーになって、βテスタが終わってしまったのだ。

 ドーラは何故来ない?と思ったが、わからないままだった。




 時間を少し遡る。一人目であった男は、もう稀少イベントに挑めないことがわかり、その稀少イベントの情報を流さなかったのだ。理由は醜い嫉妬。

 誰かに情報を流して稀少イベントのクリア賞品を他の人に渡されるよりは黙ったほうがマシというように、情報を流さなかったのだ。



 それで、ドーラは外の景色を知らずに、βテスタが終わったのだ…………



◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 製品版が売り出されて、少し日が経った頃…………


 ドーラが目を覚ました瞬間は、【激昂のミノタウロス】が倒された瞬間だった。

 ドーラは製品版が出来、【激昂のミノタウロス】が倒されるまでは眠っており、【激昂のミノタウロス】が倒れるのをキーとなり、目を覚ましたのだ。




 …………どうせ、【激昂のミノタウロス】を倒されたからと言っても、ここまでたどり着くのはずっと先でしょ……




 目覚めても、やることがないドーラにとっては暇な日々になると確信していた。βテスタの時と同じだったからだ。

 だが、それが間違いだったとわかるのは少しの時間が経った後だった。

 目覚めてから5時間後、それが起こったのだ。




「うわぁぁぁぁぁっ!!いきなり落とし穴かよ!?ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




 と、口が悪いが、少女のような声が上から聞こえていた。


 ま、まさか!?もうここまで来た人がいるっていうの!?


 ドーラは驚いていた。目覚めてから5時間ほどしか経ってなかった。つまり、【激昂のミノタウロス】を倒してすぐにここに来たということ。

 この場所を知っているのはあの男しかいない。だが、目の前にいるのは私と変わらない和服を着た金髪の少女だった。


 ここまで来たのは驚いたが、どうせ、少女も負けるに決まっているわ…………


 実力が違うとドーラは思っていた。【激昂のミノタウロス】を倒してすぐに来たなら、実力はそんなに強いとは思えなかったのだ。

 さらに呪具のこともあるからそれが勝てる確率を下げているだろうとも考えていた。

 しかし、その考えも間違っていた。ドーラの意識は殺戮の人形が少女に突っ込んだと思ったら急に黒い刃が目の前に打ち出されてぶっ飛ばされていたのだ。




 え?いたぁぁぁぁぁ!?い、痛い!?何がお、起こったの!?




 ドーラの意識は自分のバーに意識を向けると、一本目のバーが、30%も削られていたのだ。


 う、嘘っ!?なんてな威力なのよ……?しかし、痛みが私まで来るとは思わなかったわ。ん、泣いている……?


 殺戮の人形は泣いていた。【旋律の泣き声】のスキルを使っていたのだ。




 あ、スキルを封じられた。これじゃ勝てないよね……




 だが、それも裏切られることになった。



◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 まさか、スキルなしで追い詰めるなんて…………



 【霊針】も出て一時的は少女を倒したかと思ったら、【霊針】を途中で止められ、返さられた。そして…………




 み、見つけた!!従う相手に相応しいマスターが!!




 と歓喜し、光粒になって消えた殺戮の人形。

 すぐに【サモンテイム】のために現れて、マスターにひざまずいた。


 そこで、マスターの名前を聞いた。『リリィ』と。それから、『ドーラ』の名を頂いた。






 その後もマスターに召喚され、楽しい日々が続いています。

 たまに惨殺な戦いをするマスターも良い!!私も見習わなければ!!と思うようになったドーラでした…………





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