4.初めてのフィールド
4話目です!
ここは【初西の草原】。リリィはここで獲m……いえ、モンスターを探していた。
むぅっ、改めて思ったんだが、この草原は広いな?奥まで行くと迷いそうだな……。
リリィは後ろを見て、街はまだ見えることを確認した。そして、ようやく初めてのモンスターに出会った。
「これは……」
柔らかそうに跳ねていて、目が可愛くて丸いモンスターだった。上にスライムと表示されているが…………、まるっきり、ぷよぷよに出てくるようなものだった。
「開発課は手を抜いてんの……?まぁいいや、初めての敵だね!!」
リリィは敵と見なし、〈普通の短剣〉を取り出す。そして、切り掛かる!
「はぁっ!」
横一線に切るが、スライムはまだぷよぷよと跳ねており、ダメージが小さいらしい。跳ねて攻撃してくるが、ステップで後ろに避ける!
「浮遊術を試してみるか!そこの石を浮かべて……」
近くにあった10センチぐらいはある石を見て、浮遊術と念じると、頭の中で浮かべたようにリリィの頭と同じくらいの高さまで浮かべることが出来た。
「よし、行けっ!!」
イメージ通りに浮かべた石をスライムに向けて飛ばした。
石はスライムに当たり、形が少し崩れたところに、短剣で真ん中に向けて一刀両断する!
スライムは体力がなくなったのか、さらに形が崩れて溶けるように消えていった。
スライムに二回切って、一回石をぶつけてようやく死ぬのなら、攻撃力は思ったより低いみたいだな……。
少し気になったことがあったので、スライムを探して気になったことを試した。
二匹のスライムを見つけて実験を始めた。そしたら浮遊術で石を飛ばすの攻撃では二発で倒し、短剣だけで攻撃は四撃で倒した。
なるほど……、【浮遊術】はSTRとINTのどちらになるか気になっていたが、これでハッキリしたな。
実験の末、【浮遊術】は、物理と魔法の効果を持っているとわかった。物理は浮かす本体でそれを浮かす力が魔法だと考えればわかるよな。つまり、【浮遊術】の威力は(STR+INT)÷2になる。
「思ったより浮遊術のコントロールは難しくなかったな」
デメリットが無い分、コントロールが難しいと思っていたが、違ったようだ。
他に気付いてないデメリットがあるかもしれないが、今のままでも困ることはないからとりあえず、いいか。次は……
「自分を浮かべてみるか」
周りを見て、敵やプレイヤーがいないか確認してから、浮遊術を使ってみた。
「おおっ!」
少しだが、浮かべることが出来た。自分だと大体50センチを浮かべるのが限界みたいだな。10センチの石とかは目視出来るところまで浮かべることが出来たのだ。もし木の影で目視出来ない状況になったら、浮遊術の力が消えて落ちた。
重さで浮かべる限界があるのかな?じゃ、私と同じくらいの岩を探してみるか?
と、考えていたリリィだったが、スライムのドロップ品のことを思い出し、アイテムボックスを開いてみると……
スライムの指輪×3
と出ていた。内容はDEF+2となっているみたい。
えっ?アクセサリー装備品がスライムのドロップ品なの?いや、落ち着いて考えれば違うだろう……、普通なら消費品か素材品とかだろ。なら、何故三つとも装備品ということは…………………、LUKが高いせいだな。
そう、普通なら〈スライムの液〉が出るはずだったが、LUKがカンストしているせいで、なかなか出ないレアドロップ品が三つも出てしまったようだ。
まぁ、考えても仕方がないか。でも、これは嬉しいことだな。よし、一つだけ装備してあとは売るか。次はスキルレベルが一つずつ上がっていてLv.2になっているな。
ポイントは4になっているから、STR、DEF、AGI、INTに振り分けるか。
「これでよし!」
ステータス
リリィ
種族 座敷童子
HP 64/64
MP 64/64
STR 10→11
DEF 2→5
AGI 25→28
DEX 10
INT 11→13
MDF 15
VIT 10
LUK 9999
金額 500yen
〈スキル〉
浮遊術Lv.2、短剣Lv.2、ステップLv.2、危険察知Lv.2
〈称号〉
幸運を司る者
〈装備〉
武器 普通の短剣 STR+5
頭防備 なし
体防備 ボロのワンピース
腕防備 なし
脚防備 ボロの靴
アクセサリー
その一 スライムの指輪 DEF+2
そのニ なし
その三 なし
なるほど、種族によって上がり方が違うみたいだな。座敷童子はAGIが上がりやすく、STR、DEFは上がりにくいから入った数字は少ないみたいだ。上がりやすいなら3、普通なら2、上がりにくいなら1として入るか。HPとMPもポイントの数だけ上がるようだ。
よく出来ているなーと、考えつつ、次の獲m……モンスターを探そうと進める。
「次は何かなー♪ボッコボッコにして切りざむ♪獲物よ、私の贄になりなさいなー♪」
リリィは宙に浮かびながら恐ろしい歌を歌い続ける。敵を見つけやすくするために浮かび、敵が見つけやすいように歌っている。
そのおかげで次のモンスターが見付かった。
「見っけ!狼みたいだね……おわっ!?」
目の前に現れたのは狼一匹。見付けたのはいいけど、急に襲ってきてビックリしていた。今のリリィは、宙に浮いており、浮いているリリィに向かって噛み付いてきたからだ。
リリィはまだ浮いていたままで地面に足を着けていないのだ。だが、反射的に浮いたままでもステップを使っていた。そしたら…………
「あれ?避けれた……」
リリィは上手く狼の噛み付きを避けれたのだ。宙でステップを使ったら使えた。リリィは何故…?と思ったが、考えるまえに目の前の狼を倒すために浮遊術を解除して、地面に降りた。
「急に噛み付いてきたお返し!」
リリィは短剣を出して狼に切り掛かった。さらに狼の後ろにある石を浮かして後ろ頭にぶつけてやった。
「ギャウッ!?」
狼は何もない後ろから急に殴られたようなものだったから前のりにバランスを崩した。リリィはその隙を逃ずに短剣のスキルである〈二連突き〉を狼の喉に突き立てた。
クリティカルヒットだったのか、直ぐに倒れ、消えた。
「ふう、さっきのステップを試しておくか?」
敵がいなくなったところで、さっきみたいにステップを使ってみることにした。
浮遊術で浮かんでからステップをしてみた……………成功した。次に浮遊術を使わないでジャンプしてからステップをしてみた……………失敗した。
やはり、普通は出来ないみたいだな。浮遊術とステップの組み合わせは……、うん、凄いかもね。空中で攻撃されてもさっきみたいな組み合わせなら空中で避けることが可能だからだ。よし、【空中ステップ】と名付けよぉっと。
「うぉー、テンションが上がるぅ!!あ、狼のドロップ品は……」
野狼の牙×1
おそらくは素材品だと思うけど、これはレア品かな?今、検証出来ないのは残念だけど、売りに行けばわかるだろうな。
「どんどんと狩っていくわ!」
リリィはさっき思い付いた空中ステップで【初西の草原】でスライムと狼を狩りまくる。スキルレベルも上がり、ドロップ品も集めた。
ステータス
リリィ
種族 座敷童子
HP 68/68
MP 68/68
STR 11→13
DEF 5→7
AGI 28
DEX 10
INT 13
MDF 15
VIT 10
LUK 9999
金額 500yen
〈スキル〉
浮遊術Lv.4、短剣Lv.3、ステップLv.3、危険察知Lv.2
〈称号〉
幸運を司る者
〈装備〉
武器 普通の短剣 STR+5
頭防備 なし
体防備 ボロのワンピース
腕防備 なし
脚防備 ボロの靴
アクセサリー
その一 スライムの指輪 DEF+2
そのニ なし
その三 なし
じっくりと読んでいってください☆