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39.水中散歩

はい、どうぞ。


 リリィのPTはモンスターに出会ったが、水中だから動きに制限をかけられ、動きにくくなっている。


「ちょうど1匹だから私が先にやっていい?」

「了解です〜」

「いいわよ。遠距離攻撃に気をつけてね」


 リリィだけ前に出て、〈聖母殺しの剣〉を構えた。

 一番前にリリィが出たため、タゲはリリィに付いたようで、敵は水鉄砲をリリィに放った。


「ふっ!」


 リリィはステップでとっさに避ける。ステップしても陸地の様には動けなかったが、攻撃は避けれた。


 ふむ、水鉄砲前のタメがあるから水鉄砲は問題ないな。しかし、上手く動けないからいつもより少し早めに動いた方がいいな。


 リリィは攻撃をしつつ、調整している。どの距離なら避けれるか、タメは何秒かかっているか調べてから攻撃に移った。


「これで水鉄砲は効かないぞ」


 そういってリリィは敵に向かった。敵も近付かれないように水鉄砲を撃ちまくるが、リリィは全て避けていた。避けるタイミングを掴んだので、一撃も受けずに、剣で切り裂いた。

 だが、一撃で終わらず、敵がスイスイとリリィから離れてしまった。


「言った通りに敵の動きは早いな?」

「剣速もいつもより遅かったですよ〜」


 外からクナイが教えてくれる。クナイが言った通りに剣速が落ちていたので、威力がいつもよりはなかった。

 リリィは敵を追い掛けるが、敵の方が早いらしく、追い付かなかった。


「ただ走るだけじゃ追い付かないのね」


 リリィはただ走るだけじゃ、無理だとわかり、【ステップ】を連続で使って敵に追いつけた。




 スタミナが減らない私だから追いつけているけど、他の人じゃ無理じゃないの?




 と考えつつ、敵を切り裂いたリリィ。【水砲魚】は声も上げずに光粒になって消えた。






「うわぁ、さすがね」

「凄いです!」


 見学していた二人はリリィの戦い方に驚きながらも、褒めてきた。


「まさか、すぐに【水砲魚】のクセを見つけて水鉄砲の攻撃を避けるとはね」

「私でも一匹目であの攻撃を避けられる自信はないよ……」

「カリンさん、他の人はどうやって倒しているのですか?」

「そうね、スキルレベルが上がるまでは魔法に頼っているのが多いわね。それか多人数で囲んでぼこるぐらいかな」


 なるほど。ソロで剣を使うには、ある程度のスキルレベルがないと敵に追いつけない。だから魔法で戦うか集団で囲んで敵を倒すんだな。


 他の人の戦い方もわかった所で、次の敵を探し始めた。


「カリンさん、池みたいな水場なのに、水中は結構、綺麗だね?」

「うん、でも第3の街の方が綺麗だよ。幻想的で【始まりの街】や【ミディアの街】と比べにもならないほどよ」

「へぇー、行ってみたいですね」

「貴女達、二人で組めば大ボスなんて楽勝じゃない?」

「うーん、今はとりあえずスキル上げをしていきたいから、まだ挑まないかな?」


 大ボスは戦ってみないとわからないが、今はスキルレベル上げをしていきたいから後でにすると言うこと。


「私もスキルを買ったばかりなので、スキルレベル上げをしておきたいです」

「なるほど…、じゃ、まだ挑まないのね」

「はい。……あ、敵がいますよ」

「つ、次は私がやってもいいですか!?」


 先程と同じ敵がまた1匹だけ出てきた。次はクナイがやりたいと。


「いいわ。やってみなさい」

「はい!!」


 クナイが前に出てまだ敵は気付いていない内に、敵の横に向けて走っていった。

 敵はあと少しで触れるとこまで行くと、気付いて水鉄砲で迎撃してきた。


「ここ!!【影移動】!」


 クナイは【影移動】で自分の影に落ち、敵の影から出てきた。


「【麻痺付加】!」


 麻痺効果を付加する技を使い、2撃喰らわせた。 2撃目で敵は〈麻痺〉になり、しばらく動けなくなった。


「【刺突】!!」


 動けなくなった敵に向けて、クリティカルヒットが出やすい【刺突】を放った。それで終わらずに、普通の攻撃で4、5撃喰らわしたら、敵は光粒になって消えた。


「あっという間に終わったね」

「え、ええ…。クナイも充分すぎるほどに、強いのね……」

「リリィ、終わりましたが、どうでしたか!?」


 クナイは犬のようにリリィに寄っていく。クナイは誉めて誉めてと言うような雰囲気だが……




「まだね」

「ええっ!?」


 誉めてもらえると思ったが、まさかのダメ出しだった。


「なんでそう言ったかわかる?」

「え、ええと……わかりません……」

「クナイはMPを使いすぎわよ」

「……………」


 クナイは自分でもわかっているのか、黙っていた。

 今はスキルレベルを上げるからスキルを使うのはいいけど、一回目の敵でクナイのMPは4分の1も使ってしまっている。

 クナイのMPはリリィの半分もないのだから、節約しなさいと前に言ってあったのだ。


「【影移動】と【麻痺付加】のMP消費は30と20なんだから使うならどちらかだけにしなさい」

「はぁぃ……」

「確かに、MPは節約しておかないとね。それに、クナイのMP消費が激しいのね……」

「クナイ、これを飲んでおきなさい」

「はぁい」

「あら、ダメージを受けていたの?」


 リリィがポーションを渡していたから、ダメージを受けたかと思ったが…………


「いえ、この〈バナバナポーション〉はMPも回復しますよ」

「ええっ!?ま、まさか、MP回復薬……?」

「〈バナバナポーション〉はHPとMPを回復しますよ。MPの方が少ないのですが」

「え、ええと、見せてくれる?」


 リリィは構わないと、見せてあげた。



〈バナバナポーションLv.7〉


 製作者 リリィ


 HP70、MP20が回復する。味が改善された微回復薬。



「本当だ……。ねぇ、これは売り出さないの?」

「んー、これは【始まりの街】にいた時から作れたけど、MP回復薬はさすがに早いと思ったから、第3の街まで進んでから売り出そうと……」

「なるほど。ならこれは、まだ秘密なのね」

「ええ、今も作っていますので、第3の街に着いたらカリンさんに売り出そうと思っていますが、どうですか?」

「うん、お願いね。あ、私が第3の街に行ってからじゃないと売り出しては駄目ということよね……?」

「そうなりますね。第2のボスもMP回復なしで頑張って欲しいですしね。もし第2の街で売り出すと、戦いが楽になってしまうから、本当に強い人が少なくなってしまうので」


 MP回復薬があると、魔法だけでモンスターを倒そうとする輩が出てしまう可能性もあるからだ。


「わかったわ。リリィちゃんの考えに付き合うわ。で、第3の街ですぐに売り出せる数は?」

「そうね、Lv.5を500個とLv.7を500個ですね」

「1000個も!?うわ、お金を何とかしないとね………うん、Lv.5は一個で400yen。Lv.7は500yen。合わせて45万yenでどうでしょうか?」

「ぶっ!?よ、45万yen!?」


 クナイがそう漏らしていた。驚くのは仕方がないと思う。初期から得られる金額じゃないからだ。


「そんなにいいんですか?って、よくそんな金額を持っていますね……?」

「貴女もこれ以上は持っているでしょ?こっちは商売をし続けているからそれぐらいは普通になってきているもの」

「確かに、ほとんどカリンさんのとこで売ってきたからわかるよねぇ…。わかったわ、取引成立よ!!」


 リリィとカリンはガシッと握手をした。

 クナイは声が出ない様子で二人を見ていた。


「おーい、クナイ?」

「はっ!?」

「気付いたなら、すぐに敵を探すわよ」

「ま、待ってぇぇぇぇぇ!!」


 置いとかれそうになったクナイは慌ててリリィ達に追い掛けた。

 リリィはすぐにステータスを更新し、このステータスになった…………




ステータス


リリィ


種族 座敷童子ざしきわらし


 HP 710/710

 MP 435/435


 STR  163

 DEF  78→70

 AGI  285→300

 DEX  86→105

 INT  201→216

 MDF  165→145

 VIT  180

 LUK 9999

 ポイント 0



 金額 1413800yen



〈スキル〉


浮遊術Lv.43、武器解放Lv.41、ステップLv.45、危険察知Lv.40、魔屍のオーラLv.37、黒太刀Lv.41、製薬術Lv.35、サモンテイムLv.35、純闇魔法Lv.33、鍛治Lv.27、ベルゼブブLv.1、泳ぎLv.7


〈称号〉


幸運を司る者、ユニークを倒し者、聖母を殺めし者、蝿の王



〈装備〉


 武器 聖母殺しの剣 STR+90 AGI+50 LUK-50%

 頭防備 輪廻の髪飾り DEF+20 INT+40 スタミナ補正-50% LUK-50%

 体防備 菊花の和服 DEF+15 AGI+20 LUK-50%

 腕防備 化身のミサンガ DEF-20 MDF-20 LUK-50%

 脚防備 草履 AGI+2


 アクセサリー


 その一 スライムの指輪 DEF+2

 そのニ 疾走の指輪 AGI+2

 その三 邪心のロザリオ INT+80 MDF+100 LUK-50%


〈サモンテイム〉


・ドーラ(夢魔の人形) レベル25





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