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34.運営イベントその5

まだ続きます!


 ギロスは『悪魔』である種族と【スライム狂い】の称号で、リリィの攻撃を捌いていた。


 ちっ、倒すには時間がかかりそうだな……、ギロスの後に『流星群』との戦いはちょっとキツイかな……


 リリィは『黒騎士隊』と楽しめるように戦いつつ、次に『流星群』と戦おうと考えていたが、リリィはギロスのことを舐めていたようだ。

 と、戦っている時にアナウンスが流れた。『流星群』とギロス以外の『黒騎士隊』のメンバーが戦って、『流星群』は2人が退場し、『黒騎士隊』は全滅したようだ。


「むぅ、後は私だけになってしまったか」


 ギロスは他のメンバーが全滅したのに、その口は軽かった。ギロスは一人だけでも残った人を倒せると自信があったからなのだ。


 仕方がない。私は『流星群』との戦いを諦めて、ドーラに任せるか。


 リリィは目の前の『悪魔』にせいっぱいなので、『流星群』は砦で防衛しているドーラに任せることにした。



『ドーラ、聞こえるか?』

『はい、聞こえています。何かありましたか?』


 召喚モンスターが知的を持っているなら、離れていても頭の中でやりとりが出来るのだ。


『こっちは時間がかかりそうだから、『流星群』はドーラがやってくれ。あ、クナイが砦に戻ってから、出発な』

『はい、クナイはもう戻っていますので、私は今から行きます』

『おっ、早いな。よし、出せるだけの力を全て使ってでも勝て!』

『了解しました』



 リリィはドーラとの話は終わり、ギロスに集中した。


 闇魔法は効かない。私の武器は剣だから斬撃も駄目。なら、少しずつ削って勝つしかないのか……?いや、デメリットはあると言っていたからそれを解き明かすか?


「【スライム狂い】ねぇ、どれだけスライムを倒したの?」

「戦いの途中でまだ話をするなんて余裕だな?」

「いやいや、余裕に見えるの?これでも焦っているんだけどね」

「……まぁ、いいか。スライムを200匹倒したら貰った。先着一名だけだがな」

「その称号は、知っていて手に入れたの?」

「ああ、私は元βテスタで、たまたま手に入れたことがあるんだ。それで取得条件を知ったわけさ」


 そりゃ、そうだよね。スライムを200匹も倒すなんてなんてな耐久ゲームかよ!?と思ったがな……。って、スライムって斬撃に耐性があったのか?


「あれ、スライムって斬撃に耐性があったの?」

「ん、ああ知らないんか?スライムは体力が少ないからわかりにくいが、耐性があるぞ」


 へぇ、じゃ、スライムの弱点がわかればデメリットもわかるんじゃ……?


 リリィは戦いの途中だが、スライムについて考えてみた。



◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 リリィから命令を請けたドーラの方では…………


『クナイ、ここの防衛は任せました』

「えっ、急にどうしたの?」

『マスターから命令があって『流星群』を攻めろということなのです』

「あれ、命令っていつ聞いたの……、いえ、終わってからでいいか」

『はい。ではフラグの防衛を頼みました』


 ドーラはすぐに砦から出て敵の砦に向かった。ドーラは疲れることはないので、全力で走っていった。






 ドーラが砦を出て5分経った後、『流星群』の方では……


「くっ、ケイとガードンが退場してしまうとはな……」

「仕方がないと思うよ。まさか、相打ち覚悟で戦ってくるとは思わなかったからよ」

「ああ、あの戦法できて3人も残っているなら、上出来だと思うぞ」

「しかし、『黒騎士隊』は何を考えているんだ…?残り1人になって、勝ち残れると思っているのか…?」


 ロードは『黒騎士隊』のやり方に疑問を感じていた。残ったあと一人がリリィみたいな実力がないとロード達、3人に勝てるわけがないとロードは考えていた。


「まさか、リリィと同じぐらいの実力を持っている人が残っているからこういう戦法で来たのか…?」

「まさか、リリィちゃんと同じ実力を持っている人がいるの!?」

「それだったらもっと目立つかと思うんだが……」


 まさか、今までは隠していたということか?


 ロード達は残った人のことに考えを巡らせている時に、ミネアが何かを感知した。


「みんな!!誰かが近づいてくるわよ!!」

「む、誰だ…?まさか、リリィか?」

「うーむ、いや違うようだ」


 カザミが砦の2階から見回してみたら、リリィではなく、ドーラが向かってくるのが見えた。


「あれは……ドーラか」

「今の戦力じゃ、キツイかもな」

「どうする?」

「どうすると言っても防衛しているんだから、迎え撃つしかないだろ」


 しかし、ドーラが来るとは思わなかった。てっきり、ドーラは防衛に専念してリリィがこっちに来ると思っていたんだがな……


「しかし、リリィちゃんと戦えないのは残念だな〜」

「私はどっちでもいいけど、ドーラの相手はちょっとヤバいかな?」

「ミネアは【強化紋章】と弓に専念して、俺とカザミがドーラと近接戦をした方がいいな」

「確かに、後のことを考えるなら、ミネアはMPを温存しておいた方がいいみたいね」

「わかったわ。【ファイアエンチャント】、【ウィンドエンチャント】!!」


 ミネアは2人にパワーとスピードを強化する魔法を使った。


「二人とも、やるぞ!!」

「「おおーっ!!」」




◇ ◆ ◇ ◆ ◇




 ロード達は気合いを入れている時、ドーラの方では…………


 3人ですか。分身を使えば数はピッタリになりますね。


 ドーラは【霊体分身】を使った。分身が出来たのを確認し、すぐに手に持っていた一つの回復薬を飲んだ。




『マスターに頼まれた仕事を完遂して戻ってきます』




 そう呟いで、砦に真っ直ぐ、向かった。


「来たか」


 砦の前にはロードとカザミの2人がいた。砦の上にはミネアが弓を構えていた。


『分身1、上の敵を倒しなさい』

『………(コクッ)』


 分身1と呼ばれている霊体のドーラは砦の中に向かおうとするが、カザミが止める。


「行かせると思っているのか!」


 カザミは大太刀を使う。だが、分身は物理攻撃は効かないから無視して攻撃を受けていた。


「あ、物理攻撃は効かないんだった!」

「行かせない!【ウォーターボ……】っ!?」

『やらせません』


 ロードは魔法を使おうとしたが、本体のドーラがロードに向けて切り掛かっていた。

 だが、ロードはすぐに気付いて双剣で止めていた。


『私はあの男とやります。分身2はあの女とやりなさい』

『………(コクッ)』


 これで、敵対する相手が決まった。ドーラ本体はロードと、分身1はミネアと、分身2はカザミになった。


「くっ、一体行かせてしまったか……」

「いや、大丈夫だろう。本体はフラグを狙えではなく、上の敵を倒せと命令していた」


 そう、さっきみたいに分身に命令したら、もしフラグが横にあっても先に敵を倒そうとするだろう。

 なら、ミネアが二人の誰かが来るまで持ちこたえればいいのだ。ロードはミネアを信じて、ドーラに切り掛かった。


「すぐに倒させてもらう!【三連斬】!!」


 【三連斬】を発動してすばやしい剣速でまず足を狙う。ドーラは普通のプレイヤーだったら、目にも止まらないスピードにも反応して避けた。


『それくらい、マスターで慣れていますよ』


 リリィと一緒に戦ってきたため、ロードのスピードでは遅く見えているのだ。ドーラは無表情で〈猛毒の斧〉でロードの首を狙う。


「まだだ!【リコール】!!」


 ロードは防御をするわけでもなく、スキルを使った。【リコール】は、前と同じスキルを連続で使えるのだ。


『なんと、連続で使ってきますか』


 驚いている表情ではなかったが、声に違いがあった。ドーラは首を狙うのを止めて、剣を斧で受け止めた。


「やはり、これでも当たってくれないか!!」


 ドーラは斧で剣を防御しつつ、〈ミスリルの剣〉でロードの左腕を斬った。


「ぐうっ!【雷尖】!!」


 ロードは今持っている【双剣術】スキルの中で一番スピードがある技を使ったが…………


『今のは早かったです』


 といい、髪を少し斬っただけで終わった。

 ロードはスキルを3回連続で使い、【リコール】はスタミナの消費が多いため、息が少し切れていた。


『貴方ではまだ私の相手になりません。もう終わりです』


 ドーラは斧で隙が出来た左足を斬り、ロードの胸に手をかざす。


『【怨霊の波動】!』


 ロードは諦めずに双剣をドーラに突き刺そうとするが、遅かった。かざした先に発動されて、ロードの胸に黒い弾が打ち出されて突き飛ばされていた。


「がぁ、っ……負けたか……」


 ロードは最期に悔しそうな顔をして、光の粒になって消えた。


『これでリーダーは消えたね』


 ドーラは周りを見てみるが、とっくに終わっていた。カザミは霊体に効くスキルや魔法を持っていなくて、負けた。ミネアは、弓が効かないとわかり、魔法で応戦したが、一発目を避けられて距離を詰められて斧と剣で切り裂かれて退場した。


『分身1、フラグを手に入れなさい』


 ドーラは分身に命令して、『百鬼夜行』の砦に戻った…………





おそらく、次回で決着が着くと思います。


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