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33.運営イベントその4

はい、どうぞ。



 リリィが敵を制裁している時、クナイの方では…………


「リリィ〜、もう2人を退場させるなんて早過ぎるよ〜」


 アナウンスで、リリィが2人を退場させたと流れたのだ。


 悲鳴が聞こえているけど、まだ誰かが生き残っていてリリィに何かされていれるのかな?まさか、怒らせたわけじゃないよね……


 クナイは想像を含まらせるが、自分には関係ないと、考えを切り捨てて『魔砲員』の砦に向かった。



◇ ◆ ◇ ◆ ◇



「見付けたわ」


 クナイは岩盤の上から姿を見られないように隠れて砦の様子を伺っていた。砦の2階にはロープを着た人が2人で、砦の外に剣士のような男が1人でうろうろしていた。


 剣士が戦っている時に魔法使いが砦の2階から撃ち込むやり方なのかな?なら、先に魔法使いを片付けた方がいいわね。


 クナイはもう少し近付けば、【影移動】で魔法使いの影に移ることが出来る。クナイは決めたら行動は早い。

 クナイは【無音歩行】で砦に近付いた。未だにも敵はクナイに気付いてない。


「【影移動】!」


 クナイは発動出来る距離になり、すぐ発動した。クナイは自分の影から敵の影に移動し、敵の首を狙った。


「来たか!」


 だが、敵にはばれていた。魔法使いはすぐにクナイから離れるように杖で刀を防御し、押し込みながら自分も下がった。


「ありゃ?ばれたって、どうしてわかったのですか?」

「簡単なことさ。俺は【熱察知】で岩盤の上にいたのもわかっていたのだよ」


 ち、【影移動】の移動範囲より【熱察知】の察知範囲が広かったということね。


「その移動するスキルはBグループで見ているから注意すれば近づかれてもわかる」

「あら、対策していたんですか……」


 魔法使いの男は話は終わりだと言うように範囲魔法を撃ち込んできた。




「「【ファイアストーム】!」」




 クナイはすぐに範囲魔法の攻撃から離れようとしたが、避けきれずに足に当たってしまった。


「くっ!」


 ハーキャットは、MDFが高めだったからHPの10分の1を削られただけで良かったが、逃げた場所が悪かった。


「追い詰めたぞ」


 クナイは今、2階にいる。

 砦は屋上みたいになっており、クナイはその角に追い詰められている。


「落ちたら落下ダメージを受け、硬直する。硬直したら魔法で消してやるよ」

「落ちないで魔法を受けるか、落ちてから魔法を受けるのどちらを選ぶか?」


 硬直は、衝撃を一定以上を受けたら3〜5秒ほど動けなくなることだ。


「ふん、お前はボスをソロで倒したようだが、マグレだったか?」

「黙っていたらわからないだろうが。まさか図星とかじゃないだろうな?アハハハッ!!」


 それでもクナイは黙っていた。


「だんまりか?もういい、退場しろ【ファイアストーム】!」


 クナイは向かって来るファイアストームを見て、ニヤッと笑って、後ろに落ちて避けた。


「まさか、落ちる方を選ぶとはな」

「痛みが増えるだけなのにな!」


 2人はすぐに落ちたクナイを見ようとしたが……




「は?いない!?」

「どういうことだ!?」




 落下地点にいるはずのクナイがいなかった。あるのは、砦の影だけ……


「まさか!?」




「ギャアアア!!」




 と、別の場所から悲鳴が聞こえた。2人は悲鳴があった方向に向かい、2階から覗くと、光粒しかなかった。


「まさか、ロンがやられたか!?」


 ロンと言う人は、砦の外にいた剣士の男のことだ。


「ぐぁぁぁ!!」


 また悲鳴が聞こえ、横を見るが、もう遅かった。


「遅いですよ」

「な、なんだとぉぉぉ!!」


 もう隣にいた魔法使いは光粒となって消えようとしていた。今叫んでいた男は胸に刀が刺さっていた。クナイの【刺突】で刺され、ロープの防御では防げるわけでもないので、最後の男も消えようとしていた…………






「これでチェックメイトです」






 クナイはこれで3人の敵を倒した。

 落ちたはずのクナイがいつの間にかに剣士のとこにいたのは、【影移動】のおかげなのだ。

 クナイは影があるところにわざと落ちて、【影移動】で落下ダメージを避け、連続で【影移動】を使って敵を倒しただけなのだ。

 だが、【影移動】を使いまくったため、今のMPは残り少なくなっている。


「これで、私の出番は終わりですね〜」


 クナイはフラグを手に入れて、【全位歩行】で自分の砦に戻ることに…………




◇ ◆ ◇ ◆ ◇




 制裁が終わったリリィはすぐに『黒騎士隊』の砦に向かっていた。


「見えたか」


 ようやく砦に付いたリリィ。だが、様子がおかしいことに気付いた。


「ん?敵がいない……、いや、1人だけ?」


 そこには先程、話したギロスが立っていた。


「やぁ、待っていたよ」

「もしかして、貴方一人だけとは言わないよね…?」

「いや、私一人だけだ」


 ギロスは、戦いが楽しみにしているように、笑って、ハルバードを構えている。


「まさか、防衛に一人だけだと思わなかったわ」


 口はそう言っているが、リリィもギロスのように戦いを楽しみにしていた。


「敵は誰だろうが、勝つのは私よ!」


 リリィは〈聖母殺しの剣〉を構えて突っ込んだ。


「いや、勝つのは私だ!!」


 ギロスも迎え撃つように、ハルバードで横薙ぎを繰り出す。


「はぁっ!!」


 リリィもハルバードから逃げずに、〈聖母殺しの剣〉で迎撃する。



バリィィィン!!



 リリィはSTRが高いが、ハルバードの振り下ろされたスピード+ハルバードの重さ+ギロスのSTRの合計でリリィを上回り、リリィの方が押された。


「まさか、私が力で負けるとはね!!」


 呪いの装備で高めているリリィが力で押し込まれるのはこのゲームを始めてからの初めてだった。


「こっちも驚いたよ。手に少し響いたぜ」

「ふふっ、面白い!!」


 リリィは【ステップ】を使ってギロスの後ろに回りこむ。


「やはり、早いな!!」

「これだけじゃないわ」


 前もってアイテムボックスに入れておいた石を何十個か出して浮かして飛ばした。


「数は多いが、スピードはたいしたことない!!」


 ハルバードを振り回して次々と打ち落としていく。しかも、自分に当たる石だけを狙って、当たらない石は無視していた。


「では、私と言う石はどう打ち落とすかしら?」


 自分も浮いてギロスに迫る。【ステップ】は使っていない。


「言っただろ!たいしたことないと!!」


 リリィに向けて【槍術】の技、【兜割り】で切り伏せるつもりだ。


「ハァァァァァッ!!」

「甘い!!」


 リリィはとっさに【ステップ】でハルバードを避け、地面を割ったハルバードを振り上げる前に剣で脇腹を斬った。

 斬った後、すぐにハルバードが来たので追撃はやめ、離れた。


「ぐっ、まさか空中で【ステップ】を使えるとはな!面白い!!」

「あれ?あまり効いてない?」

「ははっ、体力は5%減ったがな」


 おかしい。脇腹は人間の急所だからダメージはもっとあっても良いはずが…………


「しかし、5%も削られるなんてお前の剣はSTRが高いんだな!!」

「何かのスキルを使っているの?」

「普通、聞くか?まぁ、教えても問題はないから教えてやる。スキルではなく、〈スライム狂い〉の称号のおかげさ!」


 〈スライム狂い〉の称号?まさか、物理攻撃の威力を削減する称号じゃないよね……?


「この〈スライム狂い〉の効果は、斬撃の攻撃は80%削減する。だが、デメリットもある。それは言わないがな」


 くっ、斬撃の攻撃が80%削減だって!?いや、デメリットがあると言った。ならデメリットを見つけるしかないか。


 斬撃でも少しはダメージが通るが、ギロスのハルバードの扱いが上手い。こっちのスピードに慣れてしまったら、ハルバードの威力も高いのもあり、何回か当たったらやられてしまう。


「なら、魔法はどうかしら?【闇の槍】!!」


 リリィは剣での攻撃は止め、魔法で攻撃してみる。だが…………


「無駄だ」


 ギロスは何もしないで立っている。それだけで、当たる寸前に、魔法が消えてしまう。


「な、何故!?」


 リリィは信じられないような気分だった。魔法を無効していたのだからだ。


 どういうこと!? 魔法無効なんて、初期からあるわけがない!!


「アハハハッ!混乱しているか?」

「当たり前よ。無効されるなんて思わなかったからよ。で、教えてくれるの?」

「また聞くのかよ。まぁ、そろそろばらしてもいいか。種族のおかげさ」


 今、何と言った……?


「し、種族だって?」


 ギロスはニヤッと笑って兜を外してリリィに言う。






「ああ、私の種族は、『悪魔』だ」






 ギロスのおでこには小さな角があった。それが『悪魔』と言う証明だった。

 目の前の男も、リリィと同じレア種族ということだ。


「『悪魔』は闇魔法は無効する。だからリリィの闇魔法は消えたのさ」


 ギロスはおでこを隠す兜を被りなおした。

 おそらく、観客の方では、大騒ぎしているだろう。何せ、他のレア種族がわかったのだからだ。


「さて、闇魔法は効かないとわかったところで、楽しもうぜ!!」


 ギロスはハルバードを構えた。リリィも連続の驚きだったが、直ぐに切り替えて剣を構えた。


 『悪魔』の種族だとはね……。じゃあ、悪魔はSTRとDEFが高めということ……?


 リリィを押し返したパワー、剣で斬って、〈スライム狂い〉で削減されているが、5%しか減ってないということはDEFが高めだと考えて、推測したリリィ。

 と思ったら…………


「っ、スピードまであるの!?」


 ギロスが突っ込んできたとき、スピードも結構あった。クナイよりは落ちるが早いほうだ。


「まさか、戦闘関係のステータスが高めになっているの!?」

「よくわかったな!!その代わり、生産職は全くダメだがな!!」


 そう、戦闘関係のステータスは高いが、生産をすると必ず失敗することになっている。

 だが、戦闘になると凄まじい力になる。しかもギロスはステータスに振り回されず、自分の力を上手く使っている。


「それは苦戦しそうね…………」


 ギロスは、『悪魔』の種族で戦闘のステータスが高めになっており、さらに〈スライム狂い〉の称号もある。リリィは剣の攻撃ではダメージが削減されてしまい、闇魔法は無効になっている。

 まさに、二度目のピンチだった…………





二度目のピンチです。どう切り抜けるのか!?


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