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20.ガールズの買い物?

はい、今回は買い物編です。

 ここは、昨日、ログアウトした場所だ。リリィは、第2の街、【ミディアの街】の広場で臨時PTであるクナイを待っていたのだ。


「遅くなってすいませんでした!」

「待ち合わせまでまだ5分はあるから大丈夫だよ」


 今は朝であり、休日だ。昨日、クナイが朝から狩りに行きませんかと聞かれ、リリィはやることはなかったので、それに付き合うことに。


「そういえば、ようやくロードさんのPTがここの街に入れるようになったみたいですよ!」

「確かに、ようやくだね……」


 リリィは、3日前から【ミディアの街】に入れたが、ロードさんのペースが普通より少し早いぐらいなんだ。その代わり、リリィは完璧に早過ぎると言える。


「何分ぐらいかかったんだろ?」

「確か、35分はかかったみたいだよ。1人が生産職の人だから、もし6人が戦闘職なら30分ってとこですね」

「そんなに時間がかかるんだね」

「リリィが規格外に強すぎるだけですから」

「それは自覚はあるから言わなくていい……」


 リリィにとっては普通にやっていることだが、周りからは規格外と思われているようだ。


「あ、リリィちゃんじゃない」

「あれ、カリンさん?」

「そうだよ。ロードさんのPTに入って、ここまで来たよ〜」


 なるほど、ロードさんのPTにいた生産職の人はカリンさんのことか。


「そういえば、その子は誰?」

「ああ、このワーキャットは………あれ?」


 隣にいたはずのクナイがいなかった。だが、後ろに気配を感じ、あることを思い出したリリィだった。



 そういえば、人見知りだったっけ…………



「後ろに隠れてないで前に出なさい」

「はうっ」


 リリィは首元を掴み、カリンさんの前に出す。


「この子は、臨時PTのクナイと言います。人見知りなので、優しくしてくださいね」

「はうはうっ……」

「そりゃ、面白い子を見つけたんだね。私は雑貨屋をやっているカリンと言う。何か買うものや売るものがあれば聞くよ」

「は、はい……、私はクナイといぃます」

「あ、良かったら二人がフレンドになるのはどう?」

「お、いいね!リリィちゃんのフレンドなら面白そうね!どう?」

「え、いいのですか?よ、よろしくお願いします!」


 よしよし、これでクナイの人見知りが軽くなればいいんだがな。


「あ、リリィちゃんとクナイはその後、どうするの?」

「狩りに行こうと思いますが、何かあるんですか?」

「いや、朝早いから何をするのかなと思っただけだから」

「そうなんですか。あ、ポーションを50個分は今日が最後だったよね?」

「おっ、今持っているの?」


 リリィはカリンに最後の日の分であるポーションを渡した。


「はいよ、お金ね。今は何か売るものはあるかい?」

「うーん、今はいいや。狩りに行った後に売るよ。クナイは?」

「ええと、売ります……。これでお願いします」

「はいよ、ええと……5600yenね!」

「ありがとうございます……」

「そういえば、先に武器を見に行かない?」


 リリィはまだ第2の街でのお店はいったことがないことを思い出し、狩りの前に武器屋に行かないか提案する。


「うん、お金も貯まってきたし、買い替えた方がいいかな」

「というわけで、また狩りが終わったら会いましょう」

「了解。二人ともゲームを楽しんでいるね!」


 カリンさんと離れて武器屋に向かうことに。


「ふぅ、緊張した……」

「何故、私だと大丈夫なんだろうな……。で、フレンドが増えて良かったじゃない!」

「う、うん!」


 クナイは笑顔で頷いていた。


「じゃ、クナイの武器を変えないとな」

「確かに、この武器はSTRが低いからね…」


 武器屋に着き、中に入る二人。


「いらっしゃいませ!何をお求めですか?」


 と、元気よくあいさつされた。


「ええと、この忍刀のような物で強いのありますか?」

「えっ、店員にも普通に話せるの?」

「うん、大丈夫みたい。何故かわからないけど」


 むぅ、NPCの相手は大丈夫というなら、私は…………、わからん。


「それなら、この刀でどうでしょうか?」



 月光の刀 STR+25 AGI+10



「これはいくらになりますか?」

「8000yenです。買いますか?」

「うーん、今は11000yenだから買えるね。買うわ!」

「毎度!では、どうぞ」


 クナイは新しい武器を買った。その間、リリィは、斧がある方を見ていた。


「え、リリィは斧も使うの?」

「お嬢さんには重いと思いますが……」

「あ、いや、私が使うんじゃなくて………『召喚』!」


 リリィは召喚してドーラを呼んだ。ドーラはいつもの用に鉈と小斧を持ってひざまずいていた。


『マスター』


 召喚をして、振り向いて見ると、召喚に驚いていた店員とクナイがいた。


「ええと、お嬢さん?」

「あ、いきなり召喚してすいません。ドーラが使う武器が欲しいんですよ」

「ああ、了解しました。どのような武器が?」


 モンスターを召喚して、何事かと思ったが、武器が欲しいとわかり、落ち着いて接客を始めた。


「ドーラはどんな武器が使えるの?」

『ええと、買ってくれるのですか?』

「そうだけど?」

『ありがとうございます。武器はなんでも使えますが、近接戦闘が得意なので、これくらいの重さで2本が使いやすいかと』

「なるほど。STRはどれくらい?」

『表示されていませんが、2本とも大体STR+20です』

「わかった。店員、これらと同じ重さでSTRが40ぐらいはあるのを2本で」

「STR+40ぐらいのを2本!?」


 クナイが驚いていた。店員も目をパチパチとして驚いていた。


「ええと、STR+40ぐらいのを2本で間違いないですか?」

「そうだけど、それが問題が?」

「い、いえ!用意させて頂きます!!」


 店員は店の中を駆け回って手にとって重さやSTRを確認している。その間に、リリィはクナイに質問していた。


「そういえば、何故驚いていたの?」

「だ、だってSTR+40の武器は1本で大体15000yenだよ!?」

「え、そうなんだ。それだけなら問題ないよ」


 と、少し話をしていたら、すぐに店員が戻ってきた。


「こ、これでどうでしょうか!?」


 と差し出されたのは…………



 ミスリルの剣 STR+45


 効果1……アンデット族に対する与ダメージ10%アップする。



 猛毒の斧 STR+48


 効果1……50%の確率で〈猛毒〉を与える



 ほう、効果持ちの武器があるんだな。


「この2つでいくら?」

「剣は60000yenで斧は48000yenなので2本で108000yenになります」

「高すぎない!?」


 またもして、クナイが叫んでいた。


「いや、効果も付いているならこれぐらいはするんでしょ?」

「あ、効果が付いている……」

「普通なら売ってないけど、私達は運がよい。そうですよね?」

「あ、はい。この武器は1本ずつしかありません。効果持ちはこの2本だけです」

「よし、買うわ」

『ま、マスター、いいのですか?』

「お金なら大丈夫。それより、ドーラはアンデット族じゃないなら【ミスリルの剣】は持てる?」

『はい、私は妖怪族に分類されます』

「なら問題ない。店員、2本とも買う」


 お金をウィンドウから具現化して店員に108000yenを渡した。


「ま、毎度ありがとうございます!!」


 クナイはポンと出すリリィに驚いてボケッとしていた。


「じゃ、装備を交換するか」

『はい、ありがとうございます。マスター』


 ふむ、次にボロボロのドレスを何とかしたいな。


「おーい、次は仕立屋に行っていい?」

「え、あ、まだ買うのですか!?」

「そうだけど?いい?」

「……わかりましたよ」


 店員からお礼を言われながら武器屋を出た。ちなみに、ドーラは出したままだと周りが騒ぎそうだから言ったん戻ってもらった。

 仕立屋はすぐに見つかり、店に入った。


「はい、お嬢さん。何かお求めでしょうか?」

「召喚モンスターのドレスかワンピースが欲しいのですが、召喚していいですか?」

「え、は、はい」


 仕立屋の店員は怪訝な顔をしつつ、許可をしてくれた。


「【召喚】!」

『マスター』


 と、召喚して、店員に新しいドレスかワンピースを持ってきてもらうことに。


「ええと、動きやすいドレスかワンピースですか?」

「希望の色とかはある?」

『いえ、動きやすければ言うことはありません』

「出来ればDEFが高めで動きやすいのを」

「では、探してみますのでお待ちを」


 店員は店の裏に行った。クナイは黙って服を見回っていた。


「そういえば、その忍者のような服はどうしたの?」

「あ、これですか?仕立屋に行ったら処分品として売っていたので、500yenで買ったのですよ」

「へぇ、処分品ってあったんだ……。新しいのを買わないの?」

「うーん、お金もキツイし、欲しいと思う服はないしね」

「ふーん」

『自分の服は買わないのですか?』


 ドーラから質問してきた。リリィは少し考えて答えた。


「まぁ、これよりいい性能はあまりないし、欲しいと思う服はなかったしね」

『そうなんですか。確かに、その和服に付いている効果はいいものですね』


 と、ガールズトーク?をしていると、店員が戻ってきた。


「このワンピースはどうですか?これならミニスカートで膝辺りまでなので動きやすいかと」


 と、紹介されたのがこのワンピース。



 深紅のワンピース DEF+25


 効果1……火の魔法を10%軽減する



 おっ、また効果付きの装備だ。


「また効果付き!?」

「いくらですか?」


 また驚いているクナイは無視して店員に金額を聞くリリィ。


「50000yenになります」

「買った!」


 そう言って50000yenを払うリリィ。


「こんな高額をよく出せるね!?」


 クナイがツッコミをいれていたが、リリィは無視。


「よし、装備してみろ」

『はい、ありがとうございます』


 ドーラは武器とワンピースを装備した。



ドーラ(殺戮の人形)


 レベル44(ランク2)


 HP 650

 MP 200


〈スキル〉


【旋律の泣き声】


 相手一人を80%の確率で〈封印〉状態にする。MP10消費


【霊針】


 身体から針を飛ばす。物理攻撃になる。MP10消費



 武器1 ミスリルの剣 STR+45

 武器2 猛毒の斧 STR+48


 防具  深紅のワンピース DEF+25



 うん、ワンピースは似合っているね。でも武器を持つと、何故かそのワンピースが返り血に見えるのは私だけだろうか?まぁ、ドーラの顔は髪の毛でよく見えないが、喜んでいるような気がするからいいか。


「動きは大丈夫?」

『はい、大丈夫です。では、私は戻りますが、何かあれば私をお呼び下さい』

「了解」


 ドーラは用が終わり、帰ってもらって、その後に狩りに行くことに…………


「待ってよ!!」

「……何?」

「なんで、無視するのよ!?それに何故お金をそんなに持っているの!?今日、買った額だけで150000yen近いわよ!?」


 リリィはため息を吐き、質問に簡単に答えた。


「ただ、モンスターを殲滅しつくして沢山のドロップ品を手に入れて全て売ってきたからだよ」

「え、それだけで……?」

「うん、私達が会った時、モンスターはいなかったよね?」

「あ、そういえば、モンスターはいなかったですね」

「それは私が出会ってすぐに倒していたし、ポップが間に合わないほどだったからモンスターがいなかったの。それを他の人に出来ると思う?」

「それは……無理です。それぐらいにモンスターを倒してきたからお金が貯まったんですね」

「うん、クナイもやってみたら?」

「無理無理!!」


 というように、狩りに行くフィールドまで話し続けていた二人。

 レアドロップ品が高く売れるのもあるが、それは言わないで置こう。と考えていたリリィだった…………





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