17.純闇魔法
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リリィは、ログインすると、すぐに【製薬術】で〈オレジポーション〉と〈レモナポーション〉の製作に取り掛かる。
リリィは、頼まれた仕事を早めに終わらせる方だ。
「ついでに明日の分も作っておくか?」
明日の分も作るとなると、2時間はかかってしまうが、やると決めたならやるのがリリィだ。
スリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリ…………
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
2時間たった頃……
「や、やっと終わった……」
今、最後のポーションを作り終わったとこだ。
…………ん?なんだ?製薬術がLv.20を越えたので、自動に設定出来るようになっただと!?なんで、今なんだよ!!くそぉ………
なんと、たった今から製薬術を自動で作れるようになったようだ。もう少し早めに出てほしかったと思ったが、これからは少し楽できると、まぁ、いいかな?と思うリリィだった。
「一回やって見るか?よし、スタートオン!」
さっきまでなかったスタートボタンが出ていたので、材料を選んで、押すと…………
「うおっ!?もう出来た!?あ、あれ?〈オレジポーションLv.3〉になっている?」
さっきまで作っていたのはLv.5だったが、自動だとLv.3になっていた。
まさか、自動だと、最高レベルより2も落ちてしまうのか……?
何回か試してみたが、Lv.3しか作れなかった。だから、自動だとレベルが2も落ちるのは決まりだった。
「うーん、まぁ、失敗してないよりマシか?」
とにかく、出来た〈オレジポーションLv.3〉は、カリンに売れるか聞いてみることにする。
よし、25個ずつの〈オレジポーション〉と〈レモナポーション〉を持ってカリンのとこへ向かった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「あ、リリィちゃん。今日の分が出来た?」
「うん。あと、さっき自動で作れるようになったけど、レベルが2は落ちるみたい」
「え、自動で出来るようになったの!?スキルレベルはいくつ?」
「確か、Lv.20だよ」
「そこまで、よく上げたわね」
「まぁ、依頼されて沢山作れば、上がるよ……」
「そこは感謝しているから、ジトの目は止めてくれない?」
リリィはジトの目でカリンを見ていたが、ため息をして、ジトの目を止めた。
「まぁ、いいですが、この〈オレジポーションLv.3〉は売れますか?」
「150yenと安くなるけど売るかい?」
「買う人がいるなら、売りますけど、効果が低いから売れるかな?」
「うーん、そこは微妙だね。今はスキルレベルも上がってきて、体力もステータスが上がってきているからね。リリィちゃんもそうでしょ?」
「んー、ま、まぁ、そうですね……」
「今の何?」
今度はカリンがジトの目をしてきた。
「あー、凄い上がっていますよ!」
「どれくらいなの?誰にも言わないから、ステータスを見せてくれる?」
「えっ、うーん、数字のとこだけでいい?」
「うん、見せたくないとこは見えないようにしていいから」
ステータスには、見えないようにすることが出来る機能が付いているのだ。リリィもそれを使ってスキルと称号と装備を見えないようにした。
「いいですよ」
「どれどれ…………」
ステータスを見せたら、カリンは固まった。
「さ、三桁!?」
「し、しっ!!」
「あ、ゴメン……」
「もう、で、やっぱり高いよね…」
「早過ぎだよ。どうしてこんな数字に?」
「えっと、プライベートチャットで……」
プライベートチャットで、稀少イベントや装備のことを軽く説明した。スキルはもちろん、秘密。
「はぁ、もう驚かないことにするよ……。また稀少イベントをクリアしたなんて……」
「ははっ……」
カリンは諦めたような表情をしていた。
「おそらく、リリィちゃんが1万人の中では1番強いと思うよ?」
「いえいえ、強さは数字で決まるものでもないと思いますよ?」
そう、戦い方だけで上の相手に勝つなんて、良くあることだ。リリィは今までゲームをしてきた経験が、そのことをよく知っているのだ。
「ふーん、リリィちゃんって、面白い人だよね」
「え、そうですか?」
「うん、その後、何かをやらかしてくるか楽しみにしているよ」
「なんか、その言い方は嫌です……」
カリンは笑い、リリィはぷーと、頬を膨らましていた。
カリンとの用事も終わり、リリィは【深遠の森】にいた。試したいことがいくつかあったからだ。
「よし、まずは【純闇魔法】を使ってみるか」
今のスキルレベルで使えるのは二つだけ。だが、【闇魔法】の上位であって、MPの消費が凄いものだった。
まず、MP30を消費して、黒い槍を出した。この魔法は、【闇の槍】で、遠距離魔法だ。
「よし、オーク集団に向けて………発射!!」
ドバァァァァァァァァン!!
うおっ!?
オークはもちろん、後ろにあった木々も纏めて吹き飛んだ。地面も20センチほどえぐられていた……
「まさか、こんな威力があるなんて………、あ、称号のこともあったな……」
リリィの持っている【聖母を殺めし者】で、闇魔法は威力が20%も上がるのだから、さっきの魔法の威力も納得できる。
「次は……」
次は【影の守り人】はMP40を消費すると、自分の影が動いて、盾にすることも出来るし、相手にぶつけたりすることが出来る。リリィは一つ思い付き、影の形を変えてみた。
「おっ、短剣が10本も出来たわ」
そう、リリィは短剣を影から作ってみたのだ。影の容量では、10本が限界のようだ。この短剣を【浮遊術】で一斉に飛ばしてみたり、1本ずつ、トレントに向けて撃ってみた。
「おおっ、これも一撃で終わるね」
あ、浮かす本体もINTに当たるから、INTの威力になるかもね。これなら、MPがある分だけ【浮遊術】で飛ばす弾の心配はしなくていいな。
普通の短剣だと、飛ばしたら意識を向けて浮かして拾わないと駄目だし、石だと建物内にはないし。さっきの影で作った短剣だったら、MPがあればいくつでも作れる。
「よし、【純闇魔法】はこれくらいで充分かな?」
最後に手に入れた〈聖母殺しの剣〉の威力を試すことにした。ちょうどトレントが………
「えいっ!」
トレントに刺してみた。〈血濡れの短剣〉の時は刺しただけで、消えなかった。
「ギェェェェ!!」
と、鳴き声を残して消えた。
トレントの鳴き声ってそんなのだったっけ…?まぁ、一撃で死んだから威力は間違いなく上がっているな。
「でも、ここの敵じゃ、オーバーキルだよね……」
今度からは【ミディアの街】の近くで狩ってみようかな…?
リリィは考え事をしつつ、剣でオークとトレントを狩っていた。
その姿を見ていた人がいたため、掲示板がまた賑わったとか…………
とある掲示板にて。
【雑談スレ・リリィ編◆5◆】
47.またネタを仕入れたぞ!!
48.何のネタ!?
49.リリィちゃんのことはもちろんとして、スキルとか?
50.>>49おっ、良くわかったな?
51.お!何かわかったのか!?動画を見てからなんのスキルか気になったんだよな〜
52.いや、動画で使っていたスキルのことじゃないんだ。
53.えっ、新しいスキルの方?
54.いつ見たの?
55.>>54それはな、【深遠の森】でリリィちゃんを見かけたんだ。
56.ふむふむ。
57.なんか、試しているような様子だったんだ。
58.おー、新しいスキルの検証みたいなのですか(゜▽゜)
59.そう、今度のスキルは…………魔法だったのです!!
60.ついに、リリィちゃんも魔法に手を出したか!!
61.さらに、遠距離の技が増えたな。
62.そのことに問題があるんだ。
63.え、問題って?
64.何かあったのか?
65.いや、それはな……
魔法の属性がわからないんだ。
66.は?
67.どういうことだ?大体は色だけでもわかるだろ?
68.>>67ああ、色は黒だった。
69.なら、闇属性だろ?何故、わからないと言ったんだ?
70.闇魔法の技はわかるか?
71.確か、始めは【黒の矢】と【黒の盾】だったはずだ。
72.だよな……。でも、あれはちゃちな魔法じゃなかったんだよ……
73.どういう意味だ?
74.リリィちゃんはオーク集団に魔法を放っていたんだ。
75.それで?
76.オーク集団どころか、後ろの木々も消えた…………
77.は?
78.はぁ?
79.はぁっ?
80.はぁぁぁぁぁぁぁっ!?
81.一撃だけで!?
82.ああ……、だからあれは闇魔法じゃねぇ……と思ったわけだ。
83.それは……
84.確かに闇魔法ではないですね……
85.後ろの木々まで消えるなんてどんだけだよwww
86.それに、次の技も、おかしかった。
87.まだ何かあんのかよ……(´Д`)
88.自分の影を操っているように見えたんだ。
89.自分の影を?そんなスキルはあったっけ?
90.いや、見たことはないな……
91.さらに、形を変えて沢山の短剣を作っていた。
92.そんなことも出来んのか!?
93.その短剣を浮かして、トレントに一斉に発射されてサボテンみたいになっていた……
94.うわっ、オーバーキルじゃねぇのか?
95.>>93浮かしていたって、動画の最後にやっていたのと同じだった?
96.ああ、名称はわからないが物を浮かべることが出来るみたいだな。
97.ポルターガイストみたいな?
98.そうそう、リリィちゃんは座敷童子だから、そうゆうみたいなスキルを持っている可能性があるね。
99.そうだな。今回も最後にはまたオークとトレントを惨殺して、奥に進んで見えなくなっていたわ。
100.またですか……
101.でも、リリィちゃんのことが少しでも知ることが出来たから良しでいいじゃないですか。
102.それはそうだな。また何か起こしそうだが、それはそれで楽しめばいいかwww
リリィちゃんのことを少しは知ることが出来た掲示板でした。
感想と評価を待っています。