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13.殺戮の人形

戦いの続きです!


「くっ!?」

「コロコロス!!」


 リリィは今、苦戦していた。


「ステップも使えねぇ!!」


 そう、殺戮の人形のスキル【旋律の泣き声】でリリィのスキルを封じられて、いつもの戦いが出来ていないのだ。

 いきなりのイベントで、何も準備してない状態で、相手の情報もない。戦い方がわかれば、何とかなったが、wiwnには、稀少イベントのことは何も出てなかったから情報はないのと等しい。つまり、このイベントは、リリィが初めてなのだ。そう、イベントを解放条件が、呪いの装備を二つ以上装備していることなのだから、リリィではなかったら解放されなかった可能性が高い。普通なら呪い装備を二つ以上装備していたら普通は戦えないが……、リリィは別だった。


「確かにピンチだが…………簡単にやられねぇ!!」

「コロ、コロ!?」


 リリィは人形が大振りしてきた隙を見つけて短剣で脇当たりを斬った。

 今ので2割は減った。


「コロスコロスコロスコロス!!」

「うっせぇよ!コロスしか言えねぇのか!」


 喋りながらも、またリリィが隙を見付けて攻撃することを続けて、15分たった…………






「ふぅっ、あと最後のバーの半分まではきたか」

「コロコロス……」


 始めはスキルが使えなくなって不利だったが、落ち着いていれば、武器を大振りするため、隙が多かったのだ。人形の癖も見付かり、だんだん人形の攻撃が当たらなくなり、最後には防戦一方になって、今になっているのだ。

 リリィ……鷹野は、今までゲームをやってきただけあって、敵の隙、癖を見付けるのが上手かったのだ。さらに戦闘技術も上達するのが早いともいえた。


「まだ油断するなよ……」


 そう、まるで自分に暗示をかけるように言っていた。


 そろそろ何かが起こるはずだ……。【激昂のミノタウロス】が最後のバーになった時、発動したスキルがあったから、おそらくは、あの人形にもあるはずだ。


 リリィが予想していたのは当たっていたようだ。


「ガ、ガアァァァァ!!コロコロス!!」


 身体から何かが飛び出ていた。針?のような物だった。


「ここにきて、遠距離攻撃が混ざるのかよ……」


 リリィはアレはヤバいと感じていた。もし、アレが毒針や麻痺針だったら、治してくれる人も、薬もないのだからだ。


「全て避けるしかないな」


 無理難題だとわかっているが、リリィはやるしかなかった。


「コロスコロス!!」


 人形は早速、針を身体の中からいくつか飛び出していた。


「くっ!」


 リリィは全力で横へ跳んで、針を避けた。そこに、人形が小斧と鉈で切り掛かってきた。


「まだ!」


 リリィは、先に小斧を短剣で弾いて、鉈は受け止めていた。


「ハァァァァァッ!!」


 力なら人形より高いと、最初の【黒太刀】を相殺出来てなかった時からわかっていたのだ。

 想像通りに人形が力負けしていた。リリィはそのまま押し返そうとした時、人形がニヤッと笑っているように見えたのだ。


「コロコロコロコロコロス!!」

「何だと!?」


 人形は近距離から針を飛ばしてきた。そう、リリィは避けられず、針の攻撃を受けて、ぶっ飛ばされてしまった。


「グアッ!!」


 リリィにとってはこのゲームを初めてまともに攻撃を受けたのだ。

 リリィの防御力は低い。これでHPは0になってしまったとリリィは思ったが…………


「あ、あれ、まだ?」


 まだリリィは死んでいなかった。HPを確認すると、1だけ残っていた。


 あ、そうか、この〈菊花の和服〉の能力が発動したんだな。〈菊花の和服〉は、一度だけ0になるダメージを身代わりになる。


「ぐぅっ、」


 だけど、痛みまでは身代わりということはならないみたいだ。目の前には人形が立っていた。トドメをさすためだろう。


「コロスコロス……」


 最後のトドメは、針攻撃に決まったようだ。


「コロスコロス!!!」


 針が発射された。………………だが、リリィには針は届いてなかった。


「コロ!?」

「やはり、切れたようだね?」


 リリィが使ったのは【浮遊術】だ。何故使えるのかは、頭の上を見ればわかるはずだ。


「〈封印〉の効果が切れたみたいだな」


 そう、スキルを封じる〈封印〉が無くなっていた。〈封印〉は20分たったら消える状態異常のようだった。


「お返しよ」


 【浮遊術】で捕まえた針を全て人形に返した。


「ギァァァッ!?」

「まだよ!!」


 リリィは短剣を人形の胸に突き刺した。


「今度は私のトドメね」


 リリィは短剣を刺したまま【黒太刀】を発動し、中から爆発したような感触を感じて、人形のバーが全て真っ白になって、消えた……




『稀少イベントクリアしました』




 倒したら、アナウンスの声が流れた。


「終わったか……」


 リリィは、肉体の疲れはないが、精神の疲れで、ドッと床に座った。アナウンスはまだ流れている。


『稀少イベントをクリアしましたので、報酬を渡します。報酬はこちらになります。』



〈イベントクリア報酬〉


 【サモンテイム】



「は?これは……?」


『【サモンテイム】は、特定のモンスター以外のモンスターを仲間にすることが出来ます』


 特定のモンスター?ああ、ボスとかは無理とか?


『先程の『殺戮の人形』(キラー・ドール)が仲間になりたいそうです。仲間にしますか?【Yes/No】』



 えっ、さっきのモンスターを仲間に出来るの?って、強すぎない?


「まあ、あっちがいいって言っているんだからな【Yes】っと!」



 【Yes】を押すと、目の前に殺戮の人形が現れた。人形はひざまずいていた。


『名前を付けてあげて。それで仲間になります』


「なるほど……、んー、シンプルに【ドーラ】で」


 名前を付けてあげると、魔法陣のようなのが出て、【ドーラ】は消えた。


『はい、契約は終わりました。詳しくは【サモンテイム】のところをクリックしてください。では、おめでとうございます』




 終わったか。ん?あの魔法陣はなんだ?戦っている時はなかったよな……?あ、戻るための魔法陣かもな。


 じゃなかったら、リリィは上に戻れないから。すぐに魔法陣の上に乗ると…………そこは【ミディアの街】の広場だった。


「おっ、街まで送ってくれるんだな。今、確認しておくか」


 リリィは【サモンテイム】のスキルを確認するためにクリックした。



【サモンテイム】


 モンスターを仲間にして【召喚】を唱えることで、仲間にしたモンスターを召喚することが出来る。仲間にすることが出来る確率は、LUKで決まる。仲間のモンスターが死んだら復活まで3時間かかる。スキルレベルを上げることで、仲間にすることが出来る数が増える。『1体まで』


・ドーラ(殺戮の人形)



 おー、これもいいスキルだな!またLUKに関するんだな。まさか、カンストしているから100%成功するとかじゃないよな……?それより、モンスターのステータスも見れるみたいだな。



ドーラ(殺戮の人形)


 レベル32(ランク2)


 HP 650

 MP 200


〈スキル〉


【旋律の泣き声】


 相手一人を80%の確率で〈封印〉状態にする。MP10消費


【霊針】


 身体から針を飛ばす。物理攻撃になる。MP10消費



 武器1 小斧

 武器2 鉈


 防備  ボロボロのドレス




 おっ、レベルがあるんだ?ふむ、レベルが100になったら進化してランク3になるようだ。力やスピードなどはわからないが、戦ったから強いとわかる。戦いに出せば、経験値を得てレベルアップするんだ。今のままでも私と変わらない戦闘力を持っているから、戦力が増えたね!!

 リリィも自分のステータスのことを思い出し、更新した。




ステータス


リリィ


種族 座敷童子ざしきわらし


 HP 189/189

 MP 109/109


 STR  68→79

 DEF  45

 AGI  85→100

 DEX  18

 INT  53

 MDF  25

 VIT  50

 LUK 9999

 ポイント 0



 金額 52600yen



〈スキル〉


浮遊術Lv.15、短剣Lv.16、ステップLv.15、危険察知Lv.8、魔屍のオーラLv.6、黒太刀Lv.10、製薬術Lv.7、サモンテイムLv.1


〈称号〉


幸運を司る者、ユニークを倒し者



〈装備〉


 武器 血濡れの短剣 STR+50 VIT+20 LUK-100%

 頭防備 輪廻の髪飾り DEF+20 INT+40 スタミナ補正-50% LUK-50%

 体防備 菊花の和服 DEF+15 AGI+20 LUK-50%

 腕防備 なし

 脚防備 草履 AGI+2


 アクセサリー


 その一 スライムの指輪 DEF+2

 そのニ 疾走の指輪 AGI+2

 その三 なし


〈サモンテイム〉


・ドーラ(殺戮の人形)




 よし、これでいいかな?あ、アイテムが貯まってきたなー。カリンさんのとこで売るから【始まりの街】に戻るか。


 リリィはそう思い、広場にある〈転送機〉で【始まりの街】に行くことにした。

 〈転送機〉は、行ったことがある街に行ける機械なのだ。


 転送先に面倒なことがあることを知らずに転送するリリィだった……





リリィちゃんに仲間が出来ました!

あ、言葉が男言葉になっていたのは間違いじゃないです。リリィちゃんは周りにプレイヤーがいない、さらに慌てていたから女言葉を忘れただけですから。

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