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屋台、迷宮に降り立つ

 魔物が跋扈ばっこし、人は剣と魔法でそれと相対する世界―ルーデリア―。

 その世界の迷宮の中に人知れず、世界を改変する可能性を秘めた一人の老人が 降り立った。

 そう、屋台を引いて…


 「こんなとこに、トンネルなんざあったかねえ?」


 一人の老人が、薄暗い通路を屋台引きながら、歩いていた。


 上から下まで、石らしき物で作られた、その通路は天井がかなり高く、屋台も引っかかることはなかった。


 しかも、なんらかの仕掛けがあるのか、照明器具が見当たらないのに天井が 薄く光を放ち、歩くくらいなら支障はない。


 「確かにあんまり来たことのねえとこにきたはずだけど、それにしたって、なぁ」


 なんだかねぇ、と呟きながら、老人は屋台を引きながら進む。


 新規のお客さんの開拓だ、と勢いこんできたものの、あっちこっちとあまり訪れた記憶にない町を歩き回っていたら、気付けば訳の分からない通路に迷い込んでいた。


 しかも、見れば石造りで、その間にはカミソリ一枚入りそうにないほどキレイに石が組み合わさっていた。


 こんなとこがあれば、耳に入りそうなもんだがなぁ、と物珍しげにしながら進むと、どうやら通路は終わりらしく、その突き当たりからは通路とは比べものにならないほどの光を放っていた。


 「やれやれ、これで外に出れそうだ」


 石造りの通路は、昨今の味気ないコンクリートよりは味があったが、それでも閉塞感は免れない。


 老人の屋台を引く腕にも、いささか力が入った。

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