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~2~

食事の終えた3人は再び森に向かっていた。

「いいか、やばくなったら俺と燐音で助けにいく。多少の怪我なら俺の回復魔法で治してやれる、恐れず戦ってみろ。オーガは頭が弱点だ、よく狙え」

「はい……そういえば、この世界の力ってどういうのがあるんですか?」

「主にあるのは魔力と妖力だな。その融合した力が退魔力だ。まあそこらへんを意識するのはもっと力をつけてからだ。今は退魔の力をコントロールすることだけを考えろ。いいな」

「はい」


森の奥深く、燐音とダイドは木の遥か上に浮かんでいた。

零が歩みを進めると、すぐにオーガが現れた。都合のいいことに単独で行動しているようだ。


「んー、人間?珍しいな。まあいい、頂くとするか」

ズシンズシンと、巨体を動かし向かってくる。サイズは大きく2Mほどの大きさがあった。

零は右手に意識を集中させる。すると、白色だったグローブがたちまち水色に変わり、零の右腕を光が包みこんだ。オーガはそれを確認したとたん、口から光線を放ってきた。

右手を光線のほうへ向け、防御する。光は広がり、盾のようになって光線をうまくかき消した。

(いけるっ)

「うぉぉおおおおおおお!!」

つよく拳を握り締め、オーガの腹部に右ストレートを打ち込んだ。強い衝撃とともに、オーガの全身を零の光が包み込んだ。

「くそっ、ぐはぁ」

倒れこんだオーガに向かいもう一度拳を握る。

「これで終わりだ!」

腕をまとっていた発光は拳に集中し、短いナイフと姿を変えた。

ナイフを投げ、オーガの頭を突き刺す。

オーガは消滅し、ナイフになった光の塊は零のグローブに再び戻っていった。

「はぁ、はぁ」

息を休める暇もなく、オーガが2体現れた。音につられてやってきたのだろう。

零は一度冷静になるため、木々を抜けて逃げだした。

消耗していた退魔力が回復していき、グローブは光で満たされた。


空中では喜びの声があがっていた。

「戦闘の勘もいいし、頭もきれる。あいつ予想以上だな」

「そうね、あのオーガにも余裕で勝ちそう。私たちの出番はないわ」

「いいことだけどな」



零は木から飛び出し、不意打ちで一体のオーガの頭を直接殴りかかった。光が転移し、消滅する。もう一体のオーガは背丈があったため直接殴れそうにない……右手に意識を集中し、オーガの目の前で強く発光させ、視界を奪った。瞬時に光をナイフに圧縮し、頭部めがけて投げた。うまく突き刺さり、すべてのオーガを消滅させることができた。

「はぁ、はぁ。このグローブすごい、僕の思ったとおりに光を動かせるみたいだ」


後ろから気配がした。ダイドと燐音だと思い振り返ると、そこには二人ではなく、さらにはオーガではなく、大量の蛇を足にし、女の上半身と接合されている禍々しい妖怪がいた。



「おっと、あれは完全にまずいね。いきましょうダイド」

「まて燐音。ギルジャーネは出会おうと思ってもなかなか出てこない妖怪だ。訓練だと思って戦わせてみよう」

「ちょっとそれは危険じゃない?どう考えたって今の零じゃ勝ち目がないよ」

あわてて燐音がダイドを説得にかかった。

「あいつには時間がない。限界は超えていかなければならないんだ。燐音、いつでも燃やせるよう、擬態を解除しておいてくれ」

「……うん、わかった」

燐音は狐化し、その瞳でギルジャーネをいつでも消し炭にできるよう、凝視した。

(さあ、どうでる、零。)


そのとき零は考えていた。ダイドさんと燐音さんが助けにこない。自分でどうにかしてみせろってことだ。恐怖に震える足を叩き、距離をとった。青黒く変色した裸の女は不気味に微笑んだ。

「おいしそうなもの。みつけ。ちゃった。ふふ。ふ……」

何百匹もいる蛇をつかい、勢いよく零の元につっこんできた。

とっさに光を集め、前方に拡散させる。すさまじい衝撃が零を襲った。直撃は免れたが、衝撃によって木に打ち付けられる。一瞬視界が暗転し、意識が覚醒したころには体を無数の蛇で包み込まれていた。身動きがとれない零。

「いただきまああああああああああああ」

女の口が大きく開けられ、零の頭にかぶりつこうとした。

まずい、このままでは食われる。そう思ったとき、右腕が強く発光した。巻きついていた蛇は消滅し、零は地べたに落ちた。

「っち。めんどくさい子供だこと」

そういってまた蛇を大量に生み出した。本体を切らなければ意味がない。

零は輝く右手に意識を集中し、ギルジャーネに向けた。

青白い光は光線のように零の腕を飛び出し、ギルジャーネを焼き払った。

「や、やった……」

零は力を使い果たし、その場に倒れこんでしまう。



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