~3~
やっぱり難しいんでもとに戻しますorz
「失礼します」
零が寝ているベットに向かって、ふかぶかと、時間をかけてお辞儀をした。
「どうぞ」
もぞもぞとかけ布団の中に入ってくるルル。
同じ部屋のシャンプーを使っているのに、自分からは到底出すことはできない甘い香りが、零の鼻を常時駆け抜ける。
隣を見ると、だれも寝ていないベッドがひとつ。
二人分のベッドが用意されていたので、当然今二人がいるのはシングルベッドである。
冷えていた布団の中が、ルルの体温によって段々と上昇していくのがわかった。
「あの……」
「おっと、そうだ、腕枕つきだったね」
零の腕にルルの頭がのっかった。柔らかく冷たい髪、髪と髪の間から出ている冷やっこい耳の感触、プニプニとした頬、そのすべてが、零の腕の上にある。
「うふ」
ルルがあふれ出すように笑う。
「どうしたの?」
「ずっと夢だったんです、零様の腕に包まれて眠るのが……。今日の日を忘れないようにしないと」
そのとき、零とルルの目があった。顔と顔との距離は腕半分程度。
暗がりでもその照れた表情は十分に確認できる。
「幸せです、おやすみなさい」
そういってルルは眠ってしまった。寝息が零の顔に吹きかかる。喜びと安心の中眠りについたルルとは違い、まったく眠れそうにない。羊を3000まで数えたときだった。
ルルが両足で零の足を挟んできた。抱き枕のように扱われる零。より一層近づく顔と顔。ルルの弾力あるふとももの感触。
「零様、大好きです……ムニャムニャ」
寝言か。心臓が口から出るかと思った。激しく脈打つ心臓をなだめ、零はふたたび羊を数える作業に戻るのだった。