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「いただきます。父さんはもう仕事?」

「今日は東京で会議があるっていってたから5時ごろにはもう家を出たわよ。」

「そうなんだ。忙しいんだね」

「稼いでくれて結構結構。朝ご飯作るのが少し大変だけどね」

「パン焼いて食べてとか言っておけばいいのに」

「早くから仕事があるのに、パンだけじゃ体がもたないでしょ。朝ごはん作って、間食のおにぎりをもたしてます。それが家庭を守り、父を支える母の仕事に対するプライドってもんよ。ふふふ」

母さんは所謂いわゆる専業主婦だが、自分が専業主婦であることに誇りを持っている。

よくテレビで主婦の仕事を同じ時間だけ業者に頼んだら2000万円かかる、などと豪語している専業主婦がいるが、お前らは業者並みのクオリティを出しているのかと問いたい。掃除も埃ひとつない状態を常にキープし、風呂はカビなし、食事はいつでも時間を合わせ、体調管理を含めた最高の味付け。安い食材を買い、おいしい料理を作る。子供をまっすぐになるようしっかりと育てる。これらのことをしているのか。同じ専業主婦だと思われたくない。よくそうつぶやいている。なぜなら母さんはしっかりとやっているからだ。もちろん業者クラスとまではいかないが、手を抜かず、母として出来る最高の仕事をしていると僕も思う。専業主婦に資格つけてくれないかなぁ。私絶対1級なのに。ともよく言っている。


そんなこんなで父さんは母さんに首っ丈だ。母さんの努力もあり、父さんはすくすく出世、僕たちも心身ともに健康に育った。月の一度母の日というのがあって、その日母さんは休みになる。家事全般を父さんと兄妹でこなし、母を労うのだ。僕たちの家庭は幸せだと思う。いや、間違いなく幸せだ。明日は母の日。父さんは出張で疲れているだろうし、久しぶりに母と父の日にして、兄妹で労ってやろうかな。


「すごいよ母さんも父さんも。そういえば明日は母の日だね」

「あら、そうね。でも今日出張で疲れてるだろうし、いいわよってメールしとく」

「いいよ、母さんだって休みがほしいでしょ?」

「言ったって、父さんみたいに満員電車に揺られて休憩は昼だけで上司に頭さげてるわけじゃないのよ。家事の合間にテレビ見てるし、掃除中は音楽聴いてるし。たまに友達と飲みにいったり遊びにいったりもしてるしね。父さんのがずっと大変よ」

「母さんはまじめだなぁ。でも母さんにはフルで休める休日はないでしょ。じゃあ明日は久しぶりに父と母の日にするよ。いいよね愛美」

「うんうん、それがいいよ!愛美カレー食べたい」

「じゃあ一緒に作ろっか」

「我ながらいい子達に育ったわぁ。さすが私たちの子供ね。さっそくメールしとくわね」


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