~1~
「お兄ちゃん起きて、朝だよー、ご飯だよー」
いつものように愛美が僕を起こしにきた。
母さんがいうには僕を起こしたいから、僕より10分はやくおきているらしい。可愛いやつめ。いったい何歳まで起こしてくれるかなあ、そんなこと考えるとお兄ちゃんもう寂しくて涙が出ちゃうよ。
愛美は小学2年生の7歳。幼いながらに女の子らしい可愛い顔としぐさをしていて、将来が楽しみな僕の自慢の妹だ。僕が自慢できることといったら、妹に慕われていることぐらいだろうか。
「愛美おはよう。今日も起こしてくれてありがとね。」
そういって頭を撫でてやる。すると決まって愛美は、満面の笑顔で、どういたしまして。と言う。日課だ。
ボサボサの頭を少し搔き、布団から出る。制服に着替えた後、愛美に手をひかれ、洗面台に向かう。顔を洗い、寝癖を直す。そしてまた愛美に手をひかれ、リビングに向かう。日課だ。
「おはよう」
「おはよーママー」
「はいはい二人ともおはようございます。毎日仲がよくてよろしいですね」
朝食を作っている母さんに挨拶をする。この匂いからすると、ベーコンエッグとトーストかな。
「愛美はお兄ちゃん大好きだよ!」
「僕も大好きだよ。まったく、いつまで僕を慕ってくれるのかなぁ。怖くて夜も眠れないや」
「ほんとよね。まあ15、6になっても兄妹ベッタリだったらちょっと困るけど」
「愛美はずっとお兄ちゃんと一緒だよ!16歳になっても26歳になっても100歳になっても。お兄ちゃんも約束してね」
「はいはい、約束しますよ」
「「指切拳万嘘ついたら針千本のーます、指きった」」
「これで嘘ついたら針千本だからね!」
「了解しました」
そんなこんなで朝食が出来上がった。やはり僕の嗅覚に間違いはないようだ。
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