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ごめんな……

1週間休んでしまい申し訳ございませんでした。

どうでもいいや こんな考え普通じゃないけど

わりといろんなとこで 考えることなんだよな


現実は現実で それは当たり前なんだけど

夢見る気持ちは 普通じゃなかったりするよね


______________


「咲真くん、大丈夫?」

「え、なにが?」

「心、ここにあらずって感じだから……」

「あー。」

 ぼーっとしている。

 それは確かに……そうなのかもしれない。

 あの後すぐに家に帰って、自分が今までしてきたことを事細かに書き出してみた。

 母親の震えて拒絶するような声、そしてどこかで出会ったことのあるような、あの男性の怒りに満ちた表情と声……

 そのどちらの一片でさえも、今に至るまでの素行と行動は意味をなさなかった。

「だめか。」

 お手上げ状態とは、きっとこのことを言うのだろう。

「ねーねー、咲真くん。」

 ゴロンと寝転がり、あぐらをしている僕の太ももに頭をのせてきた南海くんは、不思議そうな表情で僕の瞳を見つめていた。

「どうしたの?」

「んー?そうだなー。頭撫でてほしいかも。」

「はあ?なんだそれ、甘えモード?」

 なんて、少しびっくりしたけれど、断る理由もないから静かに頭に手をおいた。

「あはは。くすぐったい!」

 そう言って笑顔になってくれたのを見ると、ほんの少しだけ心が軽くなる感じがした。

「……気持ちいい?」

「うん。」

「そう……」

 やっぱりまだ覇気のない声しか出せないけれど、一緒に生活をして初めて「いてくれてよかた」って思ったかもしれない。

「あれ、着信が……。」

「え、ああ。」

 ベッドの上に置きっぱなしだった僕のスマホに、通話を知らせる着信がきていた。

「……」

 なんだかそこはかとなく嫌な予感がしたが、今無視しても鬼のようにかけ続けられるような気がして、しぶしぶ通話に出た。

「おお、出てくれたのか。」

「……切りますね。」

「あー!ちょっとまってくれ。」

「なんすか。今日休日ですよ?」

 皮肉を全面に出して吐き捨てたその言葉に、老人はこんな事を言った。

「お前、実家に帰ったんだってな。」

「あー……はい。母親から連絡来たんですか?」

 電話口の校長は、とても神妙な面持ちでしぼりだしたような声のように感じた。

 正直、こんな校長の声は初めて聞いたかもしれない。

「地元のこと、覚えていたんだな。」

「いや、まあさすがに場所くらいは……。てかほんと、用件はなんなんですか?」

 決して気味が悪いとかそういうことではなく、おそらく内容的には校長や担任と母親の間で終わると思うから、わざわざ休日に互いに時間を割いて話すことでもない気がするのだ。

「お前、休み明けの朝時間作ってここに来い。」

「なんすかそれ……ていうか今学校にいるんですか?」

 別に僕としては校長がどこにいようと構わない。

 電話をかけてきたのは校長だから。

「……まあ事情があってだな。外部の人と話をすることになったんだよ。イレギュラーなだけだから気にするな。」

 

 気にしてねーよ。


 そう心のなかでツッコみながらも、外部の人というのが妙に気になった。

「大事なお客さんなんですか?」

「まあ、な……」

 校長室にいるのなら、今はきっと窓の外の景色を眺めているのだろう。

「聞いちゃダメ、って感じですかね。」

「ああいや!そうじゃないんだ……。いずれ君も会うことになると思うから、その時に紹介できると思う。」

「……」

 つまり現時点で話すことはできないということのようだ。

「そうですか。」

「君にとって……それが望んだ形で出会えることを願うばかりだ。」

 どういうことだろうか。

 それは裏を返すと、僕は会わないほうがいい相手である、といった捉え方もできる。

「……彼はどうだ?うまいこと生活できているか?」

「はい、それはもう……おかげさまで!」

 どんなにバックグラウンドがあったとしても、ここだけは絶対に譲るつもりはない。

 最近になって、ようやく楽しいと感じるようになってきたところだからだ。

「ごめんな……」

「なんですか、急に。」

「本当にごめんな、我々の力不足だったんだ。」

 「また連絡する。」といって、校長は一方的に通話を終了した。

 なんだったんだ?と首を傾げながらふと後ろを向くと、そこには誰もいなかった。

「あれ?」

 さっきまでいたはずの南くんの姿がなかった。

 キョロキョロと探していると、玄関に書き置きを見つけた。


「ちょっと用事があるので出かけてきます。夜までには帰ってきます。南海。」


「用事、か。」

 あまりにも急用なのだろうから、仕方ないといえば仕方ない。

 なんだかんだで僕も長い時間通話をしていたわけだし。

「気にすることでもないか。」

 そう呟いてダイニングに行こうとしたとき、僕は強烈な違和感が脳裏をよぎり、急いで玄関へ振り返った。

 南海くんのことを信用していないわけではない。

 だけど完全に信用できるかというと、そうではない。

 だからこそあの扉に強烈な違和感が存在しているのだ。


「……どうやって、鍵閉めたんだ?」


夢なら夢でいい。現実なら現実だって誰かが証明してくれたっていいじゃないか……


(次回更新予定日は3月20日22時)

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