第54話 絶対に諦めない side美千瑠
昨晩の私のせいなのかな……。
少し強引に迫りすぎた? 男の子はえっちなことが好きなんじゃないの? 凍華はそういうのに興味なかった? 私だけ? 私だけが凍華とえっちなことがしたいのかな?
今日は朝から凍華が何か言いたそうにしていて、私はもしかしたらって、本当は薄々気が付いていた。
だからそんなこと考えられないように、少し強引にくっついたり、キスしたりして、意識を逸らそうと必死だった。
それなのに凍華は、
「美千瑠、恋人ごっこのことなんだが……」
そう言って強引に話題を引き出してくる。そんなところ、強引になってほしくなんてないのに。
だから私は咄嗟に、
「やめないよ?」
そう口にしていた。
凍華は話の先を読まれて、酷く驚いた顔をしていた。
やっぱり、恋人ごっこを終わりにしようって言うつもりだったんだ。
すごく悲しかった。
私は凍華と恋人ごっこをするのが楽しかったし、ずっと続けたいって思っていたから。
でも凍華は違うんだ。
私との恋人ごっこを終わらせようとするんだ。
どうして? 他に好きな人が出来たとか? ううん、それはないと思う。凍華のスマホには何の着信もないし、女の子と話している姿なんて、学校でも全く見たことがない。
それならやっぱり、恋人ごっこに飽きちゃったとか? 私の魅力が足りないせいでつまらないとか?
私は凍華のことが好きだ。
恋人ごっこをやめてしまったら、きっとまたただの友人に戻ってしまう。そうなってしまったら、こうして凍華とくっついたり、長い時間を一緒に過ごすことも出来なくなってしまう。
だって私なんかが本気で告白したって、凍華が本当の恋人になってくれるはずがないもん……。そんな自信、私にはないもん……。
だから絶対に、この恋人ごっこをやめるわけにはいかない。
私はこの恋人ごっこで、少しでも凍華に意識してもらわなきゃいけないんだから……!




