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第34話 なんて恰好してるんだよ……!


 友人(しかも女子)が風呂に入っている間、どう過ごすのが正解なのだろうか。


 俺はソファに身体を預けながら目を瞑る。


 シャワーの音を聞きながら悶々として待つべきなのか、気にせずスマホゲーにでも興じて待つべきなのか、はたまたうたた寝でもしておくべきなのか。


 俺はあまりシャワーに意識を向けないよう、ゆっくりと思考の海に沈む。



 今日、美千瑠が俺を家に呼んだ理由はなんだ?



 その議題に、全神経を集中させる。


 今日はみんなで水着を買いに行った。結菜が夕方に予定があるとのことで、早めの解散となった。ということは、もう少し遊びたかった美千瑠は、俺と家でゲームでもするために自宅に呼んだ? それとも映画でも観ようと言うのだろうか?


 確かに彼氏や彼女の家で、ゲームをしたり、映画を観たりというのは、恋人のお家デートの定番っぽさはある。


 恋人に憧れのある美千瑠なら、そういうこともしたい! と言い出すような気もする。


 シャワーに入ったのだって、外が暑くて汗をかき、普通に気持ち悪いからというだけの理由かもしれない。そもそも本人はそう言っていたし。



 こういうとき、真宙だったらどう考えるのだろうか。


 例えば今シャワーを浴びているのは結菜で、それを待つ真宙を想像する。


 いや、これは駄目だ。


 真宙なら、結菜がシャワーを浴びる、と言った時点で鼻血を吹き出しそのまま卒倒するだろう。



 つまりはそういうことなのだ。



 男子というやつは、女子の風呂と聞いただけで当然女子の裸を想像してしまう。もしかしたら起こり得るかもしれない今後の展開も……。


 俺、何も準備して来てないんだけど……。今からコンビニにでも行くべきだろうか。

 と妄想が先走るため、先程からそれらを想像しないことに必死だ。


 だからこうも訳の分からない考察をつらつらと述べているわけなのだが……。



「お待たせー」



 とか考えている間に、美千瑠の呑気な声が廊下から聞こえてくる。


 俺は思わずごくりと唾を飲み込み、「ああ、別に。ゲームして待ってたから」と至って平静を装って返答する。


 まさか服を着てないなんてことはないだろうな? と思いながらも、ペタペタとやってくる美千瑠を恐る恐る見ると…………。



「お前っ……!? なんて恰好してるんだよ!?!?」



「なんて恰好って? 普通に水着だけど?」


 美千瑠は白地のビキニを纏っており、「可愛いでしょ?」と言って見せつけてくる。


 ピンクの可愛らしい花をあしらってはいるが、布面積があまりに小さく美千瑠の胸は今にも零れそうだ。下は下でパレオを巻いてはあるのだが、その丈がやたらと短い。パレオって普通もう少し長いものじゃないのか?


 俺は目のやり場に困り、視線を窓の外に逃がす。


「どう?」

「どう、って何が?」


 やや声が裏返りつつもすっとぼけた返答をすると、俺の反応が不満だったのか、美千瑠は俺の眼前へと回ってくる。


 高校一年生にしては発達しすぎている美千瑠の身体が目の前にあり、退こうにもソファの背もたれに押し返されてこれ以上身動きが取れない。


「この水着、可愛いかって聞いてるの!」


 美千瑠が動く度に目の前の豊満な果実が揺れ、俺は思わず顔を背けた。


「似合ってる……! 似合ってるから……!」

「そうじゃなくて」

「なんだよ?!」

「可愛いかって聞いてるの!」


 ぐいぐいとこちらに寄って来る美千瑠に、俺は降参するように投げやりに言った。


「あーはいはい、可愛い可愛い!」

「ちょっと、ちゃんと見てくれたの!?」

「もう勘弁してくれ…………」


 俺は頭を抱えたくなった。けれど手足を動かそうものなら、美千瑠のどこに触れてしまうか分からない。迂闊に動くことは出来なかった。



 苦しい……早く収まってくれ、俺の動悸……。




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