7 夢から醒めたサンドリヨン
男は娘を賭場へ連れていきました。
娘は黒いドレスを着せられていた。
この賭場は仮面で素顔を隠すのがマナーで、素顔を晒すと酷い目に逢うと男は教えました。
チップは男が全て管理してくれました。
娘はポーカーが得意でした。
初手でロイヤルストレートフラッシュを叩き出し、
周りを圧倒しました。
男は娘がチップを増やしまくっているので少々興奮している様子です。
娘はスペードやクラブなどの黒いスートのカードばかり引くので黒の女王と呼ばれていました。
男は娘にルーレットをやらせました。
娘は2と14の往復だけで勝ってしまいました。
娘のドレスは赤や黒に見えるものに変わっていました。
娘は大胆だけど上品な素振りをしていました。
男は娘に
「アナタは素敵な人だから理想側でも生きていける 吾輩は現実側では生きていけない ねぇ吾輩と生きてくれる?」
と問いかけました。
娘は初恋の男を見つけました。
初恋の男は女と話していました。
娘は嫉妬に狂い、コーラを暴飲しました。
それでも娘の感情は治まらなかった。
娘はついに初恋の男に飛びかかりました。
上品で大胆な攻撃に赤い目の男は驚きました。
「やるときは思いっきりやんなさい」
祖母の教えをそのまま実行した娘。
その両手で初恋の男の首を掴んでいた。
「I liked your profile, I liked your voice,
I loved everything about you.(あんたの横顔が好きだった、あんたの声が好きだった、あんたの全部が好きだった)」
「Goodbye my first love.(サヨナラ私の初恋)」
娘はそのまま初恋の男を絞め殺した。
娘は笑っていた。その素顔は狂喜に満ちていた。
赤い目の男は娘を後ろから抱きしめて言いました。
「Will you give me your first love?(貴女の初恋を吾輩にくれませんか?)」
「I'll definitely come pick you up.(吾輩が必ず迎えに行くから)」
娘は泣いた。
赤い目の男は娘を現実に送り届けました。
その際、娘は履いていた黒い靴が片方脱げてしまいました。
目が醒めるとそこは家の布団の中。
手にはスペードのクイーンとハートのクイーンが握られていた。
「My Cendrillon, I will come to pick you up around September, so please wait.(吾輩のサンドリヨン、9月頃貴女を迎えに行くから待っててください)」
どこからかそう聞こえた。
わかってる、必ず迎えに来てね。
白いふわふわな髪の私の王子様。
愛が廃れる前にすぐ助けに来てね。
女王と王は娘の夢を覗いていた。
「あの男やるね」
「あの娘もなかなか度胸がある」