3 色欲の手引き
娘は恋に盲目になりました。
目に入る画面の中の存在にも興味を持ちました。
どうすれば祝福を失くすことができるのやら、それは誰にもわかりません。
わずか3日で80人を超える存在に恋をしました。
それどころか娘は恋を抑えることが苦しく感じました。
女王は
「欲望に身を委ねろ 解放される」
王は
「純潔を保て 美しく生きられる」
娘は欲望を身に留めました。
娘は夢を見ました。
そこは甘くてクラクラする匂いが充満する不思議な部屋でした。
身体が燃えるように熱く、呼吸は乱れ、腹の奥底が疼いているような感じがしました。
そんな娘に欲望で満ちた視線を向ける7人の悪魔がいました。
「哀れな淫婦 欲望を身に留めると自身が乱れてしまうんだ」
「ホンネを晒して 自由になるといい」
「ここには我らしかいない」
「忌々しいイイコはもういない」
「さあ欲望を解き放て」
「色欲に狂うといい」
「一瞬で極楽にイけるぞ」
悪魔達は娘を唆した。
娘は夢でなら欲望に満ちた己を解き放ち、自由に生きられると思いました。
娘は夢の中で悪魔達に喰われました。
娘はそれから嫌なことがある度にその夢を見せられました。
悪魔達は優しく娘を抱きました。
娘好みのイケメンに姿を変え、娘が望むまま。
娘は高校に上がると真面目な性格を演じました。
それでも友達と呼べる存在はできません。
皆 娘に近づくと課題を見せて欲しいと言いました。
娘は優し過ぎるから見せてしまいました。
利用されては捨てられるを繰り返していました。
夢の中では7人の悪魔が待っていました。
「さあ可愛い娘 私の腕においで」
「今日はどんな色欲がいいかな?」
「こっちにおいで」
「お菓子もあるよ」
「温かい布団も用意している」
「大好きなコーラもある」
「こっちはゲームだ」
娘は物足りないと思いました。
そしてついに
「飽きた 違う人を探す」
と言いました。
7人の悪魔達は優しく唆しました。
「どんな顔が好みだ? お前の望むままに
我らは姿を変えてやろう」
娘はそれを探そうとしました。
つり目のイケメン
タレ目のいい男
クセっ毛のイケメン
筋肉質のイケメン
どれも娘には響きませんでした。
7人の悪魔達は頭を抱え言いました。
「しばらくお前の好みの顔を探そう」
そして10月に娘はついに好みのイケメンに出会いました。
白いふわふわの髪と黒いサングラス 赤い目の男に
娘は心を奪われました。
夢の中で悪魔達はその男に化けました。
「さあ可愛い娘 我らの腕においで」
娘は首を横に振りました。
「あの人は我なんて言わない」
娘の一言に悪魔は驚きました。
7人の悪魔達は悩みました。
「私か?」
「俺か?」
「妾か?」
なかなか正解が出ませんでした。
娘は呆れてしまいました。
「余?」
「おいどん」
「吾輩!!」
娘は勢いよく振り向きました。
悪魔達は優しく娘を呼びました。
「さあ可愛い娘 吾輩達の腕の中においで こっちで楽しいことしましょう」
娘は笑って悪魔達に身を委ねました。
やがて悪魔達は娘を自分達のモノにしようと考えました。
娘が心から愛する男を引き離せば娘は自分達のモノになると考えました。
そして娘の初恋の男は別の女と結婚しました。
悲しむ娘は悪魔達に抱きつきました。
こうして悪魔達は幸せになり、娘は悲しみました。
めでたしめでたし