表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/14

2 カクテルに秘められし言葉

娘はリュースーに才能を与えました。

「お前に酒の知識を与えよう その知識でヨゾラを支えようじゃないか」

娘の15の誕生日は誰も祝いませんでした。

悲しむ娘は怒りを見せました。

誰も気にかけてくれませんでした。

娘は頭を冷やすために眠りました。


午後4時に猛者が来て言いました。

「俺だって祝われてないぞ」

娘は猛者を追い払いました。

孤独に苦しむ娘 でもどこか不穏な様子です。

午後6時 娘は湯船に沈みました。

沈もうとしても深さが足りませんでした。


「死を望むから悪魔にだって魂売ってやる」


結局死ねませんでした。

娘は怒り、何も口にしませんでした。

午後8時 母親が現れてケーキを寄越しました。

「馬鹿な母親 私は生クリームが嫌いなのに」

そのケーキには半額の証がついていた。


夏になったら娘は原稿用紙を眺めました。

女王は

「行動に移すなら STEPを」

王は

「移せないなら TURNで」

娘はSTEPを選びました。


ヨゾラに捧ぐ最初のカクテルはスクリュードライバーでした。

意味はリュースーと娘しか知りません。


女王は

「書き続けるなら ケープ・コッダー」

王は

「やめるなら XYZ」

娘はケープ・コッダーを選びました。

己の破滅への近道になるとはまだ気付きません。


娘は己の魂が呪われている事を知りました。

両親の魂とは決して別れることは出来ない呪いがかかっています。さらに愛する人も前世から決まっているという男と結ばれる運命の祝福を与えられていました。

前世も前前世も もっと前から繋がり続けている

呪縛でした。


娘はヨゾラに祝福を与えました。

「心から愛する者と結ばれるように 決して決断を誤ることなく生きられるように」

娘は自身の夢をヨゾラに託しました。


願うならば魂の呪縛から己を解き放ち、愛してくれる特別な人と一緒になりたい、それが願いでした。

誰にもその声は届きません。

娘の気が狂っているだけだと皆思いました。

女王は

「皆消し去るなら スペードのQueen」

王は

「皆生かすなら ハートのKing」

娘は選べずにいました。

女王は笑いました。

「己を悪魔にするのは不可能なのだ 娘、諦めよ」

王は言いました。

「己は愛情深い それ故、傷つきやすい 慈悲の心を捨てよ そうすれば苦しみから解放される」

娘は愛情深い性格でした。

皆を愛しているから忘れ去ることも殺すこともできません。


娘に女王は祝福(のろい)を与えました。

「お前に恋に対する盲目を与えてやろう」

娘に王は呪縛(しゅくふく)を与えました。

「お前に愛を与えてやる」

娘は祝福と呪縛を同時に受けました。

娘は恋に盲目になりました。


「テキーラサンライズのようでカンパリオレンジ…」

娘の恋の炎は燃え上がりました。

炎に酒を投げ込まれたかのように大きく赤く燃えました。

恋の炎は彼しか消し去ることができません。


こうして娘は恋に盲目になりましたとさ。

めでたしめでたし

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ