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ゴミはどっちですかねぇ?

 気配だけなら50人くらい。 あとは、その中に操者が何人いるか。

 人が多いと魔力感知は情報量が多くて頭痛くなるからやらない。

 さぁて、始めますか。 

 


「Let's start.」


 フードを外して普通に建物に近づく。

 見えてる範囲の見張りは四人。


「そこの女止まれ」

「それ、もういい。 多重展開、コンスィールメントヴェール、サウンドインシュレーション、ヒュプノス……リリース」


 指を鳴らして構成陣を展開。

 建物全体を遮音結界で包み見張りを眠らせて隠匿魔法で周囲から見えない様にする。


 見張りは普通の騎士か。

 建物の中に勘の良い人がいたなら今ので気付くだろうけどね。


 

 堂々と正面扉を開く。

 広いホールにはカウンターや机があって衛士と役人風で20人程かな。

 サウンドインシュレーションの効果は大きい音だけにしてるから特に気付いてる様子はない。


「範囲睡眠結界、ヒュプノス……リリース」


 レジスト出来なかった人達がその場に倒れ込む。

 ただ一人を除いて。



「来ると思った。 ほんとに気が短いよね」

「そんな事無いと思ってるよ。 許せない事が多いだけ」

「実力行使に出るなって言ってんの。 平和的政治的に解決しなさいよね」

「それは仕方ない。 貴族じゃないんでね。 騙し合い、足の引っ張り合いなんて嫌なんだよね」

「そこは同意見。 ほれ、わかったから帰った帰った」

「来たばっかだよ。 せめてお茶だせよ」


 やだやだ気が削がれちゃうじゃん。

 レジストしやがったのは赤の挿し色のファーレン第二騎士団の騎士服を着たクラスフィード家の三女、同い年のエストア。

 お姉様達と同様の赤い髪をミディアムのレイヤーボブに仕上げて明るくてかわいい。

 うん、かわいい。

 

「そんな事してる時じゃないでしょ」

「まーねー。 エストアの顔みたら和んじゃったよ。 国王陛下に取り次いでくれる?」

「まぁ、状況報告して進言はしてくるよ。 期待はしないでね」

「よろー」



 エストアは階段を登って行くけど、ちょうど横の部屋のドアが開いてメイドさんが入ってくる。

 倒れてる人達をみて少し眉が動いた程度で素に戻る。

 メイドさんって凄いね。


 口止めを頼んでお茶を頼むと直ぐにお茶と茶菓子用意してくれて、そのまま倒れてる人達を動かし始めたのでフローティングで軽くしてあげる。


 感謝に感謝で返して口を付ける。

 ん、美味しい。

 夜の薬は入ってなさそう。



 時間かかるなぁ。(もぐもぐ)

 なんかそのままメイドさんが付いてくれてテーブルには食事まで並べてくれる。(もぐもぐ)

 エストアの次は食事か、相手には相当な策士が居るに違いない。(もぐもぐ)

 

 倒れてた人達はきれいに端に並べられてるけど起きる気配は無い。

 効果の継続はしてないから抵抗力が高い人はそろそろ目覚めても良い頃。

 食事の間にもドアから入って来た数名の人間が追加で並べられる。



 ん? 動いたか?

 降りてきたのはエストア他四名。

 

「待たせた……、お待たせしました……、なんか違うね。 お待たせ。 ちょっと寛ぎ過ぎじゃない?」

「うん。 良くしてもらってる」


 一礼するメイドさんは姿勢も綺麗で素晴らしいね。


「殿下。 こちらがファーレンの冒険者ユフィでございます。 この者は実力が高く、ここで倒れている者達はこの者が魔法にて眠らせたものでございます」


 へー、殿下ねぇ。

 フェルミナによく似てる。

 女性の様な顔立ちに薄紫色の髪は背中までのロングのストレートで綺麗。

 うん、すごく好みだわ。


 国王が降りて来るとは思ってないけど、賊の前に殿下が出てくるのもどうなのかなっ。

 

「ほぉー。 どんな手を使ったのか知らんが弛みすぎていかんな。 ここで寝てる奴らは減給処分にする」


 あぁ? 何言ってんだこいつは?


「殿下。 ここに……」「誰が話しても良いと言った? 無礼であろう」

「…………」


 顔だけか。

 殴っても良い?

 ボクの目線にエストアの目は、ボクの気持ちを許してはくれない。


「エストアよ。 お前はこんなゴミの為に陛下の御心を乱したのか? ファーレンの質が知れるわっ。 お前達の国はよほど人材不足なのだな」

「申し訳ございません」

「お前達。 そこのゴミを縛り上げろ。 ゆくぞエストア」

「はっ」



 ガキィィィィン。

 瞬時に移動して王太子に斬り掛かかるのをエストアの防壁に止められる。

 正確には空間の歪みから出てきた防壁二枚に止められる。

 この歪みは……。

 二枚の防壁は別の構成だね。

 硬いなぁ。頭の中で構成陣を紐解いていく。

 頑張れボクっ。


 王太子はまったく反応していないし、エストアも防壁に当たってからの反応だ。

 王太子は反応しても顔色は変わらない、肝は座ってるみたいで嬉しいよっ。


「止めてよっ。 ユフィでも無理だよっ」

「もう無理かな」


 直ぐ後ろに二人の騎士が迫ってる。

 ヒュプノス、ダイレクトペイン……リリース。

 フフフ、空間の歪みからの防壁にレジストされる。

 でもさぁ、この防壁はもう解析済なんだよねぇ。


「ホウルデモリッション、スペルジャミング……リリース」


 デモリッションで防壁を消して、ジャミングで次の防壁の展開を妨害する。

 OK! 完璧っ。

 アイテムボックスから斬馬刀を取り出して、二人まとめて壁に叩き付ける。

 ちゃんと刃は無いからねー。

 やはり斬馬刀はカッコいいし凄みがあるから、さすがの王太子も目を見開いてる。

 壁が壊れちゃったのは仕方ない。


「ゴミはどっちですかねぇ? この人達? それともあ・な・た・ですかぁ?」

作品を読んで頂いてありがとうございます。

面白いと感じてもらえたら、いいね、ブックマーク、☆評価お願いします。


至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります。

作品は今後も加筆、修正あります。

投稿は不定期です。


先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね。

一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです。

本編の執筆が忙しく更新は止まっております


https://ncode.syosetu.com/n2673im/


カスタムキャストでイメージを作ってみました。


※画像はイメージであり、実際のものとは異なります。

挿絵(By みてみん)

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