いいなぁ、こうゆうの
あったかいなぁ。
嬉しくてはしゃぎ過ぎたけど、自然に眠りに落ちていた。
ボクを挟んで眠る姉様とタキナがかわいくて仕方ない。
おにいさまくらは昨日と同じ姿勢のままで本を読んでる。
「おはよう兄様」
「ああ」
「重くて眠れなかったですか?」
「気にするな。 お前たちが重たい訳がない」
「ふふふ、兄様大好きです」
「あたしは?」
「おはよう姉様。 もちろん大好き」
「ならキスして」
「はい」
姉様の頬に軽く口をつけてから、兄様の頬にも口をつける。
そして起きて静かにしているタキナと唇をあわせて短くなってしまった髪を撫でる。
出来事としては残念で悔やまれるけど、短い髪だって良く似合っててかわいい。
「あたしも唇がいい」
「姉様は入ってこようとするからヤです」
「ミリアルド様、ティファニア様おはようございます。 私は朝食の支度をして参ります」
「いい。 ゆっくりしていろ。 もうシーズがやっている頃だろう。 後、私の事は「兄」と読んでいい」
「はい、ありがとうございます。 お兄様」
「ならあたしも「姉」だね」
「はい。 お姉様」
「おいで妹」
「失礼いたします」
ちょっと引っかかるけどタキナを姉様に預ける。
撫で撫でされるタキナも心地良さそう。
ぷぅーーーーーー。
「姉様っ。 タキナの唇もダメーーー!」
「間接キスだよ」
「むきぃーーーー」
「おはようシーズぅ。 朝食ありがとう」
「いいよー。 いつもの事だし朴念仁のお世話なんかよりユフィ達のお世話ならご褒美だよ」
「ほう、なら妹達の為に修練場の土を全て掘り返してもらおうか?」
「それ、いる?」
「ティファとユフィが転んでケガをしたらどうする? 石を全て取り除いてこい」
「えーーーー」
ふふふっ。楽しいー。
アレクシアも一緒ならもっと良いのに。
「うわぁー、ミルクシュガーパン(フレンチトースト)美味しそー」
「フッフッフッ。 気づいてくれたかっ。 ユフィちゃん達がいるんだから僕が腕を奮ってきたよっ」
「おおぉぉぉ」
「あたし、作ってもらった事ないなぁー」
「そ、そぉーだっけぇー?」
「うん。 おいしっ」
「こらっ、つまみ食いしませんっ」
「うへぇ」
「ユフィこっち」
えー、兄様の前で姉様の太ももに座るのは恥ずかしいのですが?
兄様が頷いて肯定を示す。
ボクに優しい兄様は姉様にも優しい様だ。
「早くパンをー、パンをー。 うがぁーー」
「はいはい」
幸せそうな姉様の太ももの上は嫌ではない。
「兄様。 結界を切り裂ける道具を知っていますか?」
「神の力くらいだな。 そんな物が普通にあれば戦い方が激変してしまう」
「ですよねぇ。 昨日、ボクの障壁が切り裂かれて。 個人の能力ではなく武器の方だと思うんですが」
「「切れた様に見えた」なら理解できるが?」
「兄様。 ボクの術式はさすがにそこまで温くないですよっ」
「だろうな。 見せてみろ」
「失礼します」
手のひらを兄様に向ける様にして、防御障壁を展開する。
「ほう。 早くて堅いな。 美しい構成式だ。 …………お前、前世の記憶があるな?」
「何故ですか?」
「だから、無い者は「何故ですか?」とは言わん。」
「すいません」
「術式に私の知らない文字が入っているからだ。 もし転生者でも妹は妹だ。 その事実は変わらん」
「ありがとう兄様」
「で、このパターンの障壁が切られたと」
「はい。 紙の様にあっさりと」
「神は知らんが、知らない文字の入る術式にこのセカイの人間は干渉できん。 他のパターンでも展開は出来るな?」
「このパターンが好きなのであまり使いませんが出来ます」
「大問題だな。 詳細は?」
「ミネルバに任せたので、この後確認します」
「わかった」
「兄様、また来ますね」
「ちゃんとあたしも呼んでね」
「ユフィちゃんもタキナちゃんも毎日でも良いからねー」
姉様が泣かない。
兄様が居るから?
いいなぁ、こうゆうの。




