今この瞬間
ミネルバにはプライベートな事以外は基本的には話す。
これからの為に情報共有は大切。
「なにぃー、ラインハルト様とイチャイチャしとるだとぉー? おい、こら、入れ代われー。 魔法でなんとかなるだろー。 うはぁー、滾ってきたぁー」
「ならないよ……。(たぶん) 男に興味ないって言ってたじゃん」
「それとこれとは話しが別。 子作りするならラインハルト様が良いわぁー。 聞いといてくれる?」
「やだよ。 ミネルバは会った事あるの?」
「モチロン、会いに行ったわよー。 幼い頃から何度もね。 小さい頃はホント可愛かったぁー」
「いーなー、見たいなー。 写真とかあったら良いのに」
「でも相手にしてくれないのよねー。 お人形さんみたいに微動だにしなくてさー。 見てるだけでも保養にはなるんだけどねー」
「だと思った。 アレクシア以外には興味ない人だもんねぇ」
「ユフィの兄弟歪んでるねー」
「そだねぇー」
「タキナに、なんて話そう……」
「そのまま話せば良いんじゃない? 推しと恋は別物だよ」
「そうだけど……」
「実らない相手なんだから余計にいいじゃん? タキナは大丈夫だよ。 何人でもっ!」
「そうゆぅ事じゃないかなぁ」
ムギュ。
彼女に顔を挟まれてグニャグニャにされる。
「ひたひ、ひたひよっ」
「あんたは考えすぎなのよっ」
「タキナ、話があるんだけど……」
「言いにくい事なんですね?」
彼女がボクの頬を両手で挟んで真っ直ぐ見つめる。
うん、やっぱりちゃんと話そう。
「言いにくいなら、言わなくてもいいですよ。 私は大丈夫です」
「ううん。 ボクね……ずっと前から好きな人がいるんだ。 それが恋なのか、愛なのかって言われたらわかんない。 わかんないけど好きなものは好きで……。 でもタキナも好きで……。 大好きな訳で……」
「その答えは、今必要ですか? 私は、今この瞬間をユフィに尽して、ユフィに愛される事ができたら……それだけで幸せです。 ダメ……ですか?」
「ダメ……じゃないです……」
「なら、今は私がユフィを独占しますねっ」
彼女の笑顔がまぶしい。
とてもかわいくて魅力的。
ホント好きになって当たりまえ。




