愛してる…愛してます…
「ドアあけてもいい?」
「ダメですよ。 謹慎中ですから」
「謹慎?」
「少しふらついてしまって、ミネルバ様が休息をとれと……」
「……ボクのせいだね」
「違いますよ。 私自身が原因です」
「ねぇ、ドア壊しても良い?」
「それは流石に怒られますね。 私をさらって逃げますか?」
「ミネルバが悪い奴ならね。 フフッ」
「ならできませんね」
「座って。 ミネルバ帰ってくるまでしゃべろ」
「はい」
いつも言葉は交わしてるのに会話は尽きない。
楽しい話から、寂しい話まで、こうやってゆっくり話すのは久しぶり。
ほんとにボクはタキナを大切にしてなかった。
涙声が交じるボクをタキナはさり気なく優しく気遣ってくれる。
いつだってそう。
彼女はボクに優しい。
「ごめん……。ご……めん……ね」
「だいじょうぶですよ。 ずうっと傍にいますよ」
………………
「ミネルバごめん。 ボク、間違ってた。 タキナを大切に出来てなかった。 ごめんなさい。」
「…………。 ふぅ、あたしは許さない。 これからもずっと……。」
「ごめん……」
「タキナの優しさに甘えてちゃだめよ。 自分を心配してくれる人の事ももっと考えなさい。 わかった?」
「うん、わかった」
「よしよし……」
彼女がボクを優しく抱く。
「あたしもキツイ事行ってごめんね。」
「ミネルバは悪くないよ。 ごめん」
ぎゅっとしてから彼女が離れる。
他所行きの顔なのに優しくてかわいいほほえみ。
彼女の想いが伝わってきてまた涙がこぼれる。
「ご飯まだでしょ。 二人で行っておいで」
「タキナ、もう出てもいいの?」
「当たり前でしょ。 ばか」
「ありがとう。 ねぇ、お風呂二人だけで入りたいんだけど……、いいかな?」
「はいはい、好きにしなさい。 終わったら呼ぶわよ」
「ありがと、ミネルバ」
その後パウラからは緩いビンタと抱擁を、カティアからデコピンと抱擁、迷ったカトレアから頬ちゅうと抱擁を受けた。
ありがと。
ありがとう。
ミネルバの部屋から出てきたタキナの瞼は赤くなってた。
タキナがかわいい。かわいい……。かわいい……。………………。
「タキナ、ごめんね……」
「はい」
彼女を抱き寄せて、自然と唇を重ねる。
我慢で……、痛っ。
ミネルバに頭を叩かれた。
「後にしなさいっ!」
「ごめんなさい」
廊下で手をつなぎにいっても抵抗はない。
夕食をとってお風呂に。
移動中もずっと手はつないだまま。
タキナの手、小さくて柔らかい。
嬉しくなって、頬にキスする。
すれ違ったビルドが呆れてるけど気にしない。
タキナはいつも遠慮するけど、今日からは髪も体も洗ってあげる事に決める。
でも、今日はそもそもの抵抗がなかった。
えへへ。
素直に嬉しい。
自室での夕食も、浴室も、ずっと二人きりの時間が続く。
顔が近づく度に唇を重ねる。
タキナからも重ねてくれる。
幸せ。
大好き、タキナ。
「大好きだよ。 タキナ」
「わたしも大好きです。 ユフィ様」
「様いらない」
「大好きです。 ユフィ……」
「愛してる……」
「愛してます……」
………………
「タキナ……。 えっと……、あのね……、その…………」
「何もありませんよ」
「ほんとに?」
「ほんとうです。 私の大切な人は、泣き虫でヤキモチ妬きなので」
「そっか。 えへへ」




