表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/182

ラスボスと剣技と魔技と

「ようし、君でさい……ご……、はは。 おいおい、きみ……、なにもんだぁ? 戦いたくねぇー」

「それは、困ります。 こちらにも都合がありますからぁ。 で、少しお願いがありましてぇ…………」

 

 ボクとの打ち合いは真剣で行う事、ボクが合わせるから全力で打ち込んでくる事。

 ケンハマカーもボクに恐怖を感じてるそうで、申し出を承知してくれた。

 でも話をできる距離まで近づけたので、ボクへの恐怖は強さで克服できるのかもしれないね。


 アイテムボックスから、切れ味は悪いけど丈夫なだけの剣を出して渡す。

 ざわめきが起こるが、中には誹謗も少なくない。


「ちょっと、平民。 ここでそんな事までして目立たなくてもいいんじゃありませんの? もし何かあったら、こちらの気分が悪くなってしまいますので、おやめになっていただきたいのですが?」

「大丈夫だよ、エレノア。 ボク強いから」

「平民が愛称で呼ぶなど不敬でしてよ。 怪我して後悔しても知りません事よ」

「ふふふ、先生お願いします」

 

 距離をとって、抜剣して向かい合う。 

 今回は、ボクの力を見せつける事が目的。

 手段は、剣技の完全模倣。


 キンッキン、ギャン、ギャーン。

 ケンハマカーの動くに合わせて、同じ動きで的確に剣を弾いていく。

 揶揄や誹謗も彼の剣速が上がるにつれて消えていく。

 彼にもプライドがある。 様子見は終わって、完全に本気だ。

 半分以上の生徒が剣筋も見えてないと思けど、いい顔つきになってるのもいる。


 間合いが生じた瞬間に、彼は空気の刃を打ち出す。

 剣を音速に近い早さで振る事により、真空の刃を生じさせるソニックブレードだ。 ()()()()()()()本人が驚いた顔をしている。

 確かにやりすぎ。

 ソニックブレードは範囲攻撃だしミンチになっちゃう。

 ので、これもきっちり同じ様に打ち返して、対消滅させて終了。


「ありがとうございました」

「はぁ、はぁ。 涼しい顔しやがって、もう絶対にやらん」


 パチパチパチ…………。


「貴族家に拾われるだけの強さはお持ちでしたのね、この場で謝罪いたしますわ」

「おでぇさばぁーーーー。 危ない事はおやめくださいーー」

「ア、アレクシア様っ?! 平民にそれはっ、いくらなんでもっ。 お控えくださいーー」


 抱きつくアレクシアを引っ張るエレノア。

 アレクシアをエレノアが引っ張って、エレノアを、クロエが引っ張って、クロエをエリナリーゼ様が引っ張って…………、それでもユフィは抜けません(妄想)。


「ほらほら、品がないのでいけませんわよ」

「平民に言われたくないですわっ!」


 クシシ。



 休憩を挟んで魔技査定に移る。

 担当教師はマジナ・イズキ。

 こちらも30代に見える色気たっぷりの美人さん。

 大きな膨らみが目立つニットにタイトなスカート、白衣に細い眼鏡で完全武装だ(だから、中世どこいったぁぁぁ)。

 もう、男子諸君の目は釘付けだ。

 あー、そうですか。 そーだと思った。


 でも、魔法防御が高い上に、釘付けになる時点で、精神系魔法なら成功したも同然なんだと。



 魔技査定は、単純に得意な魔法を放つだけ。

 魔法に媒体や被験者が必要な場合は要相談である。


 マジナが、どこから出したか椅子に座って足を組む。

 男子諸君と一部の女子まで赤くなってる。

 チャームかけたら100%だねぇ。

 ん? 精神魔法耐性測ってる?

 そんな目でボクに魅了をかけるのはやめてもらっていいですか?

 

 

 魔技査定で目立ったのは、エリナリーゼ様にエレノア、ルッツ、剣技でも目立ってたキャゼルヌとアイシャ。それと一般生徒のロレッタ。

 逆の意味で目立ったのはアクセルだ。君、勉強してた? 貴族の教養なんだけんども?


 ボクの番だねぇ。あまり考えてなかったんだけど、アイシャが面白い目で見てくるのでお返ししとこうか。


 彼女が放ったのはマジックアローだ。

 まっすぐ前ではなく、数十の矢が空から降り注ぐように。

 一本がボクの真上に落ちてきたのは偶然かな? と、思ってたんだけどねぇ。

 ちなみにその矢には反応しなかったんだけど、マジナ先生が弾いてくれた。


 息を吐きながら右手を天に掲げる。

 魔力収束。スペル構築。

 手から腕にかけて構成陣が螺旋に光る。


「全ての敵を天上より穿て。 マジックアロー天降弓……リリース」


 手から発した魔力は空に昇り、修練場全体に何百と降り注ぎ地面に穴を空けていく。

 うち一本は、彼女の鼻先に落としたのに、避ける事も瞬きする事もなく目をギラギラさせて獰猛な笑みを浮かべている。


 ちなみにボクの魔法は予備動作も呪文詠唱もほんとは必要ない。

 イメージをより強くするのには良いよね程度。

 でも自分の気分が上がると魔法の威力も上がるのは確かで、中二病を刺激する様な仕草ほど効果が上がる事に恥ずかしさを覚える。


 手や指の動きで表現する事が多いけど、一番好きなのは指鳴らしだね。

 どこかの大佐みたいで萌えるでしょ。

 

作品を読んで頂いてありがとうございます。

面白いと感じてもらえたら、いいね、ブックマーク、☆評価お願いします。


至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります。

作品は今後も加筆、修正あります。

投稿は不定期です。


先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね。

一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです。

本編の執筆が忙しく更新は止まっております


https://ncode.syosetu.com/n2673im/


カスタムキャストでイメージを作ってみました。


※画像はイメージであり、実際のものとは異なります。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ