二人のこれからに祝福を
ミネルバの自室の前では、三人娘やメイドさん達みんなに囲まれて祝福や激励を受けて、タキナがもみくちゃにされている。
みんな仲が良いなぁ。
ポカッ!
「いたっ」
「お前、なんて顔してやがるっ。」
「パウラさん」
気は抜いてるけど、ボクに不意打ちを与えるなんて。
急に隣に現れたのは三人娘の最年長のパウラだ。
さっきまでタキナをもみくちゃにしてたはずなんだけど、動きがわからなかった。
顔色を変えずにニコニコしてるかわいい人だと思ってたけど、綺麗な顔に切れ長の鋭い目付き、無造作に伸ばしたままの緑色の髪で逆に野生的な魅力が引き立っている。
「どうせ自分がタキナのパートナーにふさわしいのか? とか、考えてんだろっ。」
「わかりますか?」
「顔に書いてあるよっ。 びびってんじゃねーぞ。 タキナをナメるな。 変な奴に靡くような女じゃねーよ。 お前一番強いんだろっ? なら誰に後ろ指指されようと、堂々と掻っ攫って行けばいーだろーがよっ」
「パウラさんって、もっとおっとりした人かと思ってました」
「あぁ? まだまだ人を見る目がねーなー。 お姉さんがもっとシゴイてやろーかぁー?」
パウラが舌で唇を濡らしながら、ボクの顎を指で引き寄せる。
おぉ、危機探知がしっかり仕事してるっ。
スパーンっ!
あっ、ハリセン。
「まったく、二人で何をしてるですかぁ?」
「いや……なに、教育的指導をだなぁ……」
「お姉様がタキナのパートナーを襲ってる様にしか見えないですっ。」
ハリセンを手に持っているのは、小柄で愛らしい、ピンクの髪の清純派美少女のカトレアだ。
静には悪いが魔法少女に変身する役は彼女一択になる。
いや、白と黒ならアリか?
ちなみに、ほんとの姉妹じゃないけどパウラ、カティアのレッドグラント家に入ってるのでやっぱり三姉妹だった。
あーほっとするぅ。
騒ぐからみんな集まってきてボクまで一緒にもみくちゃだよぅ。
アニメなら顔中キスマークだらけになるやつだ。
ほんっとみんな仲が良い。
後ろのトビラの隙間から仲間外れがブツブツ言ってるのは見なかった事にしよう。




