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美人と湯船と貴族区と

 今日はミネルバ様に会いに第二騎士団の本部に向かう日。

 約束は昼すぎだけど本部は貴族区にあるから、早い時間に熊の居眠り亭を出た。

 貴族区に入るには時間かかるんだよね。


 朝の街を眺めながら第一城壁へと歩いていく。

 だんだんと学生服が増えてきた。ゲームのセカイ感なので男子生徒はブレザーに女子生徒の服はとても可愛いミニスカートにブラウスとブレザーだ。

 中世はどこにいった?


 この辺りまで来ると上質な服装の人が多くて、私みたいにフードを深く被った冒険者風の人間は少ないから、騎士団員に声をかけられる事も少なくない。


 この城壁前にも広場がある。

 貴族区に近い事もあってちょっとお高いお店が並んでいて、走っている馬車も豪華な外装の二頭引きが多い。

 露店とかは出てなくて、広くて綺麗な印象を受ける町並みなんだよ。


 城壁前広場の西側には「ドキLOVE」のメイン舞台になる王立学院がある。

 こっちは一般区側だからどちらかと言うと地味な側なんだけど、それでもとても立派な建物。

 第一城壁を跨いで建ってて北側が貴族側で南側が一般入口になっている。

 学院に通えるのは本当に優秀な子供だけで寮完備、学費無料、食費無料、衣類支給で卒業後は国のエリート官僚になれるコースだ。


 第一城壁のゲートは貴族用、商人用、一般用の三つで冒険者に対する優遇はないけど貴族区に行く平民は多くないから並んでいるのは商人用ゲートだけだ。


 受付でビッテンフェルト家の家紋が付いた許可証を渡すと、氏名、職業、行き先を聴かれて待合室に案内される。

 待合室はそれなりの広さがあって、今は20人ほどがいるけど全然狭くはない。

 担当官が訪問先に確認をとってから許可が出るので、仮に一番奥の貴族邸だと半日以上かかる事もあるのだとか。


 端っこの離れた椅子に腰掛けたんだけど、他国の商人っぽい男性が隣にきて話し掛けてくる。

 顔は伏せたままで反応してやらない。

 公の場では他国の人間とはなるべく話をしないほうがいい、あらぬ疑いをかけられる事があるからね。

 なのにわざわざ近づいてきてフードまで覗き込もうとする。


 熱湯の湯ぶねに沈めて木の板で混ぜてやろうと思った時、待合室に紺色の髪のとても綺麗な女性が姿を見せた。

 ドラゴンの紋章がついた白い鎧に身を包んだ姿にぱっと待合室が明るくなった感じがして全員の視線を掻っ攫っていく。


「……ユフィ様は、いらっしゃいますか……?」


 立ち上がって小さく手をあげる。


「……お待たせいたしました……。ご案内いたします……。そちらの湯ぶね? は……?」

「なんでもないです」



 貴族区に入ると広くまっすぐな道の先に王城の入り口が見えている。

 貴族区側には広場は無くて両側とも真っ白な壁が建っている。

 東側が第一騎士団、西側が第二騎士団の本部だ。

 少し歩くと両側に門があって、どちらもおなじ形の豪華な高さのある門構えで統一されていて上品さと格好良さがあり、第一騎士団は薔薇、第二騎士団はドラゴンの紋章がそれぞれ描かれている。


作品を読んで頂いてありがとうございます。

面白いと感じてもらえたら、いいね、ブックマーク、☆評価お願いします。


至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります。

作品は今後も加筆、修正あります。

投稿は不定期です。


先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね。

一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです。

本編の執筆が忙しく更新は止まっております


https://ncode.syosetu.com/n2673im/


カスタムキャストでイメージを作ってみました。


※画像はイメージであり、実際のものとは異なります。

挿絵(By みてみん)

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