王女と愉快な仲間たち
人の多い下町の広場を人目も気にせずに堂々と楽しそうに歩いてくる六人組。
五人のイケ顔たちに囲まれた真ん中で、金色の髪をなびかせてキラキラ輝いて見える美少女はアレクシア・ティア・ファーレンハイト・ヴァーシャ。乙女ゲーム『ドキドキLovers ~お姫様だって自由恋愛したいんだからっ~』の主人公。この国の継承権第三位の王女でボクの双子の妹だよ。たぶん初めて自分たちだけで下町に出て買い物をするイベントのはずで、とても楽しそう。はぁ、やっぱりいいなぁ。ちょー、かわいい。顔はよく似ていると言えば似ているんだけど、アレクシアの目はくりっとした優しい印象で、胸がボクより(少しだけ)大きい。ボクは桜っぽい髪色だし、ちょっと目つきが(少しだけだよ、少しだけ)悪い。切れ長、切れ長!!ボクの方が小柄なのは、ユフィーリアが死亡して力を得るまで良い食事を与えられていなかったからだろう。 あっ!? ユフィーリアってゲームでは美人でそれなりに胸もあったのに、なぜだっ? もう少しボリュームがあってもいいはずだっ。ボクは倒れ込みそうになるのを必死に堪えるのだ。まだだ、まだ終わらんよっ。まだ成長期だからっ!!
ボクがラスボス王女ユフィーリアとしてアレクシアやこの国に思うことは特にない。悪いのは乳母とメイドだし。ユフィーリアになった時に彼女の記憶が流れ込んできた。何もない寂しい記憶。ただ、幸か不幸か彼女には感情がなかった。生まれなかったのか? 消えてしまったのか? ただ生きているだけだった。ラスボス王女としての怒りや憎しみは女神カラミティが与えたものだからね。ボクに影響がなくて良かったし、カラミティが与えた力のおかげでゆる~い生活ができているのはありがたい限り。とりあえず感謝をこめて手を合わせておこう。
周りを固めているのは攻略対象たち。隣で距離が近いのは、銀色の髪に茶褐色の肌、赤い瞳が神秘的な雰囲気のシルク・レース。彼は東方の遊牧民族の王子で悪役? だ。兄弟が多いらしく、アレクシアを政治の道具としてしか見てない。結婚して王族に入るつもり満々だから積極的で距離が近い。男前で頼りがいがあるんだけど、自己顕示欲からすぐに戦争ルートにもっていく嫌なキャラ。だけどアレクシアに本気になって優しくなるルートも当然ある。キツめのセリフが多いんだけど、本気になるとツンデレでかわいい感じのギャップ萌え設定になるのはポイントが高い。
長い赤い髪の上品ヤンキー風に見えるのはアクセル・ビッテンフェルト・ヴァーシャ。脳筋。のーきん!! ビッテンフェルトなんて名前のやつはみんな脳筋だ。うん、知ってた。良い体してて顔が良くても好戦的で気が短くてガキで、こいつはない。まじ、ない。フリじゃなくて、ない。
青い髪で眼鏡をかけたクールな印象の優男はルッツ・コルネアス・ファルナ。王国騎士団長の息子。優しくて冷静、頭も良くて気遣いもできるヤツ。剣、魔法、共に上達が早くて、なかなかの有望株に見えるのだけど、自分の価値観や正義感がはっきりしていて、頭が堅くて超世間知らずのお坊ちゃま。しっかりと自分を持ってるのは良いんだけど、まぁー、曲げない、譲らない。冷静で気持ちを前面に出さない奥手な感じだから、些細な言葉を拾って固まった考えをほぐしていくように言葉を選んでいかないと好感度が上がらない繊細なキャラ。
細くて小柄、かわいい感じでブラウン髪のキャメラル・マキアータ。甘くて美味しそうだけど、このセカイにそんな物はないのでそんなことはない。短めの髪にあどけなさの残る童顔で実に可愛い弟タイプだ。王家御用達の大商家の息子で、ゲーム中盤以降は政治ルートではなく商家ルートに入ってくれるからハッピーエンドに進めやすい甘口キャラ。うん、そんなことあったね。攻略対象の中では柔らかくて要領が良い。話していて安らげるタイプなんだけど、身分的には低いので控えめで意見をはっきり言えないことが多いからグイグイ引っ張っていってあげないといけない。
最後はエリック(エリナリーゼ)・ヴィオレッタ・フィーネ様。素敵。ちょー素敵な男装の麗人なのだ。彼女は王弟の娘なんだけど、男児が生まれなかったから父親の望みで男性として扱われている。王族特有の金色の長い髪を後ろでまとめて、とてもスマートでカッコイイ。父親の死去後は女性の服装に戻して、ゴージャスな縦巻きロールでものすごい美人さん。女性キャラだけどドキLOVEでダントツの一番人気。ボクもエリナリーゼ様一択しかない。とにかく優しくて常にアレクシアを気にかけてくれるから居心地が良いんだけど、恋愛対象になるために手間と時間がかかる高難易度キャラなのだ。
それぞれの服装は、大商家の子息たちって感じでキレイすぎるけど、街で見かけないわけじゃないくらい。一応合格だよ、一応。だけどとにかく目立つ。ゴージャスなブロンドに碧眼は王族の特徴だよね? 知ってるよね? 攻略対象たちもムダに超イケ顔揃いなのだ。派手よ、輝いてるよ、キラキラしてるよ。そしてなかなかに有名人。この人混みの中でもけっこうな数の人たちが正体をわかって見物しているのだろう。お前ら護衛はどうしたの? いないね? いませんね。うん、知ってた。これは学園入学前のイベントの一つで、お忍びで街に出かけたいというアレクシア。そこに同行しようという五人なのだけど、自分たちがいるから護衛はいらないと言い出した。周囲は反対したが一応有力者たちなので押し切られた感じだ。さすがにイベントの細かい内容や日時をすべて覚えてるわけじゃないけど、これはダメなルートなんだよなぁ。護衛を断ったくせになんで無警戒に楽しく歩いてるかな? いや、攻略イベントなんだから楽しくて当たり前だよなぁ。
作品を読んで頂いてありがとうございます。
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至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります。
作品は今後も加筆、修正あります。
投稿は不定期です。
先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね。
一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです。
本編の執筆が忙しく更新は止まっております
https://ncode.syosetu.com/n2673im/
カスタムキャストでイメージを作ってみました。
この二人はなかなか良いかなっと思ってます。
※画像はイメージであり、実際のものとは異なります。




