交わる想いは止まる事なく
「フリルぅ」
「なぁに? ユフィ」
「フリルぅ」
「ん?」
また、フリルを抱きしめて感触を確かめる。
「へへへ」
「相変わらず、甘えただね」
「安心する」
「今日は仕事は?」
「うーん。 その……ね。 タキナさんが代わってくれたんだよね」
「タキナがぁ?」
「うん。 昨日、ギルドに来てさ。 仕事覚えるからって。 で、一日で覚えちゃって、今日からはビッテンフェルト家にって」
「そっか」
「私、ギルド辞めたの。 ここに見習いとしておかせてもらう事になった」
「えっ、でも……」
「ユフィと一緒にいたいから。 ネネもいいって」
「ほんとに……?」
「うん。 ほんと」
「嬉しい……、でも見習いじゃなくていい。 ミネルバに言うよ」
「ダメだよ、本気にならないと。 礼儀作法も足りないし、強くならないとユフィと一緒にいられないから」
「えー、教えてあげるし、十分だよぅ」
「ユフィに習ったら甘えちゃうから」
「そっか……。うん、そだね」
「あとね……、クーンさんがダメだって……」
「なんで?」
「ユフィは、ずっと求めてくるから……だって」
「いや、ないよ……。 ないよ……」
「なんで二回言うの?」
「ない……」
ボクを伺う彼女の瞳と唇はとても魅力的で……。自然に吸い寄せられる。
「訳ない……」
………………
なく訳ないに決まってる。好きなんだからしょうがない。
フリルはキレイで白く透き通ってて魅力的。このセカイに来てからずっと一緒にいたんだ。ずっと好きだったんだ。ずっと支えてくれてたんだ。彼女がいなかったら今はなかった。
「ありがとう。 フリル」
「?」
「ありがと」
ありがとう、フリル。ありがとう、タキナ。ボク、もらってばかりで、ずっと守られてるんだなぁ。
お風呂に行ったらボクが全部洗ってあげる。まえからそれは変わらないけどやっぱり違う。
「これからはユフィに洗ってもらってちゃダメだね」
「やだ」
憧れてるだけで我慢してた時とは違う。キレイにした首筋に唇をつけて、また丁寧に汚していく。
………………
「はぁ……」
「どうしたの?」
「お風呂に入れて、朝食をとらせる様に言われてたんだけど……」
「お昼もとうに過ぎてるねー。 へへへ」
「もう。 なんでお風呂でまでするかなぁ。 クーンさんに止められる訳だね。 ……タキナさんとも?」
「うーー……、うん」
「はぁ。 我慢してたのがバカみたいだね。 もっと早く捕まえてたら……、色々変わったのかな……」
「タキナの事……、嫌だよね」
「嫌じゃないよ。 一人でユフィを待ってるだけの淋しい夜も無かったのになぁって。 それに、嫉妬したのはほんとだけど、タキナさんの事は大好きだよ」
「何かあった?」
「ふふふ。 別に何もないよ。 ユフィがいない間、毎日の様に会いに来てくれて、たくさんお話しただけ」
「えー、仲間外れだぁ」
「ほったらかしにするユフィが悪いんだよ。 ずっと、ずぅっと待ってたんだからね」
「ごめん」
「ふふっ。 大切な人が二人も一緒にできるなんて幸せ」
「ありがと。 うん、ありがと」




