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かわいい私様

「なんじゃ、貴様は。 つまらんのぅ。 そこは入ってくるのがお約束じゃろうが」


 ………………。

 空間が代わってる。

 部屋の中からいつの間にか屋外になったし、空と周りは真っ黒けで何も見えない。

 キングとフェイクもいないっと。

 別の空間に引きずり込まれたかな?

 

「いったい、どこのどちら様でしょうか?」

「人に名を尋ねるなら、そちらから名乗るが礼儀であろう?」

「勝手に連れ込んでおいてそれですかぁ?」

「ふむ、それもそうかのぅ」

「私様の名前はしずかじゃ。御前様と呼ぶを許そうぞ」


 静? ねっ。

 静と名乗った女性は年齢的には少し下だろうか? 高校生? 中学生くらいかな?

 長いきれいな黒髪に黒い瞳で、かわいいと言うよりは幼さの残る美人って感じ、和装に身を包んで、口元を扇子で隠してる。


「ボクはユフィ、冒険者だね。で、しずさんはこんなところにボクを連れ込んで、なにをするつもりなのかな?」

「……まぁ、よい。 喜ぶがよい。 そなたの体は、私様が依り代として使ってやる事にしたからのぅ。 その美しさ、強さ、魔力、どこを見ても一級品。 これまで出逢うた中で最上じゃあ。 大切に使うてやるから安心して差し出すがよいぞ」


 美しい。あぁ、ボク美しい。

 同性から言われるとすごく嬉しいよね。

 個人的には、かわいいって言われる方が好きなんだけどなぁ。

 

「それはどうも、ありがとうございます。で、ボクの体を使って何をするのかな?」

「まずは、フィーネが創ったこのセカイを滅ぼしてやろうかの。 その後に私様が新しいセカイを創造するのじゃ」

「それは、ちょっと困るかなぁ。 このセカイが大事とか、そこにいる生命が尊い、とか言うつもりはないんだけど、ボクが大切な人達には幸せになってもらいたいからね」

「人は僅かな時間しか生きぬというのに、小さい事にこだわるのぅ」

「その僅かな時間だからこそだよ。 良い事も悪い事も全てがとても大切なんだよ」

「ならば私様を止めるしかないのぅ」


 私様、静が口元を隠していた扇子を閉じると、静の体の周りに無数の黒剣が浮かぶ。

 

「伏して、後悔するがよいぞ」


 静の扇子の動きに合わせて黒剣がボクに飛来する。

 おぉ、これはなかなか。

 ステップでの回避……じゃ辛いか。

 どこかのお館様をイメージしてもっと細かく、もっと繊細に、もっと速く、流れる水の様に。飛んでくる黒剣をスルスルと流していく。


「ふむ、やるではないか。 それでこそ私様の依代ふさわしいのじゃ」

 

 剣の速さがどんどん速くなって行く。単調な攻撃でまだ余裕はあるけど、数が多いから剣の間合いまで近づくのは難しい。

 これ、いつまで続くかなぁ?

 とりあえず。


「焼き払えっ! ファイアーボール……連」


 指を鳴らし構成陣を展開させてガトリングの様に炎弾を打ち出すけど、これは彼女の黒剣が一つ一つ丁寧に処理していく。

 いいねっ。


「マルチキャストっ! ファイアーボール……連」


 時間区切りで構成陣を増やしていく。

 十ほど同時発動の処で彼女の目尻が動く。黒剣が更に数を増やし攻撃と防御に分かれる。

 防御にまわる側は彼女の前面に広く展開して炎弾を処理していく。

 まだまだいけそうだねぇ。


 ………………。


 しばらくの後、扇子の動きと共に飛び回ってた黒剣が静の後ろに整列していく。


「お主の強さはよう分かった。 が、そろそろ仕舞いにしようかの」


 静が扇子を頭上にかざすと整列していた剣が次々に分身して、ボクと静の周囲をぐるりと囲う様に増えていく。


「……貫け。 千本桜」


 扇子の合図で剣が殺到する。

 周りが見えなくなるほどの、全方位からの同時攻撃で逃げ場は無い。

 さすがは千本桜。

 きれいだね。

作品を読んで頂いてありがとうございます。

面白いと感じてもらえたら、いいね、ブックマーク、☆評価お願いします。


至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります。

作品は今後も加筆、修正あります。

投稿は不定期です。


先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね。

一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです。

本編の執筆が忙しく更新は止まっております


https://ncode.syosetu.com/n2673im/


カスタムキャストでイメージを作ってみました。

この静はちょっと削除ですね。


※画像はイメージであり、実際のものとは異なります。

挿絵(By みてみん)

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