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あなたは……、悪魔ですか……

「おーい。 聞いていらっしゃいますかぁー? 呼ぶから来てやったんだろうがっ」


 へんじがない。が、ただのしかばねではない。


 unknownに着替えてシャレードを回収したら、シャルマンペイとマンパエルが見える場所まで移動。

 二つの距離はほとんど離れてなくて、大きさはマンパエルの方が大きい。

 二つ並べて要る? 一つにした方が効率良くない?

 シャルマンペイを潰してやろうかと来たけど、執政施設だろうが軍事施設だろうが、そこで働く人はいる訳で。

 ライトエフェクトとサウンドエフェクトで呼びかけて一時間。シャルマンペイの城壁に登って城のてっぺん吹き飛ばして一時間。


「ねぇー。 殺すとか言ってないじゃん。 もう、誰かが王さん差し出してくれてもいーからさー」


「えー、町の人に警告します。 夜明けと共に二つの都市は消滅致しますので、今のうちに逃げて下さいねー」


 まー、消滅は無理だけどね(たぶん)。試した事すらない魔法がいくつか……いや、けっこうあるけどさすがに魔力足りないよなー、みたいな。足りないよね?

 足りなかったら、魔法未発動に魔力欠乏なんて最悪の状況になる。魔力欠乏は、ジュノーシュツルムのお陰で慣れたけどね。

 防御結界には入れてるから、ミサイルだけで半壊には出来る。


 あら、逃げる人はいるけど門が開けてもらえないのか。

 仕方ないから門を開けて廻る。


「開けるか? 死ぬか? 王を差し出すか? どする?」


 大人しく開けるなら見逃すけど一般人にまで手を出してる兵士は即刻処分する。

 夜明けまでに退避は無理だなぁ。



 おりょ? 壁の上が明るい。誰かきてんじゃん。

 壁の上は兵士でいっぱい。

 ボクの事知らずに来たの? 一瞬で終わるよ? 

 兵士に、騎士服の綺麗な女性とメイドさん。だから、メイドさん連れてくんじゃねーわ。このセカイの設定か? 天然か? 欧米か? いてっ。

 ボクが姿を見せると同時に兵士達は抜剣して構える。

 はぁ。


「ねぇ、君は何をしに来たの? 剣を抜いても良いのは、斬られる覚悟のある者だけって知ってる?  兵達に抜かせた時点で首が飛んでも文句言えないよ」

「私の……、シャルマンの騎士があなたの様な悪人には負けるはずがありません」


 などとおっしゃってますが、後ろの兵士達の意見は違いそうなのだけど?


「おい、教育係っ!」


 隣のメイドさんの目が一瞬泳いだ。


「後でお説教ね」

「何を言って……」

「一回だけサービスしてあげる。 後ろ、来いよ。 情けないと彼女の首が飛ぶよ」


 よしっ、ちょっとは良い顔になったね。

 ゆっくり、ひらを上に構えた右手をちょいちょいして煽る。

 一般兵は問題じゃない。剣の腹を指や手でちょんと逸らして蹴りや掌底で落としていく。

 腕の良い剣士、騎士は良いね。好きだよ。

 避けは最小の動きで、手甲や防壁で弾いて肌が触れ合うほど密着する。

 unknownマスクだから、まったくサービスは無い。

 ボクサーは拳一つの隙間があれば人が壊せる。ボクはゼロ距離でも人が殺せる。

 ドンッ。

 うっはぁー、気持ちいいー。

 良い音と共に騎士が後ろに吹き飛ぶ。

 体のバネを一気に震わせて衝撃を拳や肩に集める。普通に言えばボディソニック。優しく言えばボディタッチ? また考えとこ。

 これはゼロレンジ、ゼロタイムだから、魔装機持ちでも防壁の展開は難しいんだよ。

 ドッドッドッドッ。

 突然現れる炎魔法。何発かが逸れて女性達に飛んでいくのを、指を鳴らして打ち消しておく。

 大丈夫だろうけど、護衛対象に当たったらどうすんのさ? 苦し紛れに撃つんじゃないっ。ボククラスの人間の防壁が抜ける訳ないでしょうがっ。

 純粋な格闘家とか拳法家なんてのがいたら、そうでもないのかな?

 ボク、剣技も好きだけど、実は無手の方が好みなんだよ。

 制圧に十分はかからなかったね。

 うん。楽しかったよ。

 


「フフフフ、まだまだだね」

「そんな……」

「君が正義で私が悪だとしても、必ず正義が勝つとは限らない。 それに君は私の事知らないのか?」

「あなた……、私の物になりませんか?」

「ならないな。 もうお姫様キャラは十分……こほんっ。 私はシャルマンの敵なんだけど?」

「あなたが敵だと言うなら尚更でございます。 なにが望みですか? 必ずや希望に沿う様に準備致します」

「はぁ」


 彼女はシャルマン国第二王女ウェイアール・ケホル・デ・シャルマン。

 褐色の肌にシルバーのロングストレート。騎士服でもわかるスタイルの良さで、ショッピングモールを歩いてたらみんなの視線を掻っ攫っていく事間違いなし。


 彼女はボクの事は知らなかったし、今の国の状況についても偏っていて、ジュノーとの事も知らなかった。

 ボクは国家転覆を企むテロリストで、町を消滅させる様な力なんて無いとゆう程度の認識。

 父親達が誰も動かないから、悪者を取り押さえに来たそうだ。 

 へー、へー、悪者でございますよっ。


 ウェイの教育係のメイドのフィー(貴族子女で長ったらしい名前だから覚えられなかった)の話によれば、王族に与えられる情報は限られていて、執政は事実上元老院が取り仕切っている。

 今の事態に対しての議論は行われていると思われるけど、そもそも差し向ける戦力が少なくなっているし責任のなすり合いになっているのでは? との事。

 まぁ、ついさっきボコったとこだしぃー。めんどくさいな、どうしよう?

 

「元老院の首を頂けたら撤収致しますが?」

「できません。 これまで国を守ってきた方々です。 居てもらわなければ、国が立ち行かなくなります」

「それが間違っていると言っている。 出来ないなら、その努力を。 でなければこの国を滅ぼします」

「そんな事出来る訳が……」

「では、宣言通りにこの都市を破壊してご覧に入れましょう。 返答はその後でけっこうです」

「あなたは……、悪魔ですか……」

「時間はやると言っている。 足掻けよ、ニンゲン」

「わかりました……」

「夕方まで、ここで待つ。 それまでに一般人はマンパエルに移しておけ」

「はい……」


 全てを無感情に言い放つ。

 もう気は晴れてるけど、中途半端は犬も食わないしね。

 犬ってなんだ?

作品を読んで頂いてありがとうございます。

面白いと感じてもらえたら、いいね、ブックマーク、☆評価お願いします。


至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります。

作品は今後も加筆、修正あります。

投稿は不定期です。


先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね。

一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです。

本編の執筆が忙しく更新は止まっております


https://ncode.syosetu.com/n2673im/


カスタムキャストでイメージを作ってみました。


※画像はイメージであり、実際のものとは異なります。

挿絵(By みてみん)

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