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つまんない仕事させるね

 何人かの兵士に声はかけられたけど、アイネさんの対応で問題無くクリア。騎士の家族は奉仕の義務から除外されてる。

 スムーズにアンと合流出来て、先ずは一安心。


 気配探知……出来ない? 阻害されてる? 魔力探知……も? 危機感知には反応はないから、何か魔法を受けてる感じじゃないけど、そーゆぅ結界?

 

「アン……。 気配と魔力がわからないんだけど、そんな結界とかある?」 

「……ごめん。 そんな事出来ないからわからない」

「そっか。 向こうの様子がわかんないから、何かあったらボクがなんとかするから、まっすぐネスタフェに向かってね」


 頷く彼女にボクの身分証を渡しておく。


「じゃ、行こうか。 アネハちゃん、また後でね」

「うん」

 

 短距離転移で少し離れてから、また担いで走るつもりだけど、アネハちゃんには先に眠ってもらう。もう眠たそうだったしね。

 ちなみに、眠っている方が魔法抵抗力が下がって魔法をかけやすかったりもする。ちょっとだけどね。別にそれが狙いじゃないからね。

 二人と頷き合って、テレポート……リリース。


!!

なに……これ……?

頭がガンガンと痛む。気持ち悪い。魔力欠乏?

壁は越えたけど、予定距離の半分も移動してない。それに、暗い。夜目が利いてない。


「アン……」

「ごめん……ユフィ。 食事に「嘆きの石の粉」が入ってたの」

「よく持ってたね。 そうだよね。 ボクが憎いよね……。仕方ないかぁ」

「違うよ、そんな事ない。 転生者だとかそんな事関係なくユフィは良い奴で……。 割り切って許そうと思ってた。 でも帰った時点でもう見つかってて。 ユフィを差し出したら、首輪も外して、私達を解放してくれるって……」

「そっか……、別にいいよ。 なら、早く離れて。 首輪はもう無いよ」

「えっ、なんで……」

「転移で外しといた。 ファーレンに行くならミネルバを頼って、ボクの後見だから」

「いや……。 ユフィと一緒に戦う。 ベンケイなら力になれる」

「二人連れたまま戦えないでしょうが」

「でも……でも……」

「足手まといだから、行って。 三人で幸せにねっ」


 ちゃんと見えないけど、敵が近付いてきてるのは普通にわかる。

 ベンケイの動きと同時に向こうが二手に分かれる。ほら……、解放する気なんてないじゃん。

 いこうか、オルトロス。さすがにユフィーリアの力無しでは生身じゃ戦えない。

 召喚と同時に発光魔法で周囲を照らす。

 ベンケイが側面に向かう敵に標的を定めてレーザーを使う動きのアンを止める。


「アン、ダメっ! レーザーはもっと引き付けてからっ。 通常砲戦、用意っ。 斉射後離脱っ」

「りょう」


 オルトロスの周りに十門の砲身とミサイルランチャーが浮かぶ。

 

「戦艦ユフィの火力、存分にお見せしますっ。 第一主砲、ふぁいあぁぁぁ」 

「ユフィ……余裕だなぁ」


 うはっ、避けるねっ。フォールディングガンはシャレードに、ミサイルはシャレードとベンケイの間に目眩ましと地面を穴だらけにする為にかなりの量をばら撒く。

 同時に敵さんからも砲弾が来るけど、ベンケイの装甲を抜けるほどじゃない……ん? 一発抜けた? こっちは防壁と周りにベイルを召喚して弾くけど、ベイル三枚突き抜けた弾がある。

 

「アン、大丈夫?」

「一発当たったけど大丈夫」

「後は任せなさいっ。 はい、離脱っ」

「わかった。 ちゃんと追いついて来てよね」

「頑張るよっ」


 照明魔法っ。

 あれか? やっぱり強いのが残ってるなー。シャレードカスタム? 肩の大口径砲に腕の二連装砲ってまんまフルアーマーガンダム。あの二連装砲はビームなのかな?

 うーん、ここからだと当たっても弾かれるわなぁ。

 紋章付きのシャレードもいるね。

 でもそれなりの数は中破以上とったし、ベンケイは追わせないっ。 

 第二主砲っファイエルっ。 ちゃんと準備はしてるからね。フォールディングガンと大口径カノンは多段式にしてそれなりに連射できるし、千手斬に防御の為のベイル召喚も用意済っ。

 でも、相手が速いっ。大口径カノンが躱される、躱される。

 しかも、カスタムの弾を防ぎ続けてたらベイルがなくなっちゃうよ。

 時折、全方位乱れ撃ちを混ぜて数を減らすけど、まだ半数くらいは残ってる。


 ヤバいな。当たらないし、間合いが縮まってきて剣撃が届き始めてる。

 遠距離じゃいずれ抜かれるし近接戦闘はボクが負ける。手数はともかく、魔力のない今のボクじゃ身体強化をかけた騎士の速さにはついていけない。

 近接戦闘に移ってカスタムの射撃は無くなったけど、剣撃が躱せない、当たらない。防壁とベイルで受け弾いて耐えるけど、完全に包囲されてる。


 もうダメ、限界……。ボクは頑張った。ベンケイに向かわせなかっただけでも十分だよね。


 ……はぁ、何を考えてるんだボクは。またミネルバに怒られるちゃうじゃん。美人は怒ると怖いんだから。

 タキナ……好き。愛してる。

 タキナに会いたい。抱きしめたい。唇を重ねたい……。

 タキナの笑顔が見たい。

 

 このまま終われるかっ。

 全砲門展開。射線を読ませない為に小口径の物まで全てをハリネズミの様に展開する。

 逃さない。


「全砲門、ファイエルっ」


 斉射後はミサイルの絨毯爆撃と発光魔法最大。

 何体やれたかな……? まぁ、いいや。

 目眩ましの間にオルトロスの召喚を解除。生身を晒して黒龍丸を取り出す。


「ごめん。 つまんない仕事させるね」 


 抜き去った黒龍丸の美しい刀身を自分の脇腹に当てて胴体を一気に深々と切り裂く。

作品を読んで頂いてありがとうございます。

面白いと感じてもらえたら、いいね、ブックマーク、☆評価お願いします。


至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります。

作品は今後も加筆、修正あります。

投稿は不定期です。


先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね。

一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです。

本編の執筆が忙しく更新は止まっております


https://ncode.syosetu.com/n2673im/


カスタムキャストでイメージを作ってみました。


※画像はイメージであり、実際のものとは異なります。

挿絵(By みてみん)

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