登場。 完璧美人のお姉様
騎士達が離れて円を描く様に並ぶ。
さすがは本職の騎士達、真剣な表情でまったく音がない。
距離を取って向かい合う。二人共自然体で構えはとらない。
フェイクの表情は変わらないし、視線が見えないからどんな攻撃をしてくるのか？ どこを狙ってくるのか？ 読めない。
沈黙が続く……何秒……何分？ 何時間かと思うほどの緊張の中で頭では何度も打ち合っている。
ザシュウッ。
動いたっ！！
狙いもタイミングも測れないから急に木刀が現れた様に思える。
切り上げっ、からの右薙。
体の捻りとバックステップで躱す。速いっ隙がない。
フェイクが少し足を開いて僅かにタメたっ。
突きがくる？
躱す？ 剣先が振れてる？ 速くはない。 ……いや、何かある。
ユフィーリアの感性が警告を発してる。
カッカッカッ！
見える剣先を全て弾く。
目があった？ わかりづらい。口は相変わらず笑ってるけど？
「参りました。僕の負けや」
「まだ反撃してないんですけどぉ？」
「今のを初見でくらわん奴はなかなかおらん。今日は君の勝ちや」
「ふーん。 今日は……ね？ ありがとうございました」
騎士達から拍手が贈られる。
そして手合わせを申し入れられる。
パードン？
まぁ、気分も良いので付き合いますか？ 追加料金を頂きますが？
フェイクを見ると頷いたので了承という事にしておこう。
「はい、整列、整列。 これ全てお勉強や。 しかも美人教師やなんてなかなかないからなー。 アームストロングっ！ お前は参考ならんから見学のみやっ！ ビョイトおまえもやっ！」
すっごい筋肉ムキムキマンと対照的な細っちょがつまみ出された。
びっじんっ、びっじんっ！
美人と言われて悪い気はしないね。
ってか全員とやるの？ そうですか。
でも、明らかな雰囲気を持った数人は、並ばずに椅子に腰掛けて見学するようだ。
……………………
基本的にはステップで躱して、数打受けて打ち込む。
騎士達の対応は早い。すぐに打ち込みに耐えてくるので徐々にスピードを上げていって、隙ができたら投げとばす。
騎士団は統一された動きのイメージだったけど、まったく違って個性豊かだった。
終わった騎士が座ってる人達の所に話しにいってる。組長格なのかな？
すっごい目つき悪い人がいて怖いんですけどぉー。
背が高くて痩せ型。フェイクみたいな細い目で口が薄ら笑ってるんだけど、明らかに視線が纏わりついてくる。
騎士達も後数人を残すのみ。終わりが見えて気合を入れ直した所で修練場の扉が開いた。
あっちゃー、長居しすぎたなぁ。
部屋に入って来たのは五人。
最初に入ってきたのは副団長ファシル。
次に軽装鎧姿の女性三人組。
そして次の人物の登場に修練場全ての視線が釘付けになる。
周りの全て吸い寄せる様な存在感。
赤の鎧に身を包み、優しさの中に妖しさと色気を見せる赤い瞳。瞳と同色の腰ほどまである艷やかな髪。歩き方にも漂う気品。
エグい。あまりにも素敵すぎて目が離せない。
第二騎士団団長 ミネルバ・ビッテンフェルト・フィーネ様。
ドキLOVE本編にはあまり登場しない、二次作品の主人公でこの国が誇るドラゴンナイトだ。
最後はファシルとルッツの父親。
鉄壁の二つ名を持つ、第三騎士団団長 デュラン・コルネアスだね。
若い。若すぎませんか？
眼鏡はないけど同じ青い髪色でファシルと兄弟にしか見えないんですけど。
くっ、くそっ。も、もしも、もしもコルネアス三人が同じ眼鏡をかけて並んで入ってきたら。
ボ、ボクは、耐えきれる自信がないっ。
作品を読んで頂いてありがとうございます。
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至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります。
作品は今後も加筆、修正あります。
投稿は不定期です。
先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね。
一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです。
本編の執筆が忙しく更新は止まっております
https://ncode.syosetu.com/n2673im/
カスタムキャストでイメージを作ってみました。
ユフィはイメージに合ってるのですが、ミネルバ様はなかなか……。
※画像はイメージであり、実際のものとは異なります。
