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これは趣味だねぇ

 防壁で防がなかったのは、死んだ様に見せかける為じゃないよ。

 あの状況で魔装機の防壁で防がないのは不自然だから、向こうが動けなくなると思ったから。

 敗走に見せかけて釣り上げるなんて作戦にはのってこないだろうから、逃げたか潜伏してるか判らない方が効果的だろなって。

 逃げるけどね。

 十分に戦力は削いでると思ってるけど、上位機体と出会えなかったのは心残りではあるよね。



「まぁけぇたぁ〜」

「負けた? お前が? どんな化け物だよ」

「まぁ、負けてはないけど、勝てなかった。 一対一なら勝つけどね」


 ネスタフェに戻ったら先ずはファーレンの船のアシェ達の所で報告。

 ミネルバとタキナからの手紙も受け取ってミネルバのからぁ〜。


 がはっ。

 心のダメージにその場に膝を付く。

 これは……呪いがかかっている。五枚に渡って怨嗟の念が綴ってある。

 よくもこれだけ酷い文面を思いつくものだ。

 シクシク。 他の一文くらいはあっても良いのでは?

 これは見なかった事にしよう。

 

 タキナぁ、タキナぁ〜。

 ぐ、ぐはぁ。

 あまりのダメージに崩れ落ちた。

 五枚に渡って小言が綴ってある。

 色々すいませんでした。

 まぁ、文末には心配と励ましの一文が入ってて涙が滲む。

 だぎだぁー。

 

「ぶっ……、これはひでぇーな」

「悪いのはボクだから仕方ない……」

「そうだな。お前が悪い」


 不意にアシェが包んでくれて胸が跳ねる。

 へへへ、良い匂い。

 大きすぎないのが心に優しい。

 顔をあげて目を閉じておねだりしたらゲンコツを落とされた。


「だから、怒られんだろーがっ」

「サシャねぇ〜」

「はいはい。よしよーし」

「甘やかすなっ」


 大きくて柔らかくて癒やされる。


 ミネルバのアシェ宛の手紙の中に疑問の答えが書いてある。

 ボクが喰らったのはサイズ的にビームスナイパーライフルで普通に序盤のザコでも装備する武器。接近する程威力が上がってゲームの中では命中率が98%なんだって。

 メガ粒子砲は炎翼ではメガ粒子カノン。メガ粒子カノンは魔装機くらいの大きさで威力はあるけど射程は短い。

 長距離のハイメガ粒子カノンなら相手は中位以上の神器だから撤退する様にとの事で、みんな大好きMSタイプやMAタイプの神器に搭載されている。

 最上位ビーム兵器はバスターカノンで一部のMHタイプしか装備してないけど町が吹き飛ぶレベルだそうだ…………。どうすんだそれ? ゲームでは使用条件が厳しくて使えた事がないらしい。

 それいるんか? ネタ武器じゃん。動画クリエイターが頑張るやつじゃん。

 これはアシェ達も初耳で一般的な知識じゃないらしい。


 

 ?

 船から出ると城壁の上にタープが張ってある。

 タープの下ではお茶するフェルミナとエストアが。

 フェルミナはずいぶんと機嫌が悪いようで、ボクを見つけてへの字口で近づいてくる。


「ユフィ様っ」

「ひゃいっ」

「私の所に一番に帰ってきて下さいと申し上げておりますのにっ! 今回は許しません」

「ご、ご、ご、ご、ご、ごめんなさい」

「いまからお仕置きいたします」

「んーーーー」


 ボクを味わう様に妖しく重ねられる唇にくらくらして一瞬で心を持っていかれる。

 エストアはすまし顔でお茶を啜っていて、止めてはくれないらしい。

 話はついている様でまた船の中に戻される……。



 夕食前に軟禁が解除されたので、船のデッキを借りてオルトロスとシャレードを一体出す。

 今回の一番の収獲はシャレードの武装だね。

 ビームの出元かと思ってたのはバックパックに装備される折りたたみ式ガンで実体弾だった。

 折りたたみは見た目がすっきりして素直に嬉しい。

 ビームにカノン、ガトリングにミサイルランチャーって……ファンタジーじゃないねぇ。

 でも実体弾は肉体扱いってモンスターだね。

 いや、そーいやモンスターだった。


 オルトロスには新たにバーグラリーセットを装備。バーグラリーってなんだ?

 折りたたみ式ガンにミサイルランチャー、右脇にもミサイルランチャーが付いて左脇にはシャムシール、右腕はパイルバンカーで左腕に二連装の中口径カノンが付く。

 ガンとカノンって違うの? なんだろ?

 重たくなった分装甲を減らして動力にエネルギーを配分する。


 もう一体のシャレードはオルネロスと名付ける。

 こちらは完全に遠距離使用に。

 両肩に折りたたみガン、両脇にミサイルランチャー、両腕に二連装中口径カノンに右手に大型カノンを装備する。

 装甲を減らしても重たいから接近戦には向かないね。

 これは……趣味だねぇ。

 うんうん、良い感じ。二体ともカッコいいね。

 ってか、シャレードはこっちが本当だね。


 一応、予備にオルトロスと同装備と極接近戦使用を準備しておく。


「ユフィ様、お顔が緩んでおります。 まさか女子以外の物にまで、その様なお顔を……」

「殿下、ユフィとの縁談は考え直した方がよろしいかと……」

「そうですわね……」

「…………」

「性癖はともかく、私の為にこんなにして下さる方は他におりませんわ」

「性癖はともかく、性格は悪くはないですね」

「…………」 


 性癖、性癖ゆーな。


「しかし無骨なデザインですわね」

「美しくはないですね」


 これはこれで素敵なのだけど、フェルミナとエストアの好みには合わないみたいだね。

 明日は前線で試験運用だなぁ。

作品を読んで頂いてありがとうございます。

面白いと感じてもらえたら、いいね、ブックマーク、☆評価お願いします。


至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります。

作品は今後も加筆、修正あります。

投稿は不定期です。


先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね。

一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです。

本編の執筆が忙しく更新は止まっております


https://ncode.syosetu.com/n2673im/


カスタムキャストでイメージを作ってみました。


※画像はイメージであり、実際のものとは異なります。

挿絵(By みてみん)

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