私がずぅっとお待ちしている事を忘れないで下さいませ
「まったく、ユフィ君は予想もつかない事をする。 昨日にシャレード二体の回収に成功して、正体不明の手助けがあったらしいのだが君で間違いないかな?」
「はい、間違いありません」
チマスペの町は一旦ジュノーが占領してトールかジャローダと政治的取引に使用するらしい。
防衛の人員をどうするかが問題だったけどシャレード二体の回収に成功した物を防衛に当てるので治癒を頼まれた。
ジャローダの三人については、先ず引き抜き交渉。
次に魔装機の返却については約束はしないが防衛の延長を強く要望する。
ジャローダに連絡をとらせる事は構わなくて、報酬は出すし、防衛に協力するなら交渉はジャローダに有利に取り計らうと伝えていい、との事。
シャレードが来るのは昼頃なのでそれまではチマスペ方面への国境付近の哨戒に出て安全を確保する。
オルトロスとタイプⅢは昼まで軍関係で遊ぶそうなので一旦サシャ姉に預ける。
フェルミナはボクとの行動を強く要望するけど危険だし、エンゲージを出さざるを得ない状況はあってはならないので当然お留守番。
ボクが自分で勝手にシャルマンに行くのはいんだけど、一人で魔装機なしで哨戒って酷くないですかぁー?
おーい?
大雑把魔力探知なら結構な範囲を探知できるからいいね。
気配はっけーん。 と思ったら味方。
気配はっけーん……、を繰り返して四回目。
シャルマンの騎士二人組を発見。
さすがに操者だよね?
「こんにちは、お兄さん。 ここはジュノー領ですよぉ」
「何だお前は? 女か? へっ、いくらだ?」
「シャルマンの兵隊さんは飢えてますね?」
「女は上が独占してんだよ。 手柄を立てたら貰えるけどよっ」
「民間人には手を出さないの?」
「町に女なんていねーよ。 増えるのは貴族様だけでいんだとよ」
「そうですか……。 では、お二人一緒で対価は「命」になります……ねっと」
瞬時に接近してからの黒龍丸の横薙ぎ一閃。
反応くらいはしてよね。
異空間から発生する防壁に、振りは防壁をなぞる様にコンマ数秒ズラして、霧散させてから振り抜くっ。
男の首が飛ぶと同時に次へ。
ファイヤーニードルで先に防壁を出させるけど、同じパターン。
霧散までの時を切っ先を地面に水平にして溜めてずらして、一気に心の臓を穿つ。
「ぬるいね」
刀を引き抜き、二回振って血糊を飛ばしてから納刀する。
うちの生徒でも楽勝じゃね? と思わなくも無いけど、ボクはモノサシにはならない。
今のに反応出来るのはアイシャくらいのものだからね。
アイシャ元気? そーいや謎に機嫌悪かったんだっけ。 帰ったら優しくしてやろ。
その後は更に四体、計六体のシャレードを回収してネスタフェに戻る。
「ただいま」
「おかえなさいませ、ユフィ様……」
抱きついて唇を重ねてくるフェルミナとゆっくり深く絡め合う。
ダメ……気持ち良い。
もっと……。
彼女の抱きつき方は、こうゆっくり手を回してきて色気がある。
手足が長いから様になるよね。
「エストア、ただいまぁ」
手を出してみるのだけど、軽くハグしてくれるから、ほっぺをスリスリする……いてっ。
フェルミナが膨らんで、怒る顔が実にかわいい。
「アシェー、ただいまぁ」
手を出してみるのだけど抱擁はない。
「バカかっ……」
(ちっ)
「シャレード六体採ってきたけど全部渡していーの?」
「昆虫採取かっ。 研究用に一体だけサシャに預けておけ。 後は好きにしていい」
「サシャ姉ー。ただいまぁ」
手を出してみるのだけど、ゆっくり優しく包んでくれる。
大きくて柔らかい。
「ユフィちゃんは子供だねー」
「大人の女性だよ」
「はいはい。 良い子良い子」
顔を近づけてみるのだけど、鼻を指でちょんってしてから唇を合わせてくれて、ほわぁーんってなる。
シャレードを治して、オルトロスとタイプⅢを回収して陛下の所へ。
「シャレードを五体か……。 ユフィ君。 何日あればシャルマンを制圧できると思う?」
「シャルマンと他の魔装機をを見てないのでなんとも」
「いないとしたら?」
「一週間かからないかと」
「そうか……。 君を敵にはしたくないものだな。
では、君が協力してくれるうちに終わらせるとしよう。 ジャローダと町の交渉と共に協力を取り付ける、君が戻り次第全面攻勢にでる」
陛下とのお話も終わって下におりるのだが、この人達を連れていけと? ボクが?
「エチュード・バルロッサです。 よろしくお願いします」
「カモミー・セダムです。 よろしくお願い致します」
「ユフィです。 よろしく」
安全の確保出来てない所に魔動船は出せないから魔装機で走って行く方が早い。
シャレードは隠す必要ないしね。
「エチュードさん達は新兵ですか? 操者経験は?」
「カモミーは去年の入隊で初めての魔装機です。 私は司令部付五年で今回は責任者として着任します。 ジュノサイザーもジュノスも操者経験がありますよ。 私はともかくカモミーはユフィさんのお陰で魔装機に乗る事ができます。 ありがとうございます」
操者は花形職業、目指しても直ぐに増やせる物じゃないから、乗れないまま任期を終える人がほとんどでカモミーの顔は緊張と興奮が溢れている。
「ユフィ様、ありがとうございます。 私、精一杯操者の任を努めさせていただきます」
「自分の生命を大切に頑張ってね。 じゃあ行こうか」
「待ってくださぁーい」
「?」
「ハァハァ、わたし……わたしもエチュード班ですぅ」
「聞いてないな」
「失礼いたしました。 ユフィ様が奪ってきたシャレードのお陰で追加で操者に選ばれました。 エファニチュアと申します。 エファとお呼び下さいっ」
うわぁー、小さくてかわいいなぁ。
肩までの薄く赤い髪を少し編み込んでアクセントにして、目が大きくて笑顔が眩しい。
「ユフィ様っ……」
「ひゃ、ひゃいっ」
「私がずっとお待ちしている事を忘れないで下さいませ。 いいですね?」
「わかりました……」
見送りに来てくれていたフェルミナさんの目が冷たい。
美人が怒ると怖いからぁー。
ブルブルブルッ。
作品を読んで頂いてありがとうございます
至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります
私はキャラ達を魅力的に表現できてますか?
面白かったな。続きが気になるな。と思っていただけたら評価、ブクマ、感想などお願いいたします
作品は今後も加筆、修正あります
投稿は不定期です
先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね
一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです
本編の執筆が忙しく更新は止まっております
https://ncode.syosetu.com/n2673im/