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お前……ほんとにバカだなぁ

 シャルマンの兵士は処分して、ジャローダ兵は撤退済。

 さてさて。


「タイプⅢ、操者降ろして」

「Yes. master.」

「あと、核はどこ? ナビよろ」


 三人を並べ、ヒュプノスで重睡眠状態にしてから部分的に軽く凍らせてナイフを入れる。

 核は左の脇腹に埋め込まれていた。

 戦利品だからちゃんと頂くよ。


 ヒールで傷を治してから一番上っぽい彼だけを蹴飛ばして起こす。

 ガスガス。


「おい、こら、起きろ」

「んあっ。 お前は……。 なんでお前が……」


 オルトロスを見て顔が青ざめていくのが判る。

 

「お前だったのか? やっぱりネズミだったな……」

「違うよ、オルトロスは昨日奪ってきたの。 よくも一晩ほったらかしにしてくれましたねぇ」

「おい、ジャローダをどうした?」 

「三体共回収させて頂きました」


 いきなり殴りかかってきたのを、手で拳を流して背負いで地面に叩き付ける。


「ボクは君達の敵じゃないんだけど、しつこいと殺すよ」

「頼む、帰してくれ」

「勝ったのはボク。 今は命がある事だけ喜んだら? 後で交渉に使う事があるかもだけど、今は貰っていくよ」

「どうせ殺される……」

「そんなに?」

「激しい戦争中の討ち死にならともかく、ジャローダを奪われて生きて帰って……、「よく生きて帰った」とは、ならないわな」

「そっか、いま時間なくてさ。 一緒に来てくれたら考えてあげるよ」

「本当だな」

「別に嘘つく必要ないし」


 

 男の名前はカシュナッツ。

 部隊長で問題ないらしい。

 一昨日来なかったのは、酒を持って向かったけど場所がわからなかったんだそうだ。

 とりあえずカシュはコクピットに、二人は起こしてオルトロスの手に載ってもらってチマスペに向かう。

 町の名前、言いにくいし変えてもらおうかな?


 カシュとの交渉は町に着いてから、今はジャローダの目的について教えてもらう。

 ジャローダはシャルマンに物資の提供、援軍の約束をしているけど、勝っても負けてもシャルマンを奪う予定で準備しているらしい。


 チマスペは近いので直ぐについてしまう。

 物質ものじちはあるから適当な部屋で待って貰って、臨時代表の所に向かう。


「決まった?」

「やはり意見は割れてしまっていて……」

「協議は続けて下さい。 平和的に」

「次に私が帰ってくるまでに決まらないようなら、こちらで提案も考えます」


 北のジュノーに入るか、西のトールに入るか、南のジャローダに入るか。

 これはボクには決められない、意見が纏まれば尊重するつもりなんだけどね。

 ボクの立場としてはジュノー入りにするべきなんだけど遠いんだよ。

 

 

「お待たせ。 交渉といこうか」

「なぁ、なんで代表者と話ができる? お前何者だ?」

「領主を殺したのはボクじゃないけど、ここを制圧したのはボクだからだね。 正式には……冒険者の傭兵? かな」

「制圧? 一人で?」

「流れでね。 つまらなかったよ」

「正式じゃなかったら?」

「学生」

「冒険者の傭兵の方がまだ納得できる」

「で、お願いがあるんだけど、ボクは今からジュノーに帰ってくるから、ここの防衛を頼みたいんだ」

「俺達が?」

「他にいないからねぇ。 お願いじゃなくて命令にしてもいいよ」

「俺達が乗っ取るとは思わないのか?」

「好きにしたらいいよ。 でも……次は無い」

「ははは…………出来るんだろうな」


 カシュー以外の二人に一旦はタイプⅢを戻す。

 防衛の為であって、正式に返す訳じゃないし、マスター権限は当然返さない。

 臨時代表も交えて打ち合わせをしてネスタフェに戻る事にする。

 真っ直ぐに、絶対真っ直ぐに。


 道中、目に入るシャルマン兵は全て火だるまに変える。

 国境付近にはそれなりの数の兵士がいたけど普通の兵士にボクの相手は務まらない、一瞬で処分して走り抜ける。


 国境を越えたあたりで魔装機の駆動音と斬撃の音に足を止める。

 近づくとジュノスとシャレードが二体づつで戦闘中。

 魔装機同士の戦いはスピードがあるし、見応えがあるねぇ。

 腕は互角程度だしガッツリ打ち合わずにヒットアンドアウェイを意識してる打ち込みだね。

 そりゃなかなか勝敗つかないわ。

 シャレードの後ろにこっそり近づいてオルトロスの剣撃で膝裏を破壊する。

 あら、これ便利ねぇ。

 完全な不意打ちに反応する事もなく倒れ込むシャレードにジュノスの攻撃が入る。

 もう一体も同様、逃がしはしない。  

 魔装機の防壁は緩くないから素で抜けるのは嬉しいね。

 邪魔した事を怒られたら嫌なのでスッとその場を後にする。


 少し暗くなった時間にネスタフェにたどり着いて、先にアシェに相談したかったんだけど船にはいなかった。

 ちなみにやっぱり右にズレてコーラルの警備隊と会うはめになった……チーン。


 領事館かフェルミナのテントか?

 やっぱりフェルミナのとこが先だよねー。

 フェルミナっ、フェルミナっ、んっふっふぅ。


 フェルミナも留守だった。

 むぅ。


 領事館で魔力サーチっと。

 うん、いるいる。

 陛下達と会食中かな?

 

 待ってる間に食堂で夕食をとってお風呂にぃー。

 浴場に入ると以前にご一緒した方々が寄ってくるのでシャンプーとコンディショナーをサービスすると前にレクチャーしてあげた女の子が髪を洗ってくれる。

 うん、上手い上手い。


「ユフィ様っ!」

「んが?」

「んが? ではありません。 どうして帰ってきたのに一番に私の所にきてくださいませんの?」

「行ったよ。(二番目だけど) さっき着いたんだよ」

「でしたら仕方ないですわね。 ごめんなさい代わって頂けます?」

「はいっ」


 ふふふふ。

 気持ちいい。


「ありが……」


 フェルミナが深く入ってくる。

 嫌じゃないけど止めなさい。

 後ろが盛り上がっちゃってるよ。


「ただいま」

「お帰りなさいませ」


「殿下……。 公の場所ではお慎み下さい」


 おぉ、アシェ。

 お姉様は着痩せするタイプなんだね。

 アシェ達とお風呂は初めてでサシャ姉は見るからに豊満なのだけど、バスタオルで隠したお姉様もなかなかに……いてっ。

 

「顔が緩んでおいでですっ」

「ごめんなさい」

「お前……ほんとにバカだなぁ」

 

「アシェ。 この後時間いい? 長くなるかもだけど……いてっ」


 フェルミナさん、お仕事だからねっ。


「アシェ。 ちょい耳かし……いてっ、いていていてっ」

 

 ほっぺを膨らませてぽかぽか叩いてくる姿はかわいいのだけどね、お仕事だからねっ。

 膨らませたほっぺは柔らかくて気持ちいい。


「なるほどね。 それは陛下も一緒で大丈夫だ。 殿下、この後の予定を入れていただけますか?」

「ぷうっ。 私はユフィ様と二人で過ごしたいのですがっ?」

「報告だけで後はこちらで致しますので、どうか」

「わかりました……」

 

 お風呂の後で、急ぎで謁見を取り付けてもらいシャルマンでの報告を行って早々にフェルミナに連れ去られる。


 ごめんね。

 今日は二人でゆっくりしようね。

作品を読んで頂いてありがとうございます。

面白いと感じてもらえたら、いいね、ブックマーク、☆評価お願いします。


至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります。

作品は今後も加筆、修正あります。

投稿は不定期です。


先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね。

一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです。

本編の執筆が忙しく更新は止まっております


https://ncode.syosetu.com/n2673im/


カスタムキャストでイメージを作ってみました。


※画像はイメージであり、実際のものとは異なります。

挿絵(By みてみん)

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