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君はどうして欲しい?

 あそこかな?

 城壁が見えて来たけど、壁の周りは真っ黒。

 兵士? 違う、国民達だ。

 近づくに連れて怒りが増してくる。


 気配感知でも生きてる気配はない。

 町の周囲は地面が見えないくらいに死体が転がっているのに城壁の上には退屈そうな兵士。


 動くボクを見つけて集まって楽しそうに弓や魔法を飛ばしてくる。


 は?

 ふざけるな。

 町ごと潰すか?

 いや、まだダメ。


 見える範囲の城壁の上に威力を下げて即死性を無くしたファイヤーストームを放つとほとんどの兵士は炎に包まれのたうちまわる。

 防壁で弾いても浮足立った兵士に脅威はない。威力を調整してファイヤートルネードで包みこむ。

 回復魔法も使えるんだろうけど、痛みが長引く分騎士の方が辛いかもね。


 サッと城壁に駆け上がり更に見渡せる範囲の兵士を炎で包んでいく。

 町は四角形で西南北の門から大通りがあって東の壁に近い所に一際大きな建物があるから偉い人がいるのだろう。


 町の中に活気は無いけど住人はいるみたいで城壁の火災を見て騒いでいる。

 今回も問答はしない。

 兵士になった時点で覚悟は出来てるよね。

 目に入る兵士らしき人物は全て火だるまに変えていく。

 城壁から屋根を伝って建物を目指すけど、兵士達はまったく手応えがない。

 騎士らしい騎士がいない。


 建物に着いたら最上階の豪華な装飾の窓を覗くけど肥えた豚が行為の最中だった。

 汚い。 見なきゃ良かった……。

 戦時中だろ? 周りの騒ぎも知らないと?

 別にキャーとなるほど乙女じゃないけど、好き好んで見たくは無い。

 そして相手をさせられている女性達は全員鎖で繋がれて、誰一人喜んでいる顔じゃない。

 はぁ。


 サウンドインシュレーション、ヒュプノス……リリース。

 女性達は眠りに落ちて豚は防壁により守られるけど、何が起きたのかは理解してない。

 へぇ、一応操者なんだ。


 豚にファイヤーニードルを継続的に当て続けて女性達の首輪も破壊する。

 視界が火の海になってやっと理解が追い付いたみたいだけど防壁には自信がある様で焦りはなさそう。次はダークヴェールで視界を奪う。

 ダークヴェールは視覚に作用する魔法じゃなくて周囲の事象干渉系なので防壁でのレジストは出来ない。

 本来かけた術者には作用しないけど、見たくないので見えなくする。



「ねえ、起きて」 

「んん……」


 一人の女性を起こして、びっくりした口を人差し指で抑える。


「ごめん、驚かないで。 少し話がしたいんだ」 


 彼女の名前はミミ。

 男は領主ペハシコリ・チマスペ。

 彼女達は奴隷の様に扱われていて、今だけは生活は出来ているけど飽きるか壊れるかしたら捨てられ殺される。

 不作が続いていて町の人間には軍から配給があるけど外の人達は見捨てられていて、領主や軍人達はやりたい放題だけど配給を受ける為に逆らえない。

 食料を求めて人々が町に押し寄せて来たのを領主が処分させたらしい。

 

「君はどうして欲しい?」

「死にたいです……」

「そっか、辛かったね」


 言葉で慰める事は出来るけど、心の傷は癒せない。これからどうするかは自分で決めなきゃいけない。

 

 ペハシコリを黒人間状態に見える様にして防壁をかき消して眠らせて魔装機のパスを奪う。

 魔装機はシャレード・ペハシコリ。

 下品な名前。

 核は右手に埋め込まれているらしいので切り落として凍らせてから解体して5センチ程の宝石を取り出した。

 手で良かった。

 シャルマンでは手に埋め込むのが主流との事だ。

 ペハシコリは殺すつもりだったけど保留にして傷は焼いて塞いで首輪で柱に繋いでおく。

 下位とはいえ楽勝で魔装機が手に入ったのは嬉しい。

 早く出して名前を付けてあげないとね。


「下を見てくるから、君達は自由にしたら良いよ」

 

 領事館兼領主邸の中には百人程は人がいるのかな?

 部屋の扉を開けた瞬間に両側から切り付けられるのを躱して無手で制圧して深く眠らせる。

 動きが騎士だけど魔装機は持ってないみたい。

 

 建物中の制圧は完了。

 他の魔装機持ちはいなかった。

 普通の騎士では操者に対抗出来ないから領主の権限を強くする為かもしれない。

 騎士と兵士は眠らせて文官は集める。黒っぽいのは眠らせておいて、残った中から代表者を選出してもらった。

 騎士と兵士、眠らせた文官などは協議の上で黒と判断して処分する。

 これからの事はボクには判断出来ないから明日の昼までの期限をつけて、町の軍施設の制圧に出る。


 制圧完了、城壁の上も一回りして生存者は処分していく。

 騎士が町の中に残っていない事を祈るしかない。

 一人で町の制圧は出来ないけど文官達の制圧くらいは出来てしまうからね。

 もう日も暮れたけど明日の昼までに西側国境の掃除と町周辺の軍施設の掃除を終わらせないといけない。

 

 朝に一度領事館に戻るとペハシコリは彼女達によって殺害されていた。

 自由にしていいって、そこじゃない。


作品を読んで頂いてありがとうございます。

面白いと感じてもらえたら、いいね、ブックマーク、☆評価お願いします。


至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります。

作品は今後も加筆、修正あります。

投稿は不定期です。


先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね。

一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです。

本編の執筆が忙しく更新は止まっております


https://ncode.syosetu.com/n2673im/


カスタムキャストでイメージを作ってみました。


※画像はイメージであり、実際のものとは異なります。

挿絵(By みてみん)

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