閑話 〜王立学院 学院祭その2〜
「ユフィ様。 あちらの出店は何でしょうか? すごい行列ですね」
「この辺は何もないはずだよね」
修練場の端っこ、この辺は商品が無く空いたままの屋台が並ぶ一画。
店は幕で覆ってあって中は見えないのに生徒達の列が出来ている。
「すいません、こちらは何のお店でしょうか?」
「えっと、よく知らないんだぁ」「列があったから並んでるだけだよ」「…………」「…………」
ボクはダメだからタキナに尋ねてもらったけど、話しかけられただけで鼻の下がのびていて、タキナが近付くと恥ずかしいのか立ち去ってしまう生徒までいる。
むぅ、仕方ない。
一人出てきたら一人入るシステムみたいで、中は満席なのかな?
ラーメン屋みたいでワクワクする。
出店はほぼ見終わったし並ぶのも祭りの楽しみだよね。
「でさぁ、アレクシアはこないだねぇー……」
「それに比べたら……」
「あっ、コレットのあれは?」
「あれは結局ですね……」
「…………」
「…………」
ちょうどボク達が最後だったみたいで後ろに並ぶ生徒はいなかった。
前の男子生徒が入ってしばらく。
「タキナが先でいいからねっ」
「いけません。 ユフィ様が入って下さい」
「ありがとっ」
出て来た出て来た。
すごく満足気な顔で期待度が上がるねっ。
では、お先にっ。
「へい、らっしゃい。 すぐ準備するからちょっとまってろ」
「………………」
あ? 何やってんだこいつ。
らっしゃいじゃねーよ。
幕の中には上はノーブラタンクトップで腰にバスタオルを巻いた、良く知っている緑色が後ろを向いて商品を整理している。
見かけないと思ったらこんな所に。
「すまんなぁ。 もうほとんど出てしまって、ビルトとユフィのくらいしか残ってなくてな。 ホントあいつら人気ねーな」
「………………」
ほうほう、誰が人気が無いと?
机にの上には見覚えのある布が並んでいるのだけど?
整理が終わった緑色がこちらに振り向く。
「せっかく並んでくれたからな特別サービスくらいは…………」
「………………」
「おお、ユフィ。 ほとんど売れちまってちょうど片付けようかと思っていてな」
「そう。 ねぇ……、パウラは何を売っていたの?」
「婦人用の服飾品だな」
「へー……、なんか見覚えある気がすんだけど?」
「気の所為だろ、貴族用の服飾品は似たデザインになるからな」
「そっかぁー、お気に入りだったのになぁー。 人気がないのかぁー」
「そ、そんな事はないぞ。 ちゃんと何人かは買っていったからな……。何人かは……」
何回か着用した下着はなくなって、新しい物が用意されてるから、そーゆうシステムだと思ってたよ。
「で、なんでノーブラタンクトップにバスタオル巻きなの? えっちぃんだけど?」
「希望があったからなぁ、売った」
「ふーん。 で、何をサービスしてくれるのかなぁ?」
「もちろん熱い抱擁と口づけだ」
「いつも通りだろっ! 自分の欲望じゃねーかっ! 学院祭でいかがわしい事してんじゃねーわっ!」
「いかがわしい事なぞ微塵もないっ。 ユフィよ。私は奴らに夢を与えただけだ……。 夢さえあればどんな辛い事が起こっても奴らは頑張れる……」
「何、遠いとこ見ながら良い事言った雰囲気だしてんだよっ。 そーゆーことじゃねーんだよっ。 言ってみろ、何をいくらで売ったぁー?」
「全部1ゴールドだぞ(一万円程度。まぁ、女性用下着は普通にそれくらいはするからボッタクリでは無い)。 お前のは人気がないから1シルバーにしたけどな(千円程度)」
「…………」
何故、売れ残っている?
おかしい……こんなに美少女なのに……。
頭がくらくらする。
「で……一番人気は?」
「カトレアとイヴのカボチャパンツだな。 お一人様一枚限り各20枚即完売だ」
そっか……、ボクのお気に入りはカボチャパンツに負けたのか……。
ボクにはタキナがいるんだ……。悲しくなんてないんだから……、悲しくなんて……。
短いお話です。
100話記念に相応しくないと思い別の話にしました。
いつも通りじゃねーかっ
そうですか……
作品を読んで頂いてありがとうございます
至らない点が多数あると思いますが減らして行けるように頑張ります
私はキャラ達を魅力的に表現できてますか?
面白かったな。続きが気になるな。と思っていただけたら評価、ブクマ、感想などお願いいたします
作品は今後も加筆、修正あります
投稿は不定期です
先に閑話的作品を投稿して……と思ってたんですが、本編と大幅にズレてきたので書き直しか別の作品になりますね
一緒に読んで評価いただけたら嬉しいです
本編の執筆が忙しく更新は止まっております
https://ncode.syosetu.com/n2673im/