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3.異世界

この世界には、私達異世界から来た人間と、

元々この世界に住んでいる先住民がいるらしく、

先住民の人達は砦から離れた場所に街を作って生活しているらしい。


私達異世界人が差別されて街に住めないと言う訳ではなく、

通常この世界にいるモンスター以外に、

波と言われるスタンピード(モンスターの大群)があり、

波が発生すると人外的な何かの現象でこの砦に転移してしまうらしい。


波は一波から六波まで繰り返し起こり後半になる程強いモンスターの大群が出現する。

丁度一波の時期にまるで補充されるように異世界からの転生現象が発生すると教えて貰った。


波が発生すると皆忙しくなるので、転生してきた新人をベテランが1週間程度面倒を見てくれる。

住居もその間は、砦の部屋を使っても良いが、

波が来ると怪我人の負傷介護等に使われてしまうので、

自分達で住む場所を見つける必要があるみたいだった。

居住場所はピンキリでお金さえ出せば安全な砦の部屋を借りる事もできるらしいけどお高いらしい。

波が来た際に素早く行動できるようにパーティで同じ場所で暮らす事が多いみたいなので、

後で皆で決めようかと言う事になった。

その他細かい事を説明して貰ったが、

取り敢えず明日から自分達の職業を理解出来るように実技訓練をしてくれるみたいだけど、

先輩達に錬金術師はいないと言うか今までの転生者で錬金術師がいなかったみたいで、

私は先住民の人が纏めてくれた本で自主学習して欲しいと言われてしまった。

何と言う不遇職、リセットボタンが目の前にあったら連打する自信がある。


一通り説明を聞いたので私と詩ちゃんは、

女子が固まっている部屋で休む事にした。


「琴音さん、職業以外の能力や加護については他のパーティの人には秘密にしておいてね、

もし執拗く聞かれたらパーティリーダーの俺に聞いて欲しいと言って構わないから」

別れ際に蒼君に小声でそう言われたので、理由は分からないけど私は頷いた。


石造りで所々ランプで照らされた部屋を歩いて部屋に向かう途中聖女と出くわしてしまった。


「あんた調子にのらないでよね」


聖女はきつい顔で私を睨んでそう言ったので、

多分だけど私に言った言葉何だろうけど、私には調子に乗れる要素が一つも思い当たらなかった。


「あんたが選ばれたのは、単に同情よ、

どうせ直ぐにみはなされるわよ」


言いたい事を言い終えて満足したからか、聖女はくるりと来た通路へ戻って行った。


「琴音さん、気にしないほうが良いですよ」

「ありがとう、詩ちゃん」


言い方はともかくとして、

自分でも同情でパーティに誘ってくれたんだろうという自覚はある。

だから本当に足手まといになりそうだったらパーティを抜けられる準備を少しでもしておこう。


部屋の中はベッドと小さなテーブルが置いてあるだけの狭い部屋だった。


京さんは転生と言ってたけど年齢こそ同じ位だけど、

色々な制服の人がいたから個々に転移して来たとは考え辛いので、

恐らくは転生で間違いないのだろう。

それより気になるのが多少の不満が有る無いの差はあるけど、

比較的に皆この状況を受け入れている事だった。

死んでこの世界に生まれ変わる前に何かあったのかも知れない。

そんな事をぼんやり考えていたが一日で色々あった為にいつの間にか眠りに落ちていた。

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