28.満天の星の下で
「凄い、綺麗」
真っ暗な夜空に輝く星は、まるで小さな宝石がこぼれ落ちた様だ。
街明かりも無く、空気も澄んでいる為に、
星の光がかすれる事無く降りそそぐ。
二人は暫く夜空を見つめていた。
「ここに来てまだ一ヶ月程度しかたっていないのに、
随分長くいるような気がするから不思議だよね」
「あのね、蒼君」
「うん」
「私ここに来て誰からも相手にされなくて、孤独で寂しくて、
でも、蒼君に声かけて貰えて嬉しかった、ありがとう蒼君」
「俺が誘ったんだから、お礼を言うなら俺のほうかな」
「今回、聖女パーティの人が一人脱落しちゃったみたいで、
パーティ再編できるみたいなの、私が抜けるから華蓮さんをパーティに入れてあげて」
「聖女に何か言われた?」
「少し、でもそれとは関係ないかな、詩織さんからも砦の内勤で良いよって言われたのもあるかな」
「もう、戦うのが嫌になった?」
「戦うのは好きじゃないけど、自分のせいで皆が怪我するのが嫌かな。
私だと今日みたいなアンデッドが来た場合に何も出来ないから」
「誰にでも得手不得手はあるさ」
「うん、でもやっぱりアンデッドの相手は聖職者だと思う、
だからね、だからパーティを抜けさせて下さい」
「もし、もしもだよ、琴音さんが聖女になれたとしたらなっていたと思う?」
「聖女になりたくない女の子何ているの?」
「ここに来たばかりの時に、俺は色々な人に話しかけて出来るだけ情報を集めたんだ。
勿論皆用心してるし、全部が全部じゃないけどね」
「そうなんだ、来たばかりの時なのにやっぱり蒼君は凄いね」
「それでね、ある傾向がある事に気づいた。
上級職の人程、能力や加護を持っていない。
普通逆じゃない?」
私は色々特殊だったので、他の他人の事はよく分からない。
パーティメンバーの人も加護や能力を持っていたのでそれが普通だと思っていた。
だけど、蒼君が言った事が事実なら明らかにへんだ。
「まるでポイント制のキャラメイクみたい......」
「俺もそう思った、レベルが上がるとスキルポイントが手に入るけど、
能力や加護は増えないし、見習いはなくなるけど、職業は変えられない。
キャラメイクしたとしたら誰がしたと思う?神様?」
「自分自身?」
「おそらくね、最初琴音さんに声かけた時に、
能力も一つしか分からなくて加護も一つしか無いって言ってたでしょ?」
「まだ分からない能力っていくつあるの?」
「多分だけど二つあると思う」
「どちらかの能力に答えがあるんじゃないかな、実際無くても問題は無いしね」
「問題ないの?」
「ああ、次回から波の時は、聖職者のいるパーティと共闘すれば良いだけだし、
通常の討伐でアンデッドは基本的に墓地とか廃屋から出ないからね」
「そか、じゃあ華蓮さんとも共闘する事がありそうだから、仲良くしないと」
「嫌、聖女パーティとは組まないよ」
「今回の一件があったから?」
「勿論それもあるけど、勇者も賢者もいないのに聖女が一人いるって事は、
恐らくバッドステータス持ちだから」
「バッドステータス?」
「聖女になるにはポイントが足りなかったんだと思う。
ではどうやってとったかと考えると、悪い効果のステータスを取ると、
使えるポイントが増えるとかかな」
「そんな......」
「まああくまでも想像だけどね、彼女が特段聖女らしい人物とも思えないから。
盾職はイレギュラーを嫌うんだ、モンスターの敵意がコントロール出来ないからね」
「そか、自分で選んだ道か。
蒼君、パーティ抜けるって話したけど取り消していいかな。
まだできる事がある気がしてきた」
「勿論、と言うか最初から認めて無いしね」
「うん、ありがとね」
「どういたしまして、だけど聖女じゃ無くて、俺が君を選んだのをもう少し信頼して欲しい」
「ごめんなさい、蒼君優しいから」
「誰にでもそつなく対応はしてるけど、誰にでも優しい訳じゃないんだけどね、そこらへんも追々」
「うん」
「星が綺麗だね」
「今度は皆と一緒に来ようね」
でも、今日は二人きりで。
寄り添うように、いつまでも星を眺めていた。




