26.五芒星会議②
「まずは、定例報告の前に聖女の件を話したいと思う。
今回俺は砦の守りについていたから、詳細がよく判らない。
聖女を問い詰めたがグダグダと言い訳ばかりでさっぱりだ」
「この中で一番情報を掴んでるのは俺だな、
もっとも俺も直接見た訳じゃないが」
猛の言葉を聞いて話し始めたのは、
最初に猛にはなしかけてた赤色短髪の旭火だ。
「どうも聖女は、決められた持ち場を無視して、
森林に入りスケルトンを誘導したみたいだ。
その際に、聖女パーティメンバーの一人が中型モンスターに襲われて負傷。
結果聖女パーティが足止めする予定だったモンスターとスケルトンが合流して、
今回の惨事になったみたいだ」
「想像はしていたが、改めて聞くと酷いな」
「許せませんね」
その言葉に猛とその他職の代表で会議に出席していた詩織が、
感情をあらわにして怒っていた。
普段は冷静な彼女には珍しいことだった。
「ごめんなさい、今回聖女パーティに中衛の守りをさせる事を支持したのは私だわ」
「嫌、それ自体は間違っていない、
今の時点では上位職で構成されている聖女パーティが適任だとは思ったから、
この会議でも反対意見が出なかったんだからな。
まさかここ迄馬鹿な行動を取るなんてな」
魔職代表の紅音の言葉を猛がフォローする。
「さて、今回の処遇をどうする?」
「私が回復職のリーダーだからと言うわけではありませんが、
まだこちらに来て間もない新人が多い中で、
厳しい処罰は避けたほうが良いと思います」
「まあそうかもな、
ロクに戦闘経験の無いヒヨコちゃん達を上から押さえつけると、
勘違いしそうだしな」
「そもそも今回の一連の行動を聖女が何故とったと思う?」
「蒼君だっけ?あの子への恋慕だと思うわ」
「あー、一番面倒くさいパターンかよ......
取りあえず聖女パーティの欠落要員は俺達から紹介しない、
波もそうだが通常の討伐で聖女と蒼のパーティを近場にしない、
琴音ちゃんの作成したアイテムは聖女達には渡さない。
こんなもんで様子をみるか」
猛の言葉にその場の全員が賛同した。
「次に定例会にうつるが何かあるか?」
「私から良いかしら」
「ああ」
「私ステータスロストして随分たつので、そろそろリーダーをおりたいのだけど」
「いや詩織、それは前にも話したが、その他職は色々癖があるから、
纏めるのが大変なんだ、せめて後継を育ててからにしてくれ」
「じゃあ琴音ちゃんを蒼君のパーティから抜いてよい?」
「詩織があの子を心配してるのは知ってるし、
砦常駐ならさっきの問題も解決するから良いと言えば良いんだが、
本人と蒼の問題だからな」
「それは理解していますよ、
今回の件であの子が悩んでたみたいなので、
選択肢の一つとして提案したの。
もし、彼女がパーティから抜ける事を選んでも反対しないで欲しいだけ」
「分かった。
レベルアップで有効な錬金が増えるかも知れないんで、惜しいは惜しいが、
死なせてしまったら元も子もないからな」
「でもあの子、今回の波のMVPでしょ?
そんな子が抜けたら自分も前線に出たくないって子が出るんじゃない?」
「今回琴音ちゃんがMVPに選ばれたのは、
新しいポーションと信号だの開発による所が大きいと思う。
戦闘での評価ではないと説明して、
ポーションの作成者って事をオープンにすれば何とかなるだろう。
と言うか、各リーダーで何とかしてくれ」
その後、多少の情報交換と今後の方針を決めて、五芒星会議は終了した。




